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4月30日 東都大学準硬式野球秋季リーグ 対東海大学2回戦、ダイワハウススタジアム八王子
専大が鮮やかな逆転勝ちで連敗をストップ。東海大相手に2勝し、今季初めての勝ち点1を獲得した。2点を先制されて迎えた1回の裏、4番の五十嵐健(経済3・常総学院高)が2試合連続となる3点本塁打で逆転に成功する。その後勝ち越しを許すも、6回には再び五十嵐の本塁打が飛び出し同点に追いついた。7回には渋川達大(経済4・前橋高)と須永隼人(商2・専大松戸高)の連続適時打で2点を勝ち越し。援護をもらった先発の塚越海斗(文2・高崎商科大附高)は完投勝利で2勝目を挙げた。
▲6回、同点弾を放った五十嵐がハイタッチで迎えられる
<スコア>
東海大|2 0 2|0 0 0 |0 0 0|4
専 大|3 0 0|0 0 1 |2 0 X|6
スタメン
1(左)桂川海輝(経済4・専大北上高)
2(指)渋川達大(経済4・前橋高)
3(中)須永隼人(商2・専大松戸高)
4(一)五十嵐健(経済3・常総学院高)
5(捕)大野恵和(経営4・専大松戸高)
6(右)上野滉平(商3・県岐阜商高)
7(二)中谷功大(法2・広陵高)
8(三)杉山滉生(経済4・専大北上高)
9(遊)岡本元希(経営2・常葉菊川高)
P 塚越海斗(文2・高崎商科大附高)
日大、国士舘大相手にそれぞれ勝ち点を献上し、連敗中で迎えたこの試合。初回の守り、先発の塚越はいきなり先頭打者にヒットを許すと、味方の失策と適時打で2点を先制され、やや不安の残る立ち上がりとなった。
直後の攻撃、渋川と須永の連打でチャンスを作り、打席には4番の五十嵐。昨日の国士舘大戦では本塁打を放っていた。「まずは同点にしようと思って打席に入った」という五十嵐だったが、東海大・庄司のカーブを捉えると打球は高々と舞い上がり、逆風をものともせずライトスタンドに飛び込んだ。
▲2試合連続となる本塁打を放った五十嵐
▲援護をもらった塚越は2回を無失点で抑える
逆転してもらった直後のイニングを0点で抑えた先発の塚越。しかし、3回には先頭打者に1発を浴びてしまう。その後もヒットと四球でピンチを広げると内野ゴロの間に1点を失い、この回勝ち越しを許した。
試合は中盤に入り6回、この回の先頭は4番の五十嵐。この日は指名打者ではなくファーストの守りにつき、無難に守備をこなしていた。「守備についている間はピッチャーに声をかけて、できる限りのことをしようと思っていた」と話すとおり、マウンドの塚越に声をかける姿がここまで目立っていた。
「塚越が頑張っていたので、もう1度ホームランを打つつもりでいました」と、狙っていた直球をフルスイング。打った瞬間に分かる大きな当たりはバックスクリーン左に飛び込む同点の本塁打となった。
▲五十嵐が春リーグで放った本塁打はこれで4本目。早くも昨秋の3本を越えた
先頭の五十嵐に一発が出るも、後続は倒れてこの1点のみ。7回の攻撃は1死から岡本がヒットで出塁する。内野ゴロの間に走者を進め、2死2塁でこの日スタメンに抜擢された渋川を迎えた。
渋川はここまで出番に恵まれなかったが、29日の試合でスタメン起用されてヒットを放ち、今日も初回にチーム初ヒットを放っている。渋川は低めのスライダーを空振りし追い込まれるも、再びそのスライダーに標準を合わせて一二塁間を破るヒットを放った。打球が転がる間に2塁走者の岡本が一気にホームイン。勝ち越しに成功した。「ベンチやスタンドから応援の声が聞こえたので、みんなの分も打ちたかった」と試合後に語った渋川。スタメンに起用したベンチの期待に見事応えてみせた。
▲7回、勝ち越し打を放った渋川は拳を強く握る
▲岡本も決死のヘッドスライディングで本塁を陥れた
リードをもらった先発の塚越はこれでもう1段階気合を入れなおしたか、8回と9回をそれぞれ三者凡退に抑えて試合終了。序盤こそ4点を失って苦しんだ塚越だったが、それ以降はわずか2安打ピッチングと本来の安定感を取り戻した。試合前から完投したいと意気込んでいた塚越。まさに有限実行の完投勝利だった。
劣勢だった序盤をはねのけ、チャンスをものにしてつかんだ逆転勝利。主将の阿部拓磨(経営4・専大松戸高)も「粘って勝つというウチ(専大)本来の勝ち方ができたと思う」と今日の勝利に確かな手応えを感じているようだった。3カード目にして初めてつかんだ勝ち点1。今日の勝利をきっかけに残り2つのカードでも勝ち点獲得を狙う。
試合後のコメント
阿部主将
「先発が粘って、それに打線が援護して勝つ。これを試合の終盤にできたことが大きかったです。塚越は試合前から完投すると言っていたので、続投に関して戸惑いはありませんでした。この流れを継続していけばリーグ優勝にも近づけるのではと感じた試合でした」
▲6回、五十嵐の同点ホームランに喜ぶ阿部(写真中央)
9回を投げ完投、今季2勝目の塚越
「ここのところ、援護をもらっているのにリードを守れなくて不甲斐ない内容が続いていたので、今日勝ててよかったです。序盤に攻められましたが、阿部さんに『最後まで投げます』と言ったので、修正しながら投げました。(5回終了後の)グラウンド整備の間に気持ちを入れなおしたのが終盤の好投に繋がったと思います。今日の勝ちは自分にとってもチームにとっても大事だったと思いますし、次もチームを勝利に導く投球をしたいですね」
▲6回、1死2塁のピンチを無失点に抑え笑顔の塚越。このピンチをしのいで直後の同点劇につなげた
7回勝ち越しタイムリーの渋川
「今日スタメンにならせてもらって、何とか連敗を止めたいという思いで打ちました。打ったのはスライダーです。打つ前にスライダーを空振りしてしまったんですけど、ボールが浮いてきたので思い切っていきました。打球が抜けたとき、『今日は俺がヒーローだ』と思いました(笑)この後の試合でも与えられたチャンスは絶対ものにしてチーム一丸で勝ちに行きたいと思います」
初回の逆転弾、6回には同点弾を放った五十嵐
「(2本目の本塁打について)打った瞬間入ったと思ったので、うれしかったですね。チームの流れを変える一打になったと思います。最近よく結果も出てるので、これからの自信につながる1本でした。ファーストの守備は以前から準備はしていましたし、守備についていれば試合の流れも見えるので、指名打者との違いはあまりないです。自分の守備で気持ちを乗せることもできますし、その流れで打てたと思います」
(文=飛田翼・文4、写真=飛田、八代哲・経済2)