最新ニュース
10月3日、上柚木公園野球場にて、東都大学準硬式野球秋季リーグ対中央大戦(第4回戦)が行われた。
1勝1敗1分で迎えた中央大との第4回戦は、先発・阿部拓磨(経営3・専大松戸高)が133球の熱投。打っては、7回表、5番今坂僚介(ネット情報4・常葉菊川高)が2点適時二塁打を放ち、逆転に成功する。この一打が決勝打となり、接戦をものにした。この結果、中央大から勝ち点を奪い、専大は勝ち点を「4」とした。
▲9回を投げ切り完投勝利を収め、笑顔を見せた阿部拓
<スコア>
専 大|0 0 0 |1 0 1 |2 0 0|4
中 大|0 0 2 |0 0 1 |0 0 0|3
スタメン
1(中)須永隼人(商1・専大松戸高)
2(右)福井亮太(商4・県岐阜商高)
3(左)桂川海輝(経済3・専大北上高)
4(指)五十嵐健(経済2・常総学院高)
5(二)今坂僚介(ネット情報4・常葉菊川高)
6(捕)神山琢郎(経営4・県岐阜商高)
7(三)中谷功大(法1・広陵高)
8(一)印南唯登(法1・専大松戸高)
9(遊)岡本元希(経営2・常葉菊川高)
P 阿部拓磨(経営3・専大松戸高)
勝ち点をかけた第4回戦、大事なこの試合の先発は、エースの阿部拓。序盤、打たせて取る持ち味の投球で相手打線を無失点に抑える。しかし、3回裏、先制される。内野ゴロ2つで簡単に2死までいくも、味方のエラーで出塁を許してしまう。そして、続く打者にヒットを打たれ、2死1、2塁。相手5番にレフト越えの2塁打を浴び、2死から2失点、エラーから始まる勿体無い失点となってしまった。
▲先発のマウンドに上がった阿部拓
続く4回裏、2死2塁のピンチを背負う。阿部拓が投じたボールを相手9番にレフト前へはじき返される。しかし、レフト・桂川の好返球、ホームでアウトにし、ピンチを断ち切った。阿部拓はその後、6回に犠牲フライで1点を失うも味方の好守もあり、持ち味の打たせて取る投球を存分に見せた。
▲肩に自信はないと話すが、この場面、ピンチを脱するビッグプレーを見せた(写真左)桂川
▲味方の好守をねぎらう阿部拓
好投の阿部拓を援護したい打線は、4回表、先制を許したあと、すぐさま取り返す。2死2塁から、8番印南が真っすぐをセンター前にはじき返し、1点を返す。
▲2塁ベース上でガッツポーズを見せた印南
1点を追う6回表、5番今坂がセンター越えの2塁打で出塁。その後、7番中谷のヒットで2死1、3塁のチャンスを作り、9番岡本元がヒットを放ち同点に追いつく。
▲貴重な同点打を放った岡本元
すぐさま1点を奪われ勝ち越されるも7回表、1死から3番桂川、4番五十嵐の連打で逆転のチャンスを作る。「感触としてはあんなに飛ぶとは思わなかった」と試合後振り返るも、5番今坂が左中間へ大きな2点適時2塁打を放ち、逆転に成功した。
▲「これまで3年生以下に良いところを取られていたので、4年の自分が結果を出せて良かったです」。最上級生の今坂が決勝打を放った
終盤3回、ランナーを背負う場面もあったが、阿部拓が力投を見せ133球の熱投で接戦を制した。
▲「前の自分ではできなかったことなので、成長した部分かなと思います」。阿部拓は7回裏、ピンチで三振を狙って三振を奪った
リーグ屈指の強豪中央大から勝ち点を奪い、専大は、引き分けを挟みながらも、8連勝、そして、勝ち点を「4」とした。
平成21年秋以来、8年ぶりのリーグ優勝まで、残すは東洋大との1カードのみとなった。8連勝の勢いのまま、全員野球で、次のカードも連勝し一気に東都の頂点に駆け上がりたい。
▽試合後コメント
主将・神山
「負けられない試合で、先制されはしましたが、印南のタイムリーですぐ1点返せたのが良かったですね。今はチームの雰囲気も良いので焦りも特になかったです。勝ったことはポジティブに捉えたいですが、攻撃の質を上げればもう少し点が取れたと思います。守備も3失策とミスが出てしまいました。次は、こうはいかないと思うので、まずは気持ちで負けないようにして、ミスを恐れずにやってほしい。先発の阿部拓は要所ではしっかり抑えて、チャンスで点を取られなかったのが良かったです。中大相手に2回先発して、2回とも勝ったことはほめてあげたいです。声も出ていて、気合も入っていました。なんとかキャッチャーとして勝たせてあげたいし、この好投に応えたいという気持ちでした。ナイスピッチングだったと思いますし、見ていてしびれました。次の試合まで日程が空くのでまた調整して、一つずつ勝つつもりで大事にいきていです」
2試合連続完投勝利を収めた阿部拓
「序盤から調子が出ないなか、そこからうまく修正する能力もないので、なら技術がないなりに気持ちで勝負しようと思いました。勝ててホッとしています。今まで大事な試合の先発を任されて、そこでチームを勝利に導けなくて、今日も1点差でマウンドに上がった時、悪かった時のことが浮かびましたが、だからこそ強い気持ちを持ってマウンドに上がりました。(7回、ピンチで4番を空振りの三振)あの場面はチームにいい流れを呼び込もうと空振り三振を狙いました。前の自分ではできなかったことなので、成長した部分かなと思います。(中大戦で2勝)2回先発させてもらって、重圧も感じますけど信頼してくれているんだなと感謝しています。今日は野手の皆さんに助けられました。そこも感謝です。次は野手の皆さんに恩返しできるピッチングをします」
逆転打を放った今坂
「(逆転打について)とにかくゲッツーにならないように意識して打席に入りました。感触としてはあんなに飛ぶとは思わなかったですが、あそこで打てて良かったです。これまで3年生以下に良いところを取られていたので、4年の自分が結果を出せて良かったです。中大から勝ち点を取れたことは自信になりますし、その中でもミスなど反省することも見つけられているので、良いチーム状態ですね。(勝ち点4について)これまで、できなかった経験を今できている。プレー以外でもまだできることがあると思うので、しっかりやっていきたいです。そして、優勝したいです。次も4年が決めます!」
好返球でピンチを断ち切る好守備や2安打の活躍を見せた桂川
「(4回裏、ホームへ好返球した場面について)自分は肩が強いわけではなく不安もありましたが、前の3回で、ホームに投げた時、良いボールがいっていたので、あの場面でも思いっきり投げることができました。良いボールがいって、アウトなって、良かったです。(打撃について)清瀬杯は悪かったのですが、リーグ戦は理想のスタイルで、イメージ通りできています。今勝てているのは4年生おかげ。このリーグ戦は4年生の集大成でもあるので、その4年生とやってきたことを噛みしめて、あと1カード戦っていきたいです」
1点差に詰め寄る適時打を放った印南
「1年生なので思い切って振ろうと打席に入りました。細かいことはよく覚えていないです。4年生の作ったチャンスだったので返せてよかったです。ガッツポーズは自然に出ました。打ててホッとした気持ちです」
(大河原佳也・文3、写真も)