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6月22日、墨田区総合体育館にて東日本バレーボール大学選手権大会の決勝が行われた。対戦相手は強豪・日体大。専大は緊張からか1、2セット目ではミスが目立ち、相手にセットを連取されてしまう。後がない専大であったが、3セット目で本領を発揮する。驚異の17連続得点を奪い、一気に流れを掴む。このセットを奪うと、4、5セット目でも専大の勢いは止まることなく粘り勝ちをみせる。見事に大逆転し、創部初の優勝を果たした。また、エースの藤中謙也(経営3・宇部商高)が最優秀選手賞を受賞した。
<スターティングメンバー>
#1 山本湧(商4・東亜学園高)
#6 藤中謙也
#7 高橋拓也(経済3・東亜学園高)
#8 小林之紘(経営3・創造学園高)
#12 川波潤也(経営2・九州産大九州産高)
#13 冨田直人(経済2・東亜学園高)
#22 平原隆也(経済1・都城工高)
1セット。決勝からの緊張と日体大の盛大な応援に呑み込まれ、流れを掴むことができない。序盤から連続ミスで相手に大量得点を与えてしまう。この失点による点差が響き、22―25でこのセットを落とす。
2セット目でもまだ動きはいつもより少し固い。1セット目に比べ攻撃は決まり始めるが、また中盤にミスを連発してしまう。専大は冨田に代り小森郁己(経営1・佐賀商高)を出場させるが、完全に流れを掴んだ日体大に終盤で次々とスパイクを決められ、このセットは17―25と大差で降される。
後がない専大が怒涛の反撃をみせる3セット目。序盤から小森のスパイクが決まるなど、いいスタートを切る。専大の4点目から面白いように専大のスパイク、ブロックが決まり、さらに崩された日体大のミスを誘い、17連続得点を奪う。その後も藤中、高橋、小林の3年生プレイヤーが着々と得点し、25―10と圧倒的な点差でセットを勝ち取る。
このまま勢いにのりたい4セット目。序盤はシーソーゲームが続くが、7―8から藤中、小林のスパイクで3連続ポイントを奪い、逆転する。日体大はタイムアウトを使うが、上手く流れを変えることができず、25―23と専大が逃げ切る形でセットを連取する。
運命の5セット目。どちらも気合は十分のように見えたが、専大が完全に勢いづいている。序盤から高橋がスパイクとブロックを連続で決めるなどし、専大は5連続得点する。日体大のタイムアウトの後、点差を詰められるが、追いつかれる前に専大はタイムアウトを上手く使い、8―5でチェンジコートを迎える。後半は日体大のミスが続き、専大が得点を重ねる。15―8で試合終了。セットポイント3―2で見事、初優勝を果たした。
春リーグから一変して、チーム力で頂点にまで達した専大バレー部。専大の歴史も大きく塗り替えた。閉会式後には、選手たちが吉岡監督、長友優磨コーチ、山本主将、藤中選手を胴上げする場面もあった。
今後は優勝校として他校から一目置かれる存在になる。しかし、以下の選手たちのコメントからは今回の優勝に満足することなく、すでに先の秋リーグや全日本インカレを見据えていることが伝わる。近づく夏合宿を経て、選手たちがさらに成長をみせてくれるであろう秋リーグも期待に目が離せない。
専大バレー部のみなさん、初優勝おめでとうございました!!
(金高結・文3)
以下コメント
吉岡監督
「とりあえず勝てたことが良かった。秋のリーグに向けていい結果が得られてうれしい。今日試合は冨田が調子良くなかったが、代わりに出た小森が頑張ってくれた。チームは藤中を中心にした体制にしてからバランスが良くなって、チーム力で勝てるようになった。藤中をはじめ、うちの選手は派手さはないが、よく頑張ったと思う。選手を褒めてあげてほしい」
長友コーチ
「去年怪我をして、優勝できなかったという想いもあったので、今回優勝できてうれしい。1・2セットで雰囲気が悪くて、終わってしまうかなと思ったが、3セット目出だしから勢いが出てきて、選手ひとりひとりが集中してプレーしていたことが良かった。最終セットは気持ちで相手を上回ったと思う。今年は良いメンバーが揃っているので胴上げしたいという想いが強かった。秋リーグでは夏合宿でチームをより成長させて、タイトルを取りたい」
山本主将
「最高の気分。個人賞がないということは、チームで勝ったということだと思う。(今大会を通して自分のプレーでよかった点は)時間差などのコンビや、エースの藤中を上手く使えたこと。今後の課題は、波のあるチームが故にノったら強いが、常に強くなるようにチームをまとめたい。(秋リーグに向けて)セッター賞、ブロック賞、最優秀賞を狙う」
藤中選手
「1・2セットは全体的に足が止まっていて、雰囲気が悪く、チームの悪いところが出てしまったが、3セット目から相手の弱いところで点が取れた。終盤はミスが少なくできたところが良かったと思う。3セット目は引いても仕方ないので丁寧に攻めることを心がけた。個人的にはブロックの調子が良かった。MVPを取れたことは素直にうれしい。自分ひとりで取れたものではないので、チームに感謝したい。秋リーグではこの大会で出た課題を夏合宿でひとりひとり反省して、優勝したい」
高橋選手
「優勝を狙っていたので(優勝できて)単純に嬉しい。決勝はセンターコートで不慣れだった分1,2セットは上手くのれなかったが、3セット目以降から自分たちのいいプレーが連発した上に相手のミスにも助けられて流れにのれた。春から謙也を中心にチームが動いていたが、今日はその謙也の力が爆発して支えられた部分が多かった。今大会での優勝はとても嬉しいが、個人的には悔いが残った。副キャプテンという立場で、ゲームだけでなく試合までの過程でももっと頑張りたかった。今大会ではプレーが良かったというより、ゲーム中にチーム内で話し合うことができるようになったことが良かった。今後の課題は、ブロックを完璧にすること、相手に流れがいきそうになった時に一本で切ること、サーブカットからのコンビの精度を上げること。また、今日はブロックとカットがいつもより良かったので、なぜ今日は良かったのかをまたチームで話し合いたい。秋リーグからは警戒されるチームになるが、それでも勝てるようにしたい。個人的にはブロック賞とスパイク賞、サーブ賞を狙う」
小林選手
「優勝できて嬉しい。チーム一丸となって試合を運べてよかった。1,2セット目は負けていたから少しやばいと思っていたが、しっかり立て直して、3セット目なんかはみんなブロックも決まって、いい流れで試合が進んでよかった。リーグ中は足を引っ張ってしまい、外されたこともあったが、東日本はトーナメントだし2日3日集中してやればいいので、気持ちの作り方が楽で、集中して3日間やろうと思ってプレーできた。今大会を通して思ったことは、今日の3セット目以降みたいにいいバレーができる時もあれば、1,2セット目みたいに相手に押されて自分たちのバレーができない時もあるので、その波を減らすことが課題だと思う。これからしばらく試合がなくて、夏休みもあるので、もう1度鍛えなおして、精神的なところも含め、合宿などで力をつけていきたい。嬉しいです。リーグ戦、全カレと、勝ち続けられるようにしたい」
川波選手
「去年は負けてきたので、勝つことができてよかった。今日の試合では、最初の2セットであんな雰囲気になって焦った部分もあったが、3セット目で切り替えることができて、取り返して勝つことができてよかった。ここまで来たからには勝ちたいという気持ちがあって、それで調子も上がっていった。今大会を通して、負けている時にいかに冷静になって声をかけられるかということが自分の課題だと思った。また、点を取れる時にもっと点を取れるスパイカーになりたい。この大会で頂点を取ったからといっておごらずに、ここはここで1回終わらせて、次は秋に向けてまた1からやっていきたいと思う」
平安山選手
「勝てて良かった。チームは雰囲気が良いときと悪いときの差がすごくあるので、途中出場でもチームの雰囲気を良くしようと心がけた。自分はチームを明るくすることが今の役割だけれど、ポジションにこだわらずレギュラーとして今後は活躍したい」
小森選手
「今日の試合はたくさん声を出してやることを心がけた。先輩達に助けられた部分もあったので感謝したい。途中出場だったので、先輩達よりも声を出して一生懸命やることができた。チームの流れを良くすることができたかわからないが、思いっきりプレーできた。秋リーグまでにたくさん練習して、レギュラーを取りたい」
平原選手
「1年目からこういう経験をさせてもらって、先輩たちに感謝している。1セット目は決勝の緊張からか、固さがあったが、セットを重ねるごとに緊張が解けていつものバレーができた。個人的にはベストリベロ賞も取れなかったし、まだ下手なので、これからの練習でもっと上手くなりたい。具体的にはレシーブと二段トスの精度を上げることが課題。今大会では、コートもベンチもスタッフも一つになれたことが優勝に繋がったのだと思う。今回の優勝に満足することなく、秋リーグでも挑戦者の気持ちで臨みたい」