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1月9日、苫小牧市ハイランドスポーツセンターで行われている第89回日本学生氷上競技選手権大会が大会4日目を迎え、全種目が終了した。この日は団体競技である2000mリレーとチームパシュートの2競技が行われ、専大はそれぞれ3位と2位だった。大会を通して多くの入賞者を輩出した専大は3年ぶりにスピードスケート部門の総合優勝を手にした。2位以下の大学に大きく差をつけての圧勝だった。この結果に主将の小川翔也(文4・北海道池田高)は「春から優勝を目指してどこにも負けないくらい練習を重ねてきたつもりだったので、その成果が出て嬉しい」と喜びをあらわにした。
▲前嶋孝監督と選手たち
≪各競技の結果≫
▽男子2000m
タイム 2:32.85 (3位)
出場選手 辻本一史(経営2・帯広農業高)・嶋田英爾(経営1・白樺学園高)
今野明星(商4・北海道池田高)・池田崇将(経営4・白樺学園高)
●競技後のコメント
辻本
「3走目、4走目の4年生たちまでつなぐつもりで走ろうというつもりだった。3位以内で次につなげてよかった。1走目は去年も経験していたので緊張せずに滑ることができた」
嶋田
「個人でも入賞したかったけど、最終日に表彰台に上がれてよかった。今回得たものを今後にいかしていきたい」
▽男子チームパシュート
タイム4:20.03(2位)
出場選手
小川翔也・岩下稜(経営2・小海高)土屋良輔(経営4・嬬恋高)
スピードスケート部門最終競技であるチームパシュートには5000mに出場した小川・岩下・土屋がエントリーした。3人の中で唯一2年生の岩下は競技後、力を出し切ったのか思わずリンク上に倒れこんでしまった。それでも最後の最後まで力をふりしぼって先輩たちについていき、チームは表彰台入りを果たした。
▲レース後、岩下(写真左)の健闘をねぎらう小川・土屋。土屋と岩下は今回の5000mのタイムで50秒近い差があり、両者がペースを揃えるのには苦労があったことだろう
●競技後のコメント
小川
「最終日ということもあってこれまでの疲れもあったと思う。今シーズンパシュートで滑るのは初めてだったけど、気持ちだけは最後まで強く持って、諦めないで滑った。チームの応援もあって最後まで滑りきることができた」
土屋
「パシュートは自分の周回が多く、やるべきことをしっかりやれたので良い形で終われた。ナショナルチームでは自分が1番スピードの無い立場だが、今回は自分が速い立場にななるので普段とは違って練習になった。岩下は動けなくなるまで力を出し切ってくれた」
全競技を終えて、専大が4日間で獲得した得点は196。2位の日本大学に70点近い差をつけての大差の優勝となった。
▲競技後、白鳥王子アイスアリーナにて表彰式が行われ、トロフィーを授与した。3年ぶりの栄冠に選手たちもこの表情だ
4日間の大会を終えて、何人かの選手に大会を振り返ってもらった。
土屋良輔
「去年は世界大会を優先してインカレに出なかったが、今年はでてよかった。もちろん世界大会も重要だが、インカレにはインカレの良さがある。みんなで盛り上がってみんなで応援して、楽しかった」
▲卒業後は地元・群馬でスケートを続ける土屋。地元では彼を目標にする子どもたちもいるそうで、「次の世代の目標となれる選手になりたい」と意気込みは十分だ
嶋田英爾
「来年は強かった4年生が抜ける。チームとして得点を稼げるように残るチームメイトと切磋琢磨していきたい」
辻本一史
「去年は調整が合わなくて、今年こそは総合優勝という思いが強かったので優勝できてよかった。4年生が抜ける穴は大きい。優勝の翌年にがくっと落ちることのないようにしたい。次に入ってくる後輩たちの見本になれるよう、シーズン中も気を抜くことなく、1人ひとりが目標を決めて、取り組んでいきたい。来年は五輪選考もあるので、そこに向けてがんばっていきたい
▲自分を「自由人」と表現し、これまで具体的な目標も特に掲げてこなかったという辻本。専大スピードスケート部には3年生が在籍していないので、来年度からは最高学年としてチームをひっぱっていくことが期待される。自身も五輪選考に向けさらに実力を高める
主将・小川翔也
「今のチームは本当に仲が良くて『インカレで勝ちたい』という思いをみんなが持って春から練習してきた。練習量ではどこでも負けない自信もあったし、これくらい練習してきたのだから結果も必ずついてきてくれると信じていた。一人ひとりがチームのために諦めない気持ちを持って滑った結果だと思う。競技中の応援もすごい声が出ていたしチームで戦っているということを感じられた。このチームで優勝できて本当によかった。(後輩たちへ)みんな日々の練習をよくやっている人たちばかりなのでこの調子で練習を重ねれば来年も再来年も結果が出ると思うので頑張ってほしい。期待しています」
▲前嶋孝監督は大会を振り返って、「インカレという独特の重圧がある大会の中で、主将としての役目を果たしてくれた」と主将の小川をねぎらうコメントを残した。主将の小川を中心にチームがひとつになった結果つかんだ優勝だった
4日間を通して多くの選手から聞かれたのは、「チーム内の応援」に対するコメントだった。専大の選手が滑る番になると、コースのそばで選手たちが大きな声で声援をおくっている姿が非常に印象的だった。専大の選手がインカレという舞台で結果を出せたのも、味方からの温かい声援が選手たちの背中を押してくれたからだろう。
土屋・近藤は2月9日~12日の間に韓国・江陵で行われる世界距離別選手権大会と、2月20日~23日の間、北海道・帯広の森屋内スピードスケート場にて開催される第8回アジア冬季競技大会に出場する事が決定している。2人のさらなる活躍に注目だ。(飛田翼・文2 写真撮影=飛田、斉藤葵・商3)