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2016.09.05
野球

【野球部】秋季リーグが開幕 チームは終盤福永の一発で追いつくも延長の末敗れる

9月5日 野球部 秋季リーグ開幕戦 対亜大1回戦(明治神宮野球場)


 9月5日に平成28年度 東都大学野球秋季リーグが開幕した。春季リーグは5位という成績に終わっただけに、その巻き返しが期待される。また、春に出場した新しい戦力がどれほど力を伸ばしてきたかにも注目だ。


▲ 開会式の様子


【戦評】

 専大は2回の裏、秦のライトオーバーの二塁打で先制する。5回表には平間が逆転の3ランホームランを浴び2点差で追う展開となるも、8回裏に3番福永の同点2ランホームランが飛び出し、試合を振り出しに戻した。試合は延長に突入すると11回表に髙橋礼がつかまり、勝ち越しを許す。後続の投手も亜大の勢いを止めることができずこの回4失点。専大はヒットでランナーを出すも牽制死などのミスが目立ち、チャンスを広げる事ができなかった。



1011
亜大
専大


スターティングメンバー

(遊)池間誉人(商1・糸満高)

(二)伊與田一起(経営4・明徳義塾高)

(一)福永裕基(文2・天理高)

(指)平湯蒼藍(経済1・長崎海星高)

(左)森山恵佑(商4・星稜高)

(三)和田裕生(経済3・福岡大大濠高)

(右)秦匠太朗(経営2・二松学舎高)

(捕)深水裕貴(経営1・熊本工高)

(中)竹並考基(商1・大社高)

(投)勝田翔紀(商2・大社高)

▽各投手の登板結果

選手名投球回数打者数被安打自責点
 勝田翔紀(商2・大社高) 
11
 平間凜太郎(経営4・山梨学院大附高)
1 2/310
 堀田竜也(経営3・常葉菊川高)
3 2/314
●髙橋礼(商3・専大松戸高)
12
 柳澤和希(経済3・上田西高)
0/31
 本間大暉(経営4・埼玉栄高)
2/33


【試合展開】

 秋のリーグを占う開幕戦、先発投手を任されたのは2年生の勝田だった。初回、亜大の先頭打者をレフトフライに打ち取ると、続く打者はアウトコース低めのボールで空振り三振、ショートゴロと三者凡退で上々の立ち上がりを見せる。2回表は2ベースヒットと暴投で2アウト3塁のピンチを迎えるも、ここをショート正面のゴロに打ち取って無失点で切り抜けた。

▲先発勝田


 2回裏、専大は1年生ながら4番打者に抜擢された平湯がショートへの内野安打で出塁。1アウト1塁から6番和田が痛烈な打球を放つもこれがセカンド正面、飛び出していた1塁走者の平湯を刺そうとファーストに投げたこの送球が逸れた。これを見て平湯は2塁に到達、専大がチャンスをもらった形となった。

 このチャンスにバッターは7番の秦。打順は下位だが春のリーグではホームランを2本放つなど、長打力のある選手である。カウント1ボール2ストライクからの5球目、打球はライト方向へ伸びていき、右翼手の頭を越える2ベースヒットで先制した。

▲先制打を放った秦

 3回表も先発の勝田は無失点で切り抜け、3イニングを0点に抑えた。

 4回裏、この回先頭の森山が亜大先発高橋遥の投じた緩いカーブに上手くタイミングを合わせ、2ベースヒットを放つ。

 後続が倒れ、追加点とはならなかったものの、森山はこれまで低めの緩い変化球を打つ練習に力を入れてきており、まさにその成果が結果として現れた打席だった。森山も「春までだったらあの球は打ちにいってないので、その部分は収穫だった」と試合後に語っている。

 5回表、先発の勝田からバトンを受けた平間が1アウト2,3塁のピンチを迎える。1ボール1ストライクの3球目、打球はセカンドへの強いゴロ、これをセカンド伊與田が体勢を低くして、落ち着いて捕球。サードランナーの進塁も許さずアウトカウントを増やした。続く亜大の打者は3番の北村。しかし、7月に行われた大学日米野球の代表にも選出された好打者はカウントが悪くなったところを見逃さなかった。2ボールからの3球目を強振すると、打球はレフトスタンド上段へ。打った瞬間それと分かる亜大・北村の逆転3ランホームランでリードを許した。

 その後試合は硬直状態となるも7回裏、四球と相手のエラーでチャンス到来。バッターは9番竹並に代わって岡本良樹(経営1・専大松戸高)が送られる。岡本はバントの構えを見せ初球のボール球を見極めるも代走から出場していた2塁走者の山本力也(経営2・熊本工高)が飛び出してしまい、牽制アウト。さらに同じく岡本の打席でランエンドヒットを仕掛けるも相手守備に阻まれ、1塁走者の深水もアウト。0アウト1,2塁のチャンスを自らのミスで手放し、この回は無得点に終わった。


▲平間の後を受けてマウンドに上がった堀田。6回、7回、8回と3イニングを無失点に抑え、チームの反撃を待つ。

 8回裏、この回先頭の池間が倒れるも伊與田がライト方向への3塁打を放つ。快足を飛ばして3塁に滑り込んだ伊與田はベース上で力強く手を叩いた。続くバッターは3番の福永。今日は3回にレフトへの2ベースを放っている。追い込まれながらも真ん中に入ってきた変化球を引っ張った打球はレフトのポール際に飛び込む同点の2ランホームランに。起死回生の同点アーチで専大はついに同点に追いついた。前の回にミスでチャンスをつぶし、どこか重苦しい雰囲気が漂っていた専大ベンチが大いにわいた瞬間だった


▲同点本塁打を放ち、秦と抱き合う福永


 9回表は堀田の死球とキャッチャー深水のフィルダースチョイスで作ったピンチを髙橋礼がさすがの投球でしのいで無失点。試合は延長戦に突入した。10回裏、専大は内野安打2本でサヨナラのチャンスを作りバッターは5番の森山。しかしここはセカンドへの内野フライに倒れ、得点ならず。

 11回表、ここまでピンチを切り抜けてきた髙橋礼がヒットとバントでまたしてもピンチを迎える。亜大の1番・上田にレフトオーバーのタイムリー2ベースヒットを打たれ、この回ついに勝ち越しを許してしまった。髙橋礼はその後タイムリーをもう1本浴び2点リードとなったところで無念の降板となった。

 結局4点を取られた直後の11回裏、亜大が誇る好投手・中村稔の前に専大は三者凡退に倒れ、ゲームセット。延長戦を制し、リーグ戦最初の試合で勝利とはならなかった。


◎1年生捕手・深水

 秋季リーグの大事な初戦、そのスタメンマスクに抜擢されたのは1年の深水裕貴だった。当日の朝、スタメンであることを告げられた深水だったがオープン戦からスタメンで起用されていたこともあり、心の準備はできていたようだった。試合こそ敗れたが、1年生の深水が最後までマスクを被り投手陣をリードしたことは今後への期待を抱かせる内容であったといえるだろう。

▲スタメンで試合に出場した深水。この試合で初ヒットも記録したが「嬉しいけど試合には負けてしまったので」と、その言葉には悔しさがにじんでいた。

(文=飛田翼・文2、写真=三嶋毬里衣・経営3、大河原佳也・文2、冨樫幸恵・文2)


監督・各選手のコメント

齋藤正直監督

「今日はミスが多く出て、悪い流れの試合運びとなってしまった。初めて試合に出る人もいて、緊張からか動きがかたくなってしまったかな。亜大は隙を見せるとそこに付け入ってくるから厳しかった。深水は1年生ながら最後まで必死に投手陣をリードしてくれた。大収穫だったと思います」

森山恵佑主将

「開幕戦を落としたが下を向く必要はない。今日は守備・走塁で悪いところが出た。反省するには良い試合になったし、悪いところが全部出てかえってよかったと思う。今後はこういった厳しい試合をものにしたい。チームの勝利のため、自分も全力でプレーする」

同点となる2ランホームランを放った福永

「打ったボールは自分の得意な外角の球。上手く反応できたとは思うけどホームランにはびっくりしている。これまで守備でよくないところやチャンスで凡退する場面があったので1本出てよかった。でもそれが勝利に繋がらなかったのは悔しい。3番打者の役割は後ろにいる良いバッターたちに繋げること。自分が塁に出たら返してくれる人たちが揃っていると思うので」



明日の試合は13時30分から対亜大との2回戦が行われる。試合時間は前の試合の進行状況により前後する可能性あり。