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2026.09.04
陸上競技

【陸上競技部】夏合宿インタビュー② 4年生トリオが語る「最後の夏」と箱根への思い 具志堅・丹・日比野 

▲(左から)日比野、丹、具志堅


 箱根駅伝本選出場を懸けた予選会まで、残された時間はわずかとなった。昨季の経験を胸に、さらなる高みを目指す専大陸上競技部。夏合宿では、一人一人が自らの課題と向き合いながら、走力とチーム力を磨き上げてきた。勝負の秋を目前に控え、箱根路への切符をつかむため鍛錬を重ねる選手たちの声を届ける。(取材は8月25日に行いました。)

 

 

 

──ここまでの夏合宿を振り返って

 

日比野陸(経営4・大垣日大高)
「状態としては、そこまで悪くないと思っています。ただ、まだ調子が上がり切っていない部分や、ポイント練習を満足にこなせていない部分があります。今出ている課題を一つ一つ解消して状態を上げていきたいです。昨年は予選会に向かう中で調子の面に課題があったので、今年はそこを改善しながら予選会に向かっていきたいと思っています」


丹柊太郎(人間科学4・松山商業高)

「1次合宿の練習の出来は、今までの中で一番良いと思います。1、2、3年の時は1次合宿の全ての練習をこなせた年が一度もなかったんですけど、今年は全部こなすことができました。ただ、今までは『自分が這い上がりたい』という気持ちが強かったのに対して、今年は自分の立場を狙われている、追われているような感覚もあります。精神状態はこれまでとは違いますが、僕自身は予選会でチームのトップを走りたいと思っています。自分の目標に集中して、走りで方向性を示して、みんなについてきてもらえればと思います」


具志堅一斗(経営4・コザ高)
「1次合宿と、2次合宿でここまで行ったポイント練習はこなせています。ジョグも含めて、最低限やるべきメニューはできていると思います。疲労はありますけど、ケアをしながら上手く抜くこともできているので、状態としては4年間の中でもいい方なのかなと思います」


──丹選手が1次合宿の練習を全てこなせた要因は

 

丹
「1、2年生の頃は単純に力がなく、3年生の時は体調面の問題もあって練習をこなすのが難しい部分がありました。今年は体調も万全ですし、1、2年生の時に比べて力もついてきたので、全ての練習をこなせたのだと思います。特に3年次後半の冬以降は、自分の中で良い成績を残せたと思っているので、そこで自信がついたことも大きいです」


──2次合宿での個人的な目標は

 

具志堅
「2次合宿はどうしても坂を走ることが多くなるので、その坂を上手く使って、しっかり強化していくことを一つの目標にしています」


丹
「調子を上げることを意識していきたいです。1次合宿は例年と比べれば一番良い出来でしたけど、自分の今の状態自体は結構悪くて、一番調子が良い状態を100としたら今は30くらいだと思っています。それを予選会に向けて少しずつ100に近づけていきたいです。2次合宿をその一つのステップとして、体重や睡眠なども改めて見直して、状態を上げる取り組みをしていきたいと思います」


日比野
「自分も調子を上げることが一つの目標です。現状、満足のいく練習ができていないので、一つ一つ出ている問題を改善していくことが大事だと思っています。精神面でも、昨年持っていた『食ってやるぞ』という下克上の気持ちがまだ足りていないと感じています。もう一度自分の立ち位置を見直して、どう上がっていくのかを可視化し、計画を立てて取り組んでいきたいです」


──2026年上半期を振り返って

 

丹
「出だしはかなり調子が悪かったです。それでも全日本大学駅伝予選会メンバーには選ばれていたので、絶対にそこに合わせないといけないと思って、食事や睡眠、ケアの方法を一から見直しました。食事では赤身の肉を食べたり、間食を工夫したり、睡眠時間を長く取ったり、ケア用品も新しく取り入れました。いろいろなことにチャレンジした結果、全日本予選の直前に調子が戻って、本番に合わせることができました。陸上人生の中でもトップレベルに調子が悪いところから、自分で工夫して状態を戻し、全日本予選では他大学の選手と競って組4着に入れたことは大きな成功体験で、自信になりました。一方で関東インカレでは、レベルの高い選手たちの中でまだ自分の力が足りないことも実感しました。ただ、緊張感のある試合を経験したことで、精神的にも強くなれたと思います。次は箱根予選会に向けて、しっかり気持ちを作っていきたいです」


具志堅
「4月は大学生活の中でも一番と言っていいくらい調子が悪くて、本当に全く走れなくなってしまいました。本来なら全日本予選会にも絡まないといけなかったと思うんですけど、状態的に難しかったです。ただ、4年目で(全日本大学駅伝予選会を)初めて走らないことになったことで、逆に気持ちは楽になりました。上半期は記録を狙うというより、『のびのび陸上を楽しむ』ことに振り切っていました。4月後半にはレースでも結果が出始めましたし、5月には日比野のペースメーカーをしたりして、陸上を楽しみながら取り組めた上半期だったと思います」


日比野
「昨年の箱根駅伝予選会が終わってから、燃え尽きのような部分もあって、ケガをしたり調子が上がらなかったりと、不調が続いていました。そんな中で、具志堅が春先から『お前だけ(10000mのタイムが)30分を切っていないんだから、今年こそ出すぞ』と言ってくれました。自分自身も30分切りを目標にしていましたし、何より昨年の予選会の悔しさを忘れられなかったので、前半シーズンで一度しっかり状態を作って、夏合宿に入りたいと思っていました。4月の5000mでは空回りして、納得のいくレースができなかったんですけど、5月は具志堅と2人で練習するくらい一つのレースに集中して取り組みました。その中で29分台を出すことができて、自分の中で一つ壁を破れたと思います。大学生活の中でも大きな成果になったので、その自信を持って、もう一度競技に取り組んでいきたいです」

 

──お互いにどんな印象を持っているか


日比野
「丹は一言で言うと、陸上IQが高いです。陸上に関して本当にいろいろなことを考えている選手だと思います。具志堅は、専大陸上競技部の“ドン”ですね(笑)」


丹
「僕が強くなれたのは、具志堅についていったことが大きいです。まだ弱かった頃、3次合宿で初めてAチームの選手と関わるようになって、そこで具志堅についていく中で自分の価値観が変わりました。自分の可能性の扉を開いてくれた存在だと思っています。プライベートでも、何か始まる時は具志堅が先陣を切って、みんなをまとめてくれます」

「日比野は、プライベートではめちゃくちゃ面白くて、いるだけで雰囲気を和ませてくれる選手です。陸上では一喜一憂するところもありますけど、乗った時の爆発力やポテンシャルはチームでもトップレベルだと思っています。今は少し沈んでいる段階かもしれないですけど、その分、予選会に向けて上がってくると思っています」


具志堅
「日比野は、丹も言っていましたけど、乗った時の爆発力がすごいです。練習の時から、話しかけるのが怖くなるくらい集中する時があります。29分台を出したレースの直前なんて、こっちが話しかけられないくらい集中していました。今は状態が落ちていても、どこかで必ず上がってくると思っています。生活面では、いい意味でちょっとぶっ飛んでいます(笑)。最近も余った卵を消費するためにプリンを作ろうとして、砂糖を入れずに全然甘くない卵の塊を作っていました(笑)」

「丹は陸上に対して本当にいろいろ考えていて、練習もしっかりやっています。ただ、私生活を見ると『どうやって生きているんだろう』と思う時があります(笑)。洗濯物がたまっていたり、寮の部屋移動を手伝った時も『なんでここにこれがあるの?』という物が出てきたり。でも、それだけ陸上に全振りしている選手なんだと思います」


──箱根駅伝予選会に向けた個人の目標は

 

日比野
「個人としては70位以内、63分30秒というところを目標にしています。チームとして3番以内を目指す上でも、それくらいのタイムは必要になると思っています。チーム内では5~8番あたりで安定して走ることが一つの分かりやすい目標です。そのタイムを切るためにも、一つ一つのポイント練習をこなして、ハーフを3分少しのペースで押していくイメージを2次、3次合宿を通して作っていきたいです」


丹
「まずチームでは日本人トップを取りたいです。全体順位では20番以内、タイムは62分35秒を目指しています。1キロ2分58秒くらいのペースになると思うんですけど、それが今の自分にとってギリギリ狙えるくらいのタイムだと思うので、挑戦したいです。予選会は自分でも順位やタイムを予想できないくらい、実力以上の力が出ることがあるので、そこにも期待してもらいたいです」


具志堅
「自分は良くも悪くも実力通りの結果になることが多いので、3次合宿でどこまで練習できるかによると思います。タイムとしては日比野と同じくらいを狙っていきたいです。予選会では集団走を引っ張る役割になる可能性が高いと思うので、その役割を果たした上で、集団の中ではトップで帰ってこられるようにしたいです」


──箱根駅伝本選を走るなら何区を走りたいか

 

日比野
「6区です。今の自分が一番戦えるのは山下りだと思っているので、まずはそこを目指したいです。ただ、ここからさらに力をつけることができれば、平地の区間でも戦えると思うので、今後の自分自身にも期待したいです」


丹
「1区を走りたいです。スタート区間で今まで大きく失敗したことがないですし、チームの流れを全部背負うようなプレッシャーがある方が逆に燃えると思います。それに、今ぱっと考えた時に一番『1区』にひかれるというか、運命的なものを感じます」


具志堅
「9区を走りたいです。以前から走りたいと思っていた区間ですし、自分が他の選手より強みを持っているとすればスタミナだと思っています。長い距離を一人で押していく展開も得意なので、ロング区間の9区なら自分の力を生かして戦えて、チームの流れも変えられると思います」



▲(左から)日比野、丹、具志堅




取材=倉林光琉(法3)

写真=門前咲良(文4)