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2026.07.05
陸上競技

【陸上競技部】恵みの小雨と涼しさを味方に 4名が自己記録更新! 絆記録挑戦会

<第19回絆記録挑戦会6月28日=町田ギオンスタジアム>


▲戸津(左)、小川(中央)、田口(右)


 6月28日に行われた絆記録会男子5000mに、専大からは21名が出場。4名が自己記録を更新する快走を見せた。3組に出走した小川恵裕(文1・元石川高)は高校時代の自己記録を1秒64更新する14分42秒79をマーク。続く4組に出走した戸津大輝(人間科学3・専大北上高)も自己記録を6秒28更新する14分25秒80というタイムで駆け抜けた。さらに、2月の学生ハーフ以来の復帰戦となった田口萩太(文3・東京高)は、ケガによるブランクを感じさせない走りを見せ、自己記録を5秒14更新する14分26秒94をマークした。




〇「スタートで出遅れても焦らず前へ」 小川が体現した冷静沈着なレース運び

▲ラストスパート勝負を繰り広げる小川(恵)


 5月の日体大記録会以来、1か月ぶりのレースとなった小川(恵)は男子5000m3組に出場。「今回の目標は14分35秒切り」と意気込んでレースに挑んだ。

 「スタートがいつも下手で、今回も後ろからのスタートになるんだろうなと思っていた」と本人が振り返る通り、序盤は集団の後方に位置を取る。しかし、ここからの対応に小川の進化があった。「高校の時は焦って前に行っていたが、大学に入学してからは焦らずじっくり(ペースを)上げていくことを意識している」と冷静に戦況を分析。

 2000mを過ぎると集団は2つに分かれ、第2集団の後方で力を蓄える。3000mを通過し先頭集団が完全に崩れると、そこから1人の選手が抜け出し、独走態勢を築く。小川は先頭集団から遅れてきた選手を吸収しながら順位を上げ、3000m過ぎには単独トップの選手を追う集団の3番手まで浮上した。

 3800mを迎える頃には、その先頭を追う集団も4人に絞られ、4200mではさらに2人が脱落。その結果、残った小川と鳥井健太選手(青学大)の2人が、単独トップの選手を猛追する展開へと持ち込んだ。そして4600m手前、ついに2人が先頭を捉えるとレースは小川と鳥井選手による激しい一騎打ちとなった。

 ラスト1周の鐘が鳴ると同時に小川が仕掛けて先頭へ躍り出る。最後のスパート勝負には惜しくも敗れたが、2着でフィニッシュ。自己記録を1秒64更新する14分42秒79をマークした。


 レース後、小川は「14分35秒を切りたかったが、ギリ(自己)ベストでまとめられたかなと思う」と安堵の表情を見せた。これで4月の10000m、5月の1500mに続き、今季3度目の自己記録更新となる。大学入学直後から安定して記録を伸ばし続けている要因について、「練習で引っ張ってくれる方がたくさんいる。自分一人だったら絶対にできないし、気持ち的にもできないと思ってしまう練習でも、周りが速い設定でいくって言うから自分もできるのかなと思える。本当に仲間に恵まれている」と語り、周囲への感謝を口にした。


 今大会で今季のトラックレースは一区切りとなり、チームはこれから夏合宿、そして駅伝シーズンへと移行していく。今後の目標について、期待のルーキーは「今のところそんなに大きいケガはせずにこられている。これから始まる合宿も痛めずにちゃんと乗り切って、秋シーズンのハーフとかでタイムを出せるように頑張りたい」と力強く前を見据えた。




〇「夏合宿で上の人と戦うために」 戸津が見据える次のステップ

▲集団の中で粘りの走りを見せる戸津


 男子5000m4組に出走した戸津は「練習をしっかり積めていたので、目標は14分20秒切り」と明確な目標を掲げてレースに挑んだ。

 レースは最初の1000mを2分46秒で通過。序盤からハイペースな展開となり、早くも縦長となった集団の中で、戸津は後方に位置を取る。1600mを過ぎると集団は2つに分かれ、第2集団の先頭を引っ張ったのはチームメイトであり同期の田口だった。戸津は第2集団の後方に位置。1000mごとのラップタイムを2000m通過で2分53秒、3000m通過で2分57秒と冷静に自分のリズムを刻みながら、虎視眈々と仕掛けのタイミングを待つ。

 3400mを過ぎ、先頭集団から遅れてきた選手を吸収していくタフな展開になっても、戸津は集団の中で体力を温存。ラスト1周の鐘が鳴ると表情に険しさは見え始めたものの、最後の力を振り絞りスパート勝負になった。前を行く田口との激しい同期対決をラストで制し、7着でフィニッシュ。自己記録を6秒28更新する14分25秒80をマークした。


 レース後、「コンディションはめちゃくちゃ良かった。あとは試合を走るだけという状態まで仕上がっていた」と振り返る。しかし、その様子に満足感はなかった。「今日の走り自体は良かったけど、専修大学の上の人たちと比べると自分はまだまだ遅いと感じている」とレース中に集団を引っ張る頼もしい同期の背中を見ていたからこそ、悔しさと危機感を露わにした。「夏合宿でそういう上の人たちとしっかり対等に戦えるようになるために、ここからまた高い意識を持って、しっかり練習に取り組んでいきたい」とすでに次を見据えている。


 これからチームは、秋のロードや駅伝シーズンに向けた過酷な夏合宿へと突入する。「距離走とか長い距離を踏む練習が増えてくるので、そこでしっかり長い距離に対応できるような練習をしていきたい」と己を追い込む覚悟を口にした。

 今季は多くの1年生が入部し、チームの雰囲気も変わった。上級生としての夏合宿の過ごし方を問われると、「自分は私生活があまりちゃんとしていないというか、お手本になるようなタイプではないので(笑)。あんまり真似されたら困るなというのはある」と照れ笑いを浮かべる。それでも、「ただ1年生とは仲良くしたい。もし何か相談されたら親身になって乗ってあげたり、優しく接していきたいなと思っている」と上級生としての優しい顔を覗かせた。

 自分より格上の選手たちへ貪欲に挑み続け、やがて後輩たちを背中で導く存在へ。さらなる高みを見据える3年生ランナーの今夏の覚醒に期待がかかる。




〇復帰戦自己新も「また後悔して終わりそう」 強さを磨き箱根駅伝予選会へ

▲復帰戦ながら果敢に集団を引っ張る田口

 

 復帰後初となったレースで自己記録を更新するも、首をかしげた。 

 5月下旬頃に回復し、走り始めたという田口。復帰戦となった今回は「前半シーズンはずっとケガが続いていて、復帰明けの自分の状態を確かめるというか、(状態を)戻した中でどれくらい今の自分ができるのかというような位置づけのレースだった」とし、「(目標タイムは)14分30秒くらいかなとなんとなく考えていて。決めてはいたけどタイムというよりかは、レースの内容を意識した」とレースに臨んだ。


 事前に「元々は3000mまで余裕を持って(集団に)ついて、4000mで貯めて、ラスト100mでしっかり飛ばすというプランだった」と想定していた。しかし、1600mを通過したあたりで集団がばらつき、第2集団の先頭に位置した。「青学の集団が速くて、練習をやってきた内容的にここについていったらちょっとまずいなというのを感じた。最初から自分のリズムでしっかり押すというのに切り替えて走った」とプランを変更。その後も自分のペースでレースを組み立て、9着の14分26秒94でフィニッシュ。自己記録を5秒14縮めた。しかし、「最後のスパートというか、上げるところで負けてしまうところが、タイム的には復帰明けにしては最低限まとめられたかなとは思うけど、強さの部分というのがやっぱりまだまだ足りないなっていうのがあった」と納得がいくレースとはならなかった。


 レース後はさえない表情だった。「相変わらず勝負強さというのがやっぱりないなという感じで。今回のレースはタイムじゃなくてレースの内容が大事だったので、そこを見ると勝負強さというところはシード校とかと比べたら全然足りず…」と課題を口にする。

 これまで多くの主要大会に出走し、酸いも甘いも知る田口は10月に行われる箱根駅伝予選会に対して危機感を抱いている。「このままいったら予選会もまた後悔して終わりそうだなというような、力不足を感じて終わりそうだなというのを感じる。夏合宿のところで速さよりも強さというところを磨いて、予選会でしっかり勝ち切れるように頑張りたいなと思っている」。

 前回大会で悔し涙を飲み、今年は更なる成長を誓っていたところでアクシデントが起こった。2月に開催された丸亀ハーフの前に足の甲を負傷。ケガを抱えたまま出走したものの、その直後に1か月間離脱した。一時、復帰し全日本大学駅伝予選会に向けて練習に取り組んでいたところ再発。大舞台での出場を見送った。「僕の同期とか先輩が全日本予選や関カレで高水準で戦ってきている中、すごく差をつけられたなというのを感じていた」と焦燥感を募らせている。

 悔しさを晴らすべく、夏には専大の中で一番走り込むと誓う。合宿では「基本はチームの流れに合わせていって、チームの中でも存在感を示して。チームのみんなからもいるだけで安心してもらえるような選手というのは目指しているので、しっかり存在感を示していけたらいいなと。去年は7月にかなり距離を踏んで、合宿で距離が落ちてしまったところはあるので、合宿でもしっかり走り込みたいなと思っている」とひたむきに打ち込む。

 大舞台での厳しさを経験してきた3年生の副主将は「1年目から平凡な走りしかできていないなというのは自分の中でずっと思っているので、ここが正念場というか。それで殻を破らないといけないなというところですごく焦りを自分自身は感じている。この夏に殻を破って、勝てる選手になりたいなという風に思う」と壁を突き破る夏にする。




〇コラム:小川(恵)のあだ名

 現在、陸上競技部には苗字が”小川”の選手が3人いて、名前の読みが”けいすけ”の選手も2人在籍する。苗字も名前も読み方が被ってしまうため、出身校である神奈川県立元石川高等学校から由来して”元石”と同級生の間で呼ばれているという。


〈結果

男子5000m

2組

3着 内瑛太(経営1・福岡第一高) 14分56秒61

7着  鈴木啓斗(経営1・三浦学苑高) 15分00秒22


3組

2着  小川恵裕(文1・元石川高) 14分42秒79(自己新)

4着 下江太翔(文1•東京高) 14分44秒03(自己新)

5着 小川伊央(人間科学3・浜松日体高) 14分46秒00

8着  東悠太(経営3・洛南高) 14分48秒59

10着 橋本和真(経営3・専大松戸高) 14分52秒79

20着 三上陸空(経営2・三浦学苑高) 15分15秒98

24着 江口怜臣(文1・作新学院高) 15分25秒90

25着  小川志生(経済1・浜松日体高) 15分27秒50

28着 村澤大雅(経営2・青森山田高) 15分41秒97


4組

7着  戸津大輝(人間科学3・専大北上高) 14分25秒80(自己新)

9着 田口萩太(文3•東京高) 14分26秒94 (自己新) 

14着  西野寛太郎(経営1・美方高) 14分47秒29

21着 公文翔太(人間科学1・高知農業高) 15分07秒07


5組

10着 佐藤陸(文4・東京高) 14分29秒16

12着  佐藤瑞城(経営1・浜松日体高) 14分33秒65

13着  中島優太(経営4・駒沢大高) 14分35秒78

15着 矢谷正斗(経営2・京都外大西高) 14分47秒12 

16着 渕飛天(経営2・宮崎日大高) 15分01秒16

17着  松本崇吹(経営2・鳥栖工業高) 15分05秒03



文=錦織秀樹(文1)、門前咲良(文4)

写真=門前、松井泉樹(商1)