最新ニュース
〈令和8年度東都大学野球春季リーグ戦=5月12日 UDトラックス上尾スタジアム 専大7-2拓大〉

▲打率.500と絶好調の吉水がこの試合でも打撃で勝利に導いた
またも絶好調の男が勝利を引き寄せ、優勝目前まで迫った。
第4節の対拓大1戦目。
2回表に先頭打者の4番・宮﨑元哉(経営4・明豊高)が今季1号となる本塁打で先制する。そして、5回表に2番の代打・森誠太(経営4・海星高)の併殺打で2-0となった。

▲4番に座っている宮﨑に一発が出た
しかし、5回裏の無死一塁の場面でファールボールを捕手の加藤大悟(経営4・専大松戸高)がつかみ取るも、一塁手の宮﨑と衝突。宮﨑は途中交代となった。
さらに、これまで5奪三振を奪っていた先発の梅澤翔大(経営2・専大松戸高)が制球を乱し、2死満塁で押し出し四球と暴投で2-2と試合が振り出しに戻った。
悪い流れを断ち切りたい専大は1死一塁の場面で島内洸征(文3・東福岡高)が公式戦初安打を記録。公式戦初スタメンとなった3年生が打撃でアピールした。その後、2死満塁となり絶好調の男が打席に臨んだ。1番・吉水真斗(経済4・松商学園高)の中適時打で4-2と勝ち越しに成功。チームに再び勢いを与えた。
7回には1死一、二塁で6番・渡辺維介(文3・松本国際高)が右方向へ適時二塁打を放ち点差を3に広げる。この打席で4安打目と猛打賞の活躍を見せた。
以降も相手の失策が絡み、7点目をスコアボードに刻んだ。

▲川上の投球には力がこもっていた
投手陣も6回以降拓大打線を0点に抑えた。
6回裏から川上笈一郎(経営2・大阪桐蔭高)が登板。直球中心に3回無失点に抑えた。9回裏には伊東賢生(経済4・千葉黎明高)が3人で抑え、7-2で勝利。7連勝目を飾り、優勝へと駒を進めた。
5月13日に行われる第2試合の日大対駒大で日大が勝利するかつ、第3試合に行われる次戦で専大勝利すること。この2つの条件が揃えば、同日に専大の二部優勝が決まる。
〇絶好調・吉水が勝ち越し打を放つ 「チームの勝ちにつながり一安心」


▲6回表の勝ち越し打について「しょぼい当たりだったけど、良いところに飛んでくれて良かった」と安堵した様子だった
5回裏に痛恨のミスから同点に追いつかれ、暗雲が立ち込めた。
チームとしても悪い流れを断ち切りたい中、絶好調の吉水は前を向いた。「2点先制して良い試合運びできてるなと思っていたら、追いつかれて。追いつかれ方も自分たちのミスだったので、それに対してはやばいなと思わずに、ただ同点になっただけだよと前向きな言葉をかけた」。
6回表2死満塁の場面で「良い意味で俺に回ってくるかぁっていう感じだった」と打席に立った。
1ボール1ストライクからの3球目。センター方向に打球を運び、2点差に広げる勝ち越しの適時打となった。「当たりが当たりだったので、喜ぶにも喜べなかった。でも、チームの勝ちにつながったから一安心」と納得する当たりではなかったものの、この一打がチームを勢いづけた。
試合後は打率.500と好調をキープしているが「なんなんだろう(笑)」と笑顔を見せる。
さらに、昨秋から長打が増え、今季は長打率.923と高い水準に達している。それでも「甘い球を打つだけで、そんなに難しく考えずに。外野の頭を越えた当たりが本当に少ないので、(外野の)間の良いところに抜けてくれてたという感じ。やっぱりちょっと運が良い」と笑みを浮かべながらも、慢心しない様子だった。
専大はこれまでわずかな差で二部優勝を逃し、悔し涙を飲んできた。次戦で優勝が決まる可能性がある中「チームとしても毎回こうやっとけばというところで落としてるのはみんながわかっている。だからこそ、緊張感を持って、曲げちゃダメだぞみたいな。いつもやっているんだから、もっと集中しないとって気持ちが入ると思うので。良い方に捉えて、良い緊張感を持って挑めたら。いつも通りの野球やってれば、今日みたいな試合展開に持っていけると思うので、変に意識せずに、前の(他大の)試合とか色々あるけど、自分らに集中してやっていきたい」と言葉に熱を込めた。
最終年の切り込み隊長は「チームの勝ちに貢献できればそれでいいので。チームが勝てればそれでいいので。そのために自分の役割をこなしていければなと思う」と次戦でも力強くバットを振る。
〇好調の渡辺が4安打猛打賞 「考えすぎずにやっていきたい」


▲この試合5打数4安打で打率.414を記録した
5回裏。試合が振り出しに戻った場面で「先制して、2点も取って、このままいけるかなという時に梅澤がちょっと調子悪かったので追いつかれたけど、特にベンチは焦らず行こうみたいな感じだった。良い雰囲気でやれているなという印象」と渡辺はチームの雰囲気を口にした。
その後、勝ち越し4-2で7回表の攻撃に入った。チームに勢いが戻ってきた中、1死一、二塁で打席が回る。「1、2打席目は追い込まれていなかったので(打てた)。(4打席目は)先に追い込まれちゃったので、どうしようかなっていう中で意識を逆方向持っていって、ああいう結果になった」と放った打球は適時二塁打となった。
試合前にはある取り組みをしていたという。「相手ピッチャーのデータとか見て、自分でこうしていこうと考えながらやっていた」。その分析が4安打猛打賞の結果に結びついた。
さらに、試合終了後には打率.414と4割台に乗った。「始まる前、打率がガタ落ちしたので何も考えてなかったけど、それくらいが良いのかもしれない」と気負いを捨てて試合に臨めた。狙うは昨秋も外野手部門で獲得した二部ベストナイン。「意識しちゃうと変に力が入ったりしちゃうので。考えすぎず、打ったら“よっしゃー!”くらいの気持ちでやっていきたい」と肩の力を抜く。
優勝が見えてきた状況で好調の3年生は「とにかく自分たちの試合に集中すること(が優勝に必要なこと)だと思うので。前の日大と駒大の試合がどうなろうが、自分たちの試合に集中するだけだと思う」と目の前の戦いに神経を研ぎ澄ます。
コメント
【島内】


▲初スタメンでアピールした島内
―――試合を振り返って
「自分自身初出場、初スタメンというところで、緊張はあったんですけど、自分のやってきたことやるだけだなと思って良い緊張感で試合に臨みました」
―――スタメン出場が決まった時の心境は
「やってやるぞっていう気持ちでした」
―――打席に立つときに意識していたことは
「ピッチャーの球を自分が何で狙っていくのかをはっきりさせて、打席に入っていました」
―――自身が思う持ち味は
「長打力が自分の持ち味だと思っていて、追い込まれてからでもハードヒットで野手の足を抜いていく感じのバッティングスタイルが持ち味だと思っています」
―――その持ち味を評価されてスタメン入りを果たした
「練習試合やオープン戦でそういうヒットが多くて、ちょくちょく良い感じの打席が増えていたので、そこを評価してもらってスタメン出場につながったのかなと思います」
―――次戦への意気込みは
「明日も出番があったら積極的にやっていって、自分の持ち味を出していきたいと思います」
【町田公二郎監督】
―――専大はここ近年、わずかな差で二部優勝を逃している。優勝に向けて必要なこととは
「他校さんがいて、自分たちの勝敗が変わってくるので、あまり意識を私自身はしていないですね。目の前の試合を勝ちに行くためにしっかり準備をして、ゲームの中でいろんなことがあるので、やっぱりそのための準備を後手にならないようにと常日頃言っているので、あんまり意識を私自身はしていないですね。学生はわからないですけど。目の前のゲームに対してベストを尽くすっていうところの準備をしましょうというところを話しています」
―――次戦では優勝する可能性があるが
「次の試合に向けて準備するというのはいつも一緒です。一試合一試合しっかりやるのが大事で、2か月と試合は短期なので、とにかく先に1勝しないと勝ち点はないわけです。目の前の試合をしっかり、それぞれの役割がやっぱり必要だという風にずっと話しています。明日も現場でもしっかりやれるように準備するだけというところですね」
コラム
【日大のヘルメット】

▲日大ヘルメットをかぶる井上颯太(経営3・丹生高)
この試合では野手が日大のヘルメットを着用。伊勢原寮にヘルメットを忘れてしまい、没収試合になりかけていたところ、快く日大野球部からヘルメットを貸し出していただいたとのこと。ライバルチームからの温情のおかげでつかみ取った勝利だった。
文=門前咲良(文4)
写真=知地泰雅(文4)

