最新ニュース
〈第78回秩父宮賜杯全日本バレーボール大学男子選手権大会=12月6日 専大2-3国士舘大〉
準決勝は3日連続のフルセットとなった。相手はリーグ戦でストレート負けを喫した国士舘大。第1セットは序盤からブロックが冴えリードするも、中盤から相手にブレイクを許し、逆転されセットを落とした。第2セットは点を取り合う展開となったが、粘り強いプレーで流れを掴み、甲斐優斗(日南振徳高)のスパイクを軸に点を重ねセットを獲得。第3セットは序盤からブロックポイントなどで連続得点を挙げ、主導権を握ったが、相手の高いブロックに苦しみデュースの末セットを落とした。後が無い第4セットは、新居良太(経済3・開智高)のクイックやマサジェディ翔蓮(文1・福大大濠高)のアタックなど攻撃を使い分け相手を翻弄。終盤はサーブで相手を乱しセットを獲得した。最終第5セットは一進一退の攻防で再びデュースにもつれた。最後に森田慶(経営2・日南振徳高)がワンハンドで新居に託したボールは相手に阻まれ、セットカウント2ー3。あと僅か届かず準決勝敗退となった。

第1セットスターティングメンバー
OH: #1甲斐 #5堀内
MB:#2千葉 #11新居
OP:#23マサジェディ
S:#20森田
L:#7水野
第1セットは甲斐のレフトからの強烈なスパイクから始まった。序盤から千葉貫世(経済4・東北高)と新居を中心に、堅実なブロックでポイントを量産した。また、マサジェディのサービスエースや森田の相手の不意をつくツーアタックが決まると会場内が大きく盛り上がった。その後も甲斐やマサジェディのアタックや、新居のクイックなどで得点を重ね、このまま専大リードが続くと思われた。しかし、12ー7の場面で相手に4連続得点を奪われ、相手に流れが傾く。すかさずタイムアウトを取り、タイムアウト明けに甲斐がスパイクを決めたものの、相手の流れは断ち切れず、追う展開となった。後半からは、相手がさらに攻撃のギアを上げ、鋭く力強い攻撃に苦しめられた。21ー24の場面で森田が堀内大志(文4・日南振徳高)に3度続けてトスを託し、レフトからのアタックを決める執念のプレーも見られたが、勢いを増す相手のアタックを上げられずに21ー24でセットを落とした。

▲ブロックをする森田、千葉
第2セットはマサジェディの1枚ブロックポイントから始まった。序盤から点を取り合う拮抗した展開となったが、水野永登(商4・岡谷工業高)や森田の好レシーブなど守備面での粘り強さを見せ、得点につなげた。中盤からは自身のミスが増え、トスのタイミングが合わず、失点する場面もあった。それでも甲斐がレフトからのアタックやサービスエースで単独3連続得点を上げ、チームを勢いづける。しかし、長いラリーを相手に制され、自身の連携ミスによってボールがつながらず失点するなど、チームの雰囲気が重くなった。流れを変えるために19ー15で専大がタイムアウトを取ると、セッターの森田が4年たちをはじめとする仲間に背中を叩かれ、気合を入れ直す様子が見られた。その後は甲斐の鋭いスパイクを中心に得点を重ね、堀内のレフトからのブロックアウトで24ー19。最後は判定に揺れたが、相手のアウトで25ー19でセットを獲得した。

▲レシーブをする水野

▲スパイクを打つ甲斐
第3セットは序盤はリードしていたものの、中盤以降からブレイクを許し、デュースの熱戦となった。甲斐のスパイクから千葉とマサジェディのブロックなどで4連続得点を上げ、一歩リードする。その後も固いブロックで点を重ね、森田が1枚ブロックで相手のレフトからのアタックを止めると、大いに盛り上がった。10ー6の場面で森田にサーブが回ると、サーブ前に堀内が声をかけるなどチーム全体で鼓舞し合う姿が見られた。それに応えるように11ー6の場面で森田がサービスエースを決めると、コート内では大きな喜びの声が上がり、会場内が歓声に包まれた。相手がタイムアウトを取るも、流れは変わらず、いつもの"専大のバレー"ができるかと思われた。しかし、18ー13の場面で甲斐のスパイクがブロックかかると、相手が勢いを増し、攻撃のギアを上げてきた。その後は判定に揺れ、チームの雰囲気が悪くなり、相手の猛攻を止めることができず、ブレイクを許してしまう。それでもマサジェディのブロックアウトや甲斐と新居のブロック、相手のミスもあり、なんとデュースにもつれこんだ。しかし、何度も甲斐に連続して上がるなど焦りが見られ、最後は甲斐のスパイクがブロックにかかり26ー28で痛恨のセットを落とした。

▲サーブを打つ森田

▲アタックをするマサジェディ
セットカウント1-2で迎えた第4セット。後が無い専大は、序盤から新居のクイックやマサジェディのスパイクとダイレクト、千葉の1枚ブロックで5連続得点を挙げ、一歩リードした。その後も甲斐とマサジェディのスパイクや新居のクイックなど攻撃を使い分け、果敢に攻め続けたが、相手の勢いも落ちず、中盤までは拮抗した展開となった。16ー16の場面、マサジェディのブロックアウト、甲斐と新居のブロック、そしてマサジェディの1枚ブロックで3連続得点を挙げると、一気に専大に流れが傾いた。すぐに相手がタイムアウトを取ったが、その間も応援席からは力強い"専大コール"が巻き起こった。終盤には甲斐サーブで相手を乱し、堀内がレフトからスパイクを決めると、ガッツポーズする姿が見られた。最後まで攻撃の手を緩めず、25ー21でセットを獲得した。

▲ブロックをする千葉

▲クイックを打つ新居
日本一を目前にした最終第5セット。相手のサーブミスから始まり、2ー2の場面で新居と森田が相手レフトのアタックをブロック。甲斐にサーブが回り、コートギリギリを攻めるエースを取り、チームの士気を上げた。しかし、5ー5の場面で長いラリーを相手に制されると、会場内は大きく盛り上がり、一気に相手有利の雰囲気に包まれた。攻撃のギアを上げた相手に苦しみつつも、マサジェディ、甲斐のアタックと千葉とマサジェディのブロックポイントで得点し、サイドアウトを取る。サーブが回ってきたのはマサジェディ。騒然とした会場の中、一息ついて打ったサーブは相手を弾き飛ばした。このサービスエースによって10ー10と相手に追いつき、白熱した試合に会場内は大きな盛り上がりを見せた。すかさず相手はタイムアウトを取り、タイムアウト明けにライトからのブロックアウトとセンターのダイレクトで2点をつけられる。専大も同じくタイムアウトを取り、甲斐のレフトからのブロックアウトと、千葉のセンターのダイレクトで負けじと2連続得点を挙げる。しかし12ー13の場面で、相手キャプテンのサービスエースが決まり、相手の士気が高まる。会場内も相手ムードの中、新居と堀内のブロックで14ー14となり、再びデュースにもつれこんだが、ギアを上げた相手の執念のアタックを返せず14ー15となった。最後は甲斐のレセプションから森田がワンハンドトスで新居に託したが、相手の反応の方が僅かに早く、ブロックにかかり14-16。セットカウント2ー3、2度目の日本一の夢はあと一歩のところで潰えた。

▲試合終了後、膝をついた新居

▲堀内が新居のもとへ向い、肩を抱いて支えた
惜しくも決勝の舞台を逃した専大は、3位決定戦へと挑む。対戦相手は昨年準決勝で勝利した関東1部所属の近大。
4年生にとってはこれが最後の学生バレーとなる。最後は笑って終わらせるためにも、"専大のバレー"で勝利を目指す。
文=臼井千晴(文2)
写真=山中美琴(文3)

