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〈第78回秩父宮賜杯全日本バレーボール大学男子選手権大会=12月4日 専大3-2法大〉
中大の勝利から一夜明け、専大は法大と対戦した。法大には甲斐優斗(経営4・日南振徳高)と同じく日本代表の高橋慶帆選手が在籍しており、日本代表対決となった。

▲試合後に称え合う甲斐と高橋慶帆選手(法大)
第1・第2セットは高橋慶帆選手を筆頭とする法大の鋭い攻撃に手が出ず、アタックとブロックが決まらない場面が続いた。勢いに乗れないまま、それぞれ23-25、16-25で落とした。後がない専大は第3・第4セット、甲斐とマサジェディ翔蓮(文1・福大大濠高)を中心に果敢に攻撃を仕掛けていく。水野永登(商4・岡谷工業高)の好レシーブ、そして専大の強みであるブロックで相手の猛攻を止めると25-22、25-23と連続でセットを獲得し、同点に追いつく。運命の第5セットは取っては取り返されるシーソーゲームとなった。しかし、専大の勢いは止まることはなかった。会場中の”専大コール”を背に受け、甲斐が土壇場でサーブ面で勝負強さを発揮し、それにマサジェディがスパイクで応え、レシーブ、ブロックと総力戦で法大に挑んだ。勢いそのままにセットカウント3-2で逆転勝利。ベスト8進出を果たした。

▲勝利し喜ぶ選手たち
第1セットスターティングメンバー
OH: #1甲斐 #5堀内
MB:#2千葉 #11新居
OP:#23マサジェディ
S:#20森田
L:#7水野
第1セットは、序盤から相手の鋭い攻撃が立て続けに決まる。悪い流れを切ろうとマサジェディが攻撃を仕掛けるも相手の高さのある3枚ブロックに阻まれる。それでも新居良太(経済3・開智高)の緩急のあるプレーや堀内大志(文4・日南振徳高)の相手のブロックを避けるアタックで必死に食らいつく。中盤で相手の猛攻が牙を向く。相手の高さのあるスパイクをレシーブで拾えない場面が続き、13-18と5点差をつけられる。そんな状況でも甲斐がエースとしての意地を見せ、サービスエースを決める。その後も新居がダイレクトアタックで得点し、20-20の同点に追いつく。終盤は取っては取り返されるシーソーゲームとなった。しかし、相手の粘り強いレシーブと上からの攻撃に苦戦し、23-25で惜しくも第1セットを落とした。

▲攻撃面でも声かけでもチームを勢いに持たせた堀内

▲チームが押されている場面でも新居は冷静さを保ち続けた
流れを変えたい専大は、第2セット、ブロックで相手の攻撃を止めるとマサジェディがスパイクで得点する。しかし、これまで好調だったスパイクが相手の高さのあるブロックで止められ、失点することが増えた。その後も相手の猛攻にレシーブで拾えず、中盤10-18と8点差をつけられる。また、相手のサービスエースが決まると一気に相手の雰囲気に押されてしまう。最後まで悪い流れを断ち切れず、16-25と9点差で2セット目も落とす。

▲サーブを放つマサジェディ
流れが大きく傾いたのは第3セット。負ければ終わりという場面で専大の勝負強さが発揮された。甲斐が強烈なスパイクで1点目を入れると、マサジェディが相手の隙をつく巧みなプレーでチームに流れを引き寄せる。新居もダイレクトアタックで得点し、チームを勢いづけた。さらに、水野の好レシーブから甲斐が高さのあるスパイクを放ち繋いでいく。また、新居とマサジェディの2枚ブロックで相手の攻撃を止め、さらに勢いを増す。甲斐のアタックで専大が先に20点台に突入し、相手のミスやマサジェディのスパイクから一時5点差をつけた。それでも相手の巧みなスパイクやブロックで23-21と2点差まで迫られる。最後は甲斐のスパイクで逃げ切り25-22で第3セットを獲得した。

▲新居とマサジェディの好ブロック
セットカウント1-2で迎えた第4セット。スタートから甲斐が連続でアタックを決め、千葉貫世(経済4・東北高)が高さを活かしたブロックで相手の強打を止める。中盤では自陣の攻撃や相手のミスもあり、若干のリードに成功した。15-14と1点差まで縮められた場面で甲斐のサーブに磨きがかかる。甲斐の気迫のこもったサーブでサービスエースを2度決めるとベンチ・会場から大きなどよめきが沸き起こった。新居と堀内の見事なブロックで20点台に突入すると、最後はマサジェディのサービスエースで締めくくり、25-23で第4セットを獲得し、セットカウント2-2の同点に追いついた。

▲ブロックで法大打線を止める千葉とマサジェディ

▲攻守で活躍した甲斐。持ち前のサーブで会場を沸かせた
運命の第5セットは白熱の戦いとなった。新居のスパイクで1点目を取るも自陣の攻守によるミスから相手にわずかにリードを許す展開に。それでも、甲斐の鋭いスパイクと新居の好ブロックで6-6の同点に追いついた。相手の粘り強い攻撃にすぐさま同点に追いつかれるも、マサジェディと甲斐の強烈なスパイクで相手のブロックアウトを取り、12-10と2点差をつけた。勝利まであとわずかの場面で応援席から”専大コール”が鳴り響いた。それに応えるかのように甲斐が自らのサーブで相手を崩し、スパイクでマッチポイントを先取する。最後は相手の高橋慶帆選手のサーブがアウトとなり、15-12で専大がフルセットの激闘を制した。結果はセットカウント3-2で逆転勝利し、ベスト8進出を果たした。

▲「声援が力になった」と話した新居

▲ベンチにいる選手たちも見守る
試合後、新居は「序盤2セット軽く取られてしまい、焦りもあったが、3・4(セット)これで終わるわけにはいかないなと執念で頑張れた試合かなと思う」と今試合の大逆転劇を振り返った。
千葉は「3・4セット目はあともうないからと楽しんでやろうとして、みんながそれに乗っかってくれたので良かった」とどんなに苦しい場面でも”楽しむ”ことを忘れなかった。
第1・2セットでは相手の高橋慶帆選手の攻撃に太刀打ちできない部分も多く見られた。その点を振り返り、新居は「1・2セットやられている時はみんなコースをずっと抜かれてて、インナーコースを止めに行く手にもう一回弾かれてというのが多かった。3・4セットではブロック位置からもう少し左に寄ろうというのをチームで話していた」と対策を明かした。
次戦の相手は、昨年の全カレでも対戦した順天堂大学。
新居は「去年戦っている分、こっちの手とかは図られており、去年のように楽に勝つことはできないと思う。そこをミーティングとかでもしっかり話し合っていきたい」と語った。
そして、千葉は「硬くならずにやっていけたら良いなと思う」と気持ちを新たにした。
2連覇まであと3勝。
強敵揃いの中でも、”専大らしさ”を発揮し、日本一の栄光へと歩みを進める。
文=平野百々花(人間科学2)
写真=山中美琴(文3)

