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〈第325回日本体育大学長距離競技会 11月29日=日体大競技場〉

▲左から上山詩樹、丹柊太郎
29日に行われた日体大記録会の10000mに専大からは17名が出場。9名が自己記録を更新する中、10組に出走した丹柊太郎(人間科学3・松山商業高)が28分58秒64をマーク。続く12組の上山詩樹(経済3・敦賀気比高)も28秒44秒27の力走を見せた。
これで、長谷川淳監督が目標に挙げた“10000m28分台”に新たに2名が到達した。

▲スタート直後、丹は先頭集団の前方に付ける

▲先頭集団に離されることなく力走を見せた上山
〇丹が目標の28分台に到達「素直に嬉しい」
28分台を目指して攻めの走りを見せた。丹は「序盤からついて、リズムだけもらう作戦だった」と序盤から西広翔(経営1・専大松戸高)、田口荻太(文2・東京高)と共に集団の前方へ位置を取る。「良いペースメーカーがいたのでそこについていくだけで良かった」と相手選手を上手く利用し、思い通りにレースを展開した。
しかし8000mを通過してから徐々に先頭集団から離れてしまう。「前半は結構ゆとりがあったけれど、7000mから9000mがきつくて、少しペースダウンしてしまった」と反省した。それでも「400mを70秒ほどで抑えることができた」とレース後半は第2集団を引っ張り、ペースダウンを最小限に抑えた。
最後の9800mの通過は28分30秒だった。「もうほんとにダッシュで、最後の200mは走っていて。とにかくなんとか間に合ってほしい思いでした」と最後は気迫の走りでフィニッシュ。10着の28分58秒64をマークし、何とか29分台の壁を乗り越えた。

▲西(写真奥)と共に前に食らいつく
丹は練習で「28分台を出せる自信があった」と語る。しかし「実際走ると思ったよりきつかった」と思うようにはいかなかった。レースが高速化する中「時代が変わってきて、もう28分半切りとか27分台の時代になっていると感じているのでここで満足してはいけない」と更なる高みを目指すことを誓った。
一方で「特に7000mから9000mあたりの後半の粘りがきつくて動かなかった」とレース後半の動きを課題に挙げる。「ラストまで行けたらもう1周は動くので。そこまでペースを保てたら良い記録が出ると思う」と改善点を見据えた。

▲28分40秒切りへ、後半の粘りを課題に挙げた
期待の3年生ランナーの次の目標は28分40秒切り。「もっと調子が上がってきたら(28分40秒切りは)可能だと思う」と次回の出走に向けて意気込んだ。
◯次期エース 待望の28分台もさらなる高みを目指す

▲期待に応える走りを見せた上山
次期エースとして期待のかかる上山詩樹(経済3・敦賀気比高)は12組に出場した。序盤から集団の中央よりやや前方の位置に付き、レースを展開。先頭集団が徐々に崩されていくも離されることなく力走した。レース終盤の9000mでは先頭集団が分断するも力強い粘りを見せた結果、自己ベストを25秒27更新する28分44秒27をマーク。期待に応える走りを見せた。
28分の大台に乗ったが、結果に満足しない。「28分台というタイムを出せてひと安心ではあるが、もう一歩頑張りたい」と悔しさをにじませながらさらなる高みを目指す。
力走を披露したが、「落ち着きがなかったという印象。変に足を使ってしまったというのが反省かなと思っている」と自身のレースの運びを分析。「余裕がなかったというか、ちょっと心のゆとりが無かったのも反省かなと思う」とメンタル面での反省を口にした。

▲好タイムを出すも、冷静に分析をする。
来季は最上級生としてさらなる期待がかかる上山。「新井さん(=新井友裕、文4・浦和実業学園高)が抜けたからエースになったのではなく、専大のエースとして堂々と頑張れるようにしたいと思っている。強いチーム、応援してもらえるようなチームになれるように、‟エース“としてチームを引っ張っていきたい」と決意を示した。
好記録を出しながらも課題を見つけ、さらに上を目指す姿勢を崩さない次期日本人エース。その自己研鑽を惜しまない姿勢からは今後の成長が期待される。来年ラストイヤーを迎える上山の走りに注目が集まる。
【結果】
男子10000m
2組
7着 斉藤圭祐(ネット情報1・専大松戸高) 30分17秒63 (自己新)
13着 若林千大(経済2・相洋高) 30分25秒89 (自己新)
DNF 東悠太(経営2・洛南高)
3組
DNF 三上陸空(経営1・三浦学苑高)
4組
19着 小松 佑大(経営2・日体大柏高) 30分19秒66
5組
39着 渕飛天(経営1・宮崎日大高) 30分56秒18
9組
25着 高木峻平(経営2・洛南高) 29分44秒46 (自己新)
37着 中島優太(経営3・駒澤大高) 30分24秒88
DNS 佐藤恵吾(文2・自由が丘高)
10組
10着 丹柊太郎(人間科学3・松山商業高) 28分58秒64 (自己新)
25着 西広翔(経営1・専大松戸高) 29分25秒78 (自己新)
30着 中西慶士郎(経営2・比叡山高) 29分34秒68 (自己新)
42着 佐藤陸(文3・東京高) 30分02秒84
43着 江幡凛太朗(経営3・水城高) 30分47秒40
DNS 大濵優輝(商2・関大北陽高)
12組
16着 上山詩樹(経済3・敦賀気比高) 28分44秒27 (自己新)
NGC
1組
16着 新井友裕(文4・浦和実業学園高) 28分21秒34 (専大記録)
2組
10着 ダンカン・マイナ(商2・専大熊本玉名高) 27分52秒97 (専大国際記録)
文=小畑祐人(文2)、田上咲笑(文2)
写真=門前咲良(文3)、田上

