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2025.06.21
サッカー

【サッカー部】勝敗分けたプレー精度の差 インカレ王者に善戦も3回戦敗退

「アミノバイタル®」カップ2025 第14回関東大学サッカートーナメント大会 兼 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選


3回戦 VS東洋大学体育会サッカー部


6月20日(金) 14:00Kickoff


@時之栖スポーツセンター裾野グラウンドE2(静岡県裾野市)


専大 0–1 東洋大

得点者 高橋


 3回戦は東洋大学と対戦し、0-1で敗れた。1部リーグに所属する東洋大に対し、専大は中盤が本職の河野を最前線に据える奇策で挑んだ。序盤は河野を筆頭に素早いプレスからリズムをつかみかけたが、前半37分にボレーシュートを決められて先制を許してしまう。数少ないチャンスを仕留められて迎えたハーフタイム明けにここまで2得点を挙げている松本を投入し、同点ゴールを狙う。しかし、後半26分に退場者を出すと、その後は昨年のインカレ王者に試合巧者ぶりを見せつけられて最後まで得点は奪えず、3回戦敗退となった。

▲試合後、肩を落とす専大イレブン


〈試合前情報〉

以下、スターティングメンバー(4-3-3)

GK 12 上林 真斗(法3・昌平高)

DF  4 橋本 清太郎(文4・流通経済大柏高)

DF 28 佐藤 柚太(経営2・白根高)

DF 23 鈴木 嘉人(経済2・実践学園高)

DF  6 岡田 海人(法3・浜松開誠館高)

MF 20 三木 喬貴(ネット情報2・習志野高)後半16分 OUT

MF 10 戸田 大翔(商4・志木高)後半26分 退場

MF 24 溝口 晃史(法1・大津高)

FW 13 山下 基成(文3・大津高)後半32分 OUT

FW 18 仲本 隼翔(経済4・松商学園高)後半0分 OUT

FW  7 河野 修和(文4・甲府昭和高)後半32分 OUT


途中出場

FW 11 松本 皐誠(商4・東海学園高)後半0分 IN

MF  8 橋本 燦(ネット情報2・帝京長岡高)後半16分 IN

FW 17 佐藤 漣(法2・成立学園高)後半32分 IN

FW 19 那須 奏輔(経済2・東海学園高)後半32分 IN


〈試合展開〉

 昨年のインカレ王者、東洋大学と3年ぶりにアミノ杯で相見えた。天皇杯でプロチームを破るなど勢いに乗る相手に対して専大は直近のリーグ戦から先発5名を変更。対人守備に優れた4選手をディフェンスラインに並べ、最前線には中盤を本職とする河野を配置する“対東洋大”の奇策で挑んだ。

 序盤は後方からボールをつないで前進を狙う東洋大に対し、河野を中心とした攻撃陣が素早いプレスを掛けてボールを回収していく。しかし、うまくシュートまで持ち込めずにいると、前半13分には東洋大に立て続けにシュートを放たれるピンチを迎える。それでも、守護神の上林らが体を張ってゴールを割らせない。

▲相手と競り合う河野

 格上相手にほぼ互角の内容を見せていたが、前半37分に痛恨の失点を喫してしまう。前線からのプレスを華麗に交わされると、一気に攻撃のギアを上げた東洋大がペナルティエリア右に進入。そこからクロスを上げられると、ゴール前で完全にフリーとなっていた相手にボレーシュートを決められる。確実にチャンスを仕留められて0-1で試合を折り返す。

▲失点の様子

 同点に追い付きたい専大はハーフタイム明けに2回戦で2得点を挙げた松本をピッチに送り出し、勝負に出る。後半開始直後こそ、相手に主導権を握られるが、徐々に専大がペースを握り始める。後半17分には相手のロングボールを鈴木が跳ね返して前線へ送ると、河野から橋本燦を経由して山下にボールが渡り、ディフェンスラインの裏に抜け出す。山下はペナルティエリア左でフェイントから左足を振り抜くが、相手DFに阻まれてしまう。

 さらに攻勢を強める専大は後半24分に溝口が鋭い縦パスを供給すると、受けた橋本燦がペナルティエリア手前の中央からミドルシュートを放ち、左CKを獲得する。しかし、その後得たCKの流れから東洋大のカウンターを浴びると、この試合すでに1枚イエローカードを受けていた戸田が相手を倒してしまい、2枚目のイエローカードを提示されて退場となる。

▲戸田にレッドカードが提示された

 1点ビハインドの中、数的不利に追い込まれた専大は、佐藤漣と那須を投入して得点を狙う。しかし、相手にボールを握られる展開となり、攻守両面において苦戦。ラストチャンスとなったセットプレーには、GKの上林も攻撃に参加したが、最後まで得点を奪うことができず、アミノ杯は3回戦で敗退となった。

▲試合終了直後の様子

 試合後、東大樹監督は「やっぱり東洋大学さんはうまいチームで。カテゴリー差もあるので、ちょっと固い入りになったところで、チャンスの数も少なかったし、その中で1つ1つの技術の差だったり、日頃やってきたリーグの差みたいなところはすごく痛感した」と振り返った。

 モビリティに優れた河野を1トップに起用し、指揮官は「蹴り合っても勝てないかなと思ったので、クオリティのある選手を使って、相手を走らせてうちが優位を取れればいいなというような展開も考えた。相手の選手のところもリスペクトしつつ、そういう意味では1番良い選択をできた」と準備してきた戦術で相手を苦しめた。

 専大守備陣の奮闘もあり、東洋大のシュートを7本に抑え、決定機を多く作られたわけではなかったが、1つ1つのプレー精度が勝敗を分けた。4年生は全国大会出場のラストチャンスを逃した形となったが、現在首位と勝点差2の5位に付けているリーグ戦が残されている。指揮官が「この夏、大会(総理大臣杯)に出られれば良かったが、出られないなら出られないなりにトレーニングのところでもっと頑張っていかなきゃいけないと思う」と話すようにリーグ戦再開までの3か月間で競争を促し、更なるレベルアップを目指す。

▲リーグ後半戦に向けて再起を図る


試合後、インタビュー

河野修和 主将

試合を振り返って

「前半はちょっと自分たちも流れに乗れない部分があって、淡々と時間が過ぎ過ぎてしまった。時間を無駄にしてしまったなという感じはある」


守備の部分ではどのようなことを意識したか

「(1トップは)大学に入ってからはなかった。監督からはモビリティがあってという守備の部分で(期待されていた)。東洋が(ボールを)回してくるチームというのがあったので、自分から(プレスの)スイッチを入れられるように意識した」


スコアとしては1点差だったが、カテゴリー差を感じたか

「勝負という面で見たらやっぱり1部との差はあったと感じた。クオリティだったり、守備の強度はまだまだ差があると感じたが、別に自分たちも戦えないことはないと思った」


リーグ後半戦に向けて

「自分たちに残っているのはもう3部優勝して2部昇格しかないと思うので、それに向けて1からまた夏もあるので、しっかり乗り越えてやっていきたいと思う」


東大樹 監督

ハーフタイムにはどのような声をかけたのか

「かなり相手のことをリスペクトしすぎて、ちょっとビビっている瞬間というのが見えたので、そういう意味では『スイッチを入れろよ』というところの喝を入れる部分と『やってきたことをちゃんとやってこうよ』というようなところ。今日のところでいくと、『中盤でボールをつなげるんだから、もっと自信を持ってボール受けろ』というところはもう1回前半が終わった後に話をさせてもらった。後半のボールを持てる時間に関しては良かったんじゃないかなと思う」


退場者を出してからはやはりプランが崩れたか

「だいぶプランが変わっちゃったし、レフェリングのところはもうどうしようもないところがある。僕らでコントロールできる範囲ではないので、そこに関してはジャッジのところが出た以上はそれを受け入れてやるしかない。そこで10人のサッカーを準備してきたかというと、日頃そういうところの1人少ないだったりとかは練習でできている部分もある。ただ、がっつり準備してきたかっていうと、そういうわけではないので、ちょっと難しいゲーム展開にはなっちゃったかなと思う」


リーグ後半戦に向けて

「前期の大会といったところで、ここまでを節目と考えた時に見えてきたところがいっぱいあるので。そういう意味ではここからかなり競争の部分も激しくなってくると思う。この夏、大会に出られれば良かったが、出られないなら出られないなりにトレーニングのところでもっと頑張っていかなきゃいけないと思う。3部でもおそらくこれから(総理)大臣杯に出ていくチームもあると思うので、そこに劣らないように、もっときついこともやってかないといけないと思う。その中でもクリティカルな部分も上げていかないといけないので、そういったところも上げつつ、頑張れれば良いと思う」


リーグ戦第12節は9月20日に生田北グラウンドで明治学院大学と対戦する。


文=竹田一爽(文4)、写真=佐藤佑樹(経済2)、竹田