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<令和7年度東都大学野球春季リーグ戦 優勝決定戦=6月6日 等々力球場 専大1-3駒大>
勝てば入替戦・一部昇格への切符を掴み取ることが出来るこの試合で先手を取ったのは専大だった。1回裏、この試合も1番に座った谷頭太斗(経営3・日本航空石川高)がレフトへツーベースヒットを放つと、続く吉水真斗(経済3・松商学園高)、松永知大(経済4・創成館高)が四球を選び、いきなり無死満塁とチャンスを作り出す。打席には今シーズン大活躍の4番・和田琉汰(文1・静岡高)に回り、内野ゴロの間に三塁走者の谷頭が生還し、先制点を挙げた。
▲直球をレフト線に運びツーベースヒットを放った谷頭
▲和田の内野ゴロの間に先制
一方で先発の長島暖和(経営4・専大北上高)は「ある程度の緊張感を持っていたが、いつも通り試合に臨めた」とピンチを招いたが、要所を締める投球で5回1失点に抑えた。
その後はお互いピンチを迎えながらもスコアボードに「0」を並べる攻防が続き、タイブレークに突入。しかし、延長10回表に2点を失い、追いつくことが出来ず試合が終了。惜しくも優勝・一部昇格の挑戦権を逃した。
▲駒大打線を3安打に抑えた
▲6回から登板した藤田和揮(経済4・筑陽学園高)
試合後、主将の中野拳志郎(文4・小浜高)は「駒大には(開幕節で)勝ち点を落としていたから挑戦者の気持ちで試合に臨んだ。厳しい戦いになるのは分かっていたが、勝ちきれなかったのが悔しい」と歯を食いしばった。
〇背番号18を背負った今春「ここまで戦えたのは自信になった」
公式戦登板が未経験ながらエースナンバーを付け、計10試合に登板した長島。開幕戦ではリーグ戦初登板ながら、完投勝利でチームを勢いづけた。さらに、国士大との1回戦では初完封勝利を挙げるなど飛躍の年となった。「(リーグ戦の)経験が少ない中でここまで戦えたのは自信になった。だけど、中継ぎのみんなに助けてもらった試合も多かったから、秋に向けてしっかり成長できるように頑張りたい」と現状に満足せず、ラストシーズンに向けて先を見据える。
▲今春のリーグ戦を通して「自信がついた」と話す長島
▲中継ぎ陣では特に藤田(上)、伊東賢生(経済3・千葉黎明高)(中)、梅澤(下)の好投が目立った
〇中野、長島、谷頭がベストナイン 新人賞には梅澤が選出
ベストナインには長島が投手部門、谷頭が二塁手部門で初受賞、中野は捕手部門で昨春以来2度目の選出となった。新人賞には梅澤翔大(経営1・専大松戸高)が輝いた。
長島はリーグ最多の9試合に登板し、4勝を挙げて最多勝利数タイの成績を残した。中野はリーグ戦経験の少ない投手陣をリードし勝利に貢献。さらに、2季連続で全試合スタメン出場を果たすなど、チームとして欠かせない存在となっている。
▲専大バッテリーでのW受賞は5季ぶりの快挙
谷頭も全試合に出場し、計14個の四球をもぎ取る選球眼、開幕から7試合連続でヒットを放つなどミート力を発揮し、出塁率でトップに立った。
▲国士大との2回戦では大学に入って初の本塁打を放った
そして、新人王に輝いた梅澤は緩いカーブを武器にMax153キロの速球でリリーフを任された。入学直後からフル回転の投球で齋藤正直監督からも「頼もしい」と評価されるほど信頼を勝ち取り、計9試合に登板した。
▲受ける捕手の中野も「強心臓」と評価した
今春では新たな顔ぶれが揃った。投手ではエースの長島を軸に、中継ぎとして活躍した藤田和揮(経済4・筑陽学園高)やルーキーながらチーム内最多登板タイとなる9試合に登板した梅澤らの粘り強い要求で幾度となるピンチを救った。野手では同じくルーキーの和田は拓大との2回戦から4番に座り、二部リーグ打点部門でトップになるなどの活躍を魅せ、秋季リーグに繋がる戦いとなった。
▲その他にも平野大地(経営2・専大松戸高)(上)、大木漣(経済2・加藤学園高)(下)などが初出場ながら結果を残した
文=知地泰雅(文3)
写真=門前咲良(文3)、大石真碧(文2)