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2025.06.07
ラグビー

【ラグビー部】大東大とのシーソーゲームを制す 佐藤瑛斗が決勝トライ

〈春季オープン戦=6月1日 大東大G 専大A 40ー33 大東文化大〉


  ▲佐藤瑛人のトライで、勝利を決定づけた


 大東大との1試合目は気温が高く、強い日差しが照りつける中での対戦となった。前半序盤から両チームが得点を奪い合う展開が続き、大東大に2度追い付かれる。スコアが動く中、前半34分にはFL下境洋(経済1・國學院栃木高)のトライとFB原小太郎(経営4・桐蔭学園高)のゴールが決まり、前半を21ー14で折り返す。

 後半も前半同様に激しい攻撃の応酬が続き、後半開始早々には早くも同点とされる。その後は2トライと1ゴールを奪って点差を広げるが、終盤には4度目の同点に追い付かれる。それでも、ラストワンプレーのスクラムから、最後はWTB佐藤瑛斗(経済2・日川高)のトライと原のゴールで勝ち越し、40-33でノーサイド。昨年1部リーグ優勝の大東大を相手に、激しい点の取り合いとなった試合に勝利した。




 猛暑の中で行われた一戦、先手を取ったのは専大だった。前半2分、敵陣で大谷亜蓮(経営3・國學院栃木高)がボールを持ち運ぶと相手のハイタックルを誘発。ラインアウトからの二次攻撃でパスを繋ぐと、CTB藤間悠太(経営1・常翔学園高)が相手を振り切り先制トライ。原のゴールも決まり、専大が早くも7点を先制する。

 

  ▲大谷の前進から相手の反則を誘う


  ▲藤間が巧みなステップで相手をかわし、先制トライ


  ▲この試合、原はコンバージョンキックで6/5と高い成功率を誇り、勝利に貢献した


 前半17分には、自陣左サイドで相手の突破を防ぐものの、右サイドに揺さぶられると相手のランから同点トライを許す。

 その4分後には再び専大が反撃する。相手のミスから左サイドのタッチライン際を佐藤瑛斗が速いスピードで駆け抜けるが、相手の堅い守備に遭う。そのプレーで得たラインアウトからモールを押し込み、下境がグラウディング。原のゴールも加えて14-7となった。

 リードしたのも束の間、またしても同点に追い付かれる。専大のミスが目立ち、自陣左サイドでノックフォワードの反則を取られると、大東大ボールのスクラムから速攻で右サイドを突破され、再び試合は振り出しに。

 失点後のプレーから専大がシンビンで1人を欠く状況になるが、セットプレーで得点を奪う。前半34分には、敵陣深くで専大ボールのラインアウトからモールを押し込み、下境の2トライ目と原のゴールで再逆転。その後は両チームともチャンスを作れず、21ー14で試合を折り返す。


  ▲下境のトライが決まり、感情を爆発させる選手たち


 後半開始早々からスコアが動く。後半4分、専大はハイパントの処理から攻撃を試みるが反則を取られると、隙を突かれて相手に攻撃を転じられる。速い攻撃から一気に右サイドのスペースを走られると大外の相手にパスが渡り、そのまま失点を喫して21ー21。

 3度追い付かれた専大だったが、2連続トライでリードを広げる。後半10分に敵陣で相手のノックフォワードからスクラムを獲得すると、モールでゴールライン付近まで攻め上がり、波状攻撃からPR徳久千太郎(経済3・長崎北高)がトライ。後半29分には専大ボールのラインアウトから相手の反則を誘い、敵陣ゴール前で専大ボールのスクラムからの連続攻撃でNO8後藤武尊(経営2・東福岡高)のトライと原のゴールを加えて33ー21と12点差を広げる。


  ▲徳久のトライで3度目の逆転に成功


 試合終盤、両チームが得点を取り合う接戦が繰り広げられる。後半35分に自陣で大東大ボールのラインアウトからモールを押し返すことができず、7点差に詰められると、後半39分にはラインアウトからのモールでゴール前に前進され、波状攻撃から試合終了間際に4度目の同点に追い付かれる。

 それでも、白熱した試合はノーサイド直前に勝負が決する。後半40分、後藤のゲインで専大の攻撃を押し上げると、最後はゴール中央付近で佐藤瑛斗が決勝トライ。原のコンバージョンキックも成功し、40ー33でノーサイド。殊勲のトライを決めた佐藤瑛斗は「前半は自分のサイドで複数トライを取られてチームが落ち込んでいたが、最後は絶対に自分がトライを取ってやるという気持ちだった」と振り返った。結果的には4度も同点に追い上げられたが、劇的なトライで専大が逆転勝利を収めた。


  ▲ラストワンプレーから逆転トライを決めた佐藤瑛人(左)に、PRの村中亮太(右)(経済2・松山聖陵高)が駆け寄る


  ▲ノーサイドの後には、両チームが健闘を称えあった


  ▲試合後、大東毅ヘッドコーチとミーティングを行う選手たち



 第1試合を終えて、石倉俊二監督は「最後までしっかり戦い抜いてくれた。去年の1部リーグ優勝チームにしっかりチャレンジしようということが出来て良かった。皆で諦めずに最後まで勝ち切れたことは非常に大きい」と試合を振り返った。

 試合前から気温が高く、選手達の疲労も懸念されたが、「メンバーは沢山いるので、交代まで全力でやろうということだった。最後に交代したメンバーも一生懸命に頑張ってくれたので、特に問題は無かった」と話した。

 この試合はセットプレーからの得点が非常に多く、石倉監督は「スクラムも非常に良く、ラインアウトもそうですけど、やってきている練習の成果が少しずつ出てきている」と、手ごたえを感じていた。

 

 決勝トライを決めた佐藤瑛斗は、「センター陣がしっかり前に出てくれていたので、相手が内に寄ったところでは外でトライを取り切れた。フィジカルのコンタクトで勝てていたことが勝利の要因だと思う。大東大はフィジカルが強いので、皆で前に出てスペースを与えずにタックルすることをチームで話していたので、そこをしっかり体現出来て良かった。最近の試合では負けが続いていたので、この試合で勝てたことは大きいと思う」と試合を振り返った。


 今年度から主将に就任した吉田温広は「暑い状況でもチーム全員がしっかり声を出して鼓舞していた。一週間練習してきた部分などが強みになってきて、そこが試合を通してしっかり出てきたので、このような結果になったと思う。ラインアウトではミスがあったが、例年に比べると春の段階からセットプレーがしっかり出来ている。スタメンの選手だけでは無く、リザーブの選手達もこれから強化していかないといけない。自分達は近年1部に上がれていない中で、上のチームに勝つという経験が出来たことは、とても良い収穫だと思う」と試合を振り返った。

 この試合では逆転勝ちを収めたが、「アップの時にリアクションが悪かった部分があったので、とにかく声を掛け合おうという話をして試合に入った。(自分達の)FWが強い段階の時に、BKの長友順平副将を中心に結構声を掛けてくれていたので、敵陣に入った時にFWがしっかりまとまってセットプレーで点を取れた」と勝利の要因を語った。

 大東大のラグビーに対しては「外国人が居るチームなので、1人では止めることが出来ない選手でも2人3人と人数をかけて、数でしっかり厚みをかけて勝つことを大切にしているので、今現在ではそれが出来ている」と、相手の外国人選手に仕事をさせなかった手ごたえを話した。

  春季オープン戦は残り5試合になったが、「今までは、このまま同点で終わったり、負けてしまうことがあった。『勝ちたい』という強い意志が繋がって、最後まで取り切ることが徐々に出来ているので、このまま春のシーズンも継続していきたい。ラグビーは勝たなければ意味が無いので、最後に東海大に勝って、良い形で(春季オープン戦を)終わりたい。1点でも多く勝ち切ることをテーマにして、これからも春シーズンを戦っていきたい。去年は東海大に勝ったが、そこで満足している部分があるので、試合に勝つだけでは無く、課題をしっかりと見つけられるような試合をしていきたい」と、今後に向けた目標を意気込んだ。


第1試合終了後、続いて第2試合が行われた

 

文、写真=藤林利英(文2)