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2025.06.02
野球

【野球部】キャプテンが決めた! 中野の一打で優勝の望みを繋ぐ

<令和7年度東都大学野球春季リーグ戦=5月29日 等々力球場 専大3-1東農大>


キャプテンの一打が二部優勝の望みを繋いだ。


東農大との第2戦。前の試合で駒大が2連勝で勝ち点を奪い、専大が負ければ駒大に優勝を譲る展開となった。いつも以上に強いプレッシャーがかかる中、初回から2番・吉水真斗(経済3・松商学園高)の四球、3番・松永知大(経済4・創成館高)の右前打で1死一、三塁とチャンスメイクに成功し、4番・ルーキーの和田琉汰がライトフライを放ったが相手のエラーを誘い先制する。

その後は3回裏に同点に追いつかれるものの、走者を二塁まで到達させることができず、8回までスコアボードに0を並べてしまった。

しかし、9回に和田がライトへ二塁打を打ち1死2塁でチャンスを作ると、チームの命運がかかる局面で6番のキャプテン・中野拳志郎(文4・小浜高)が初球の低めのストレートをレフトへはじき返し勝ち越し。専大スタンドからは歓声が沸いた。その後も2死三塁で代打の廣﨑漣(経営2・浜松開誠館高)の左適時打で追加点を得た。


先発の平野大地(経営2・専大松戸高)が自己最速の153キロを計測。4回1失点と力強い投球を見せた。

その後も藤田和揮(経済4・筑陽学園高)、伊東賢生(経済3・千葉黎明高)が7回まで無失点に抑えた。

だが、8回裏に伊藤が相手打線につかまり2死一、二塁のピンチが訪れる。そこで梅澤翔大(経済1・専大松戸高)にスイッチしたが四球を出し満塁になるが、最後は空振り三振を奪い火消しに成功した。最終回も相手に好機を与えずゲームセット。この試合も継投で粘り、勝利を収めた。


この試合を勝利したことでリーグ戦の勝率が駒大と並び、6月6日に等々力球場にて行われるプレーオフで二部リーグの王者が決着する。


▲負ければ優勝を逃してしまう試合でキャプテンの一打が専大に希望を与えた




〇大事な試合で決勝打 「チームの一員として打てたのが良かった」

第5節で駒大が立正大に2連勝したため、同節2連勝がプレーオフ進出への必須条件となった。

緊張感がいつも以上に高まる中、初回に幸先よく1点を先制した。しかし、3回に同点に追いつかれ振り出しに戻ると、8回まで互いに無得点のまま9回を迎えた。


9回表に和田の二塁打で勝ち越しのチャンスを迎えると、キャプテン中野に打順が回り齋藤正直監督と副キャプテンの織茂秀喜(経営4・松商学園高)から声をかけられた。「(齋藤監督からは)『(バットを)短く持ってお前には期待してないから』みたいな気持ちをリラックスさせるようなことを言ってくださり笑顔で送り出してくれて、織茂からは『俺たちのチームだから、お前が凡打でも悲しんだりはしない』みたいな前向きな言葉をかけてくれて思いっきり打席に立てた」と2人の声がけが力になった。

「前の打席でバントを失敗したのでちょっと流れが悪かったが、昨日も打ててなかったので、なんとか最低限ランナーを進める気持ちだった」と打球は遊撃手の横を抜けていき、勝ち越しに成功。「芯で捉えられたが、ショートに取られそうな感じの方向だったので(打球が抜けて)良かった」と安堵した。キャプテンとして重要な試合を自身のバットで勝利に導いたが「別にそんなキャプテンらしいキャプテンでもないので。4年生、(特に)浅田(=浅田光太郎、経済4・國學院栃木高)と織茂とかが中心に作り上げてるチームなので、ベンチでもずっと言われていたが、みんなに背中押された感じだったんで、キャプテンとしてっていうよりかはチームの一員として打てたのが良かった」と話した。


▲勝ち越しを決めた場面を「もう嬉しかったですね。ベンチが盛り上がってくれて」と回想した


▲齋藤監督(左)と織茂(中央)が声をかけ、中野(右)を送り出した


今季は公式戦での登板経験が少ない投手が多い中、捕手として彼らをリードしている。「自分としては去年1年間、経験をさせていただいて、新しいピッチャーとはなるが、ブルペンに同級生の服部(=服部新、文4・花咲徳栄高)と色々話し合って、試合中も服部の方を見ながら、ここは広くとか厳しくとかそういう声を掛け合って。キャッチャー陣が仲良いので、回が終わった後にはベンチに下がって、キャッチャーとピッチャーで話し合って連携が取れている。コミュニケーションが取れている分、バッターを打ち取れることができているんじゃないかなと思う」とここまで継投で粘り勝つことができている要因を明かした。齋藤監督からも「打つどころじゃないと思う、はっきり言って。1回1回どうやってリードしようかなと。去年までだったらブルペンで決まったピッチャーだけ受けてればいいところが、今年の場合はまんべんなく受けなきゃいけない。でもそんな中で自分自身も全体的に目配りしたつもりでも、濃淡が絶対あると思う。試合でも疑心暗鬼なところはかなりあったと思うけれども、ここに来てピッチャーが少し良くなってきたっていうのは、そういうものは一つ一つ積み重なってるのかなと思う。だから讃嘆苦心して前半はリードした」と苦労をねぎらった。


プレーオフでは「いつも応援してくださっているので、恩返しできるように次も頑張る」と応援してくれているファンに向けて意気込んだ。



〇優勝が決まるプレーオフ 繋ぎの打撃で「正々堂々と戦う」

プレーオフでは第1節で勝ち点を奪われた駒大と優勝をかけて戦う。齋藤監督は「向こうはやはり継投で来ると思う。ピッチャーが良いので、そこは我々の繋ぎのバッティングをしていくというか、もう決して小さくならず、うちの持ち味っていうのを最大限活かすということだと思う。持ち味って何かっていうと、やっぱり正々堂々と戦う」と打線の繋がりに期待した。




*コメント*

【梅澤翔大】


▲この試合も苦しい場面で力投した


―――8回表、2死1、2塁の場面で登板した

「終盤での登板だったので、何とか自分が0に抑えることができたのは良かったです。内容よりは結果を重視していたので、結果的に0で抑えることができて良かったです。ストライクでカウントを取れたところと、真っすぐで空振りを取れたところは、試合に勝った要因だと思っています」


―――四球を出してしまい満塁となったが

「(ストライクゾーンから大きく)外れたボール球というわけではなくコースに決まったボール球だったので、そこは修正できる部分だと感じていたので、焦りは無かったです」


―――ピンチの場面を無失点で抑えた

「緊張していた部分もあったので、とりあえずホッとしました」


―――プレーオフに向けて

「次、勝たないと入替戦に出れないので、次の試合も勝ちたいです」




【廣﨑漣】

▲9回に勝ち越した直後に代打で追加点を決めた


―――9回に適時打で追加点を奪った

「実際そんな良い当たりではなかったんですけど、チャンスで汚い形でも1点入ったので良かったなと思います」


―――9回表の相手投手が交代した後に代打で出場したが、準備はできたのか

「準備はしてなくて、急に行くよって言われた感じです」


―――心の準備もあまりできていなかった

「守備からって言われていたので、守備の準備をしていたら代打でいくよと」


―――プレーオフに向けて

「勝つしかないので。勝つために、8日間練習して全員で勝ちたいと思います」




文=門前咲良(文3)

写真=門前、知地泰雅(文3)