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5月12日、日本武道館にて第59回関東学生剣道選手権大会が行われた。専大からも総勢8名の選手が出場し、黒木総(経済4・福岡第一高)、大髙洋平(経営2・高輪高)、佐藤賢也(経済2・明徳義塾高)の3名が7月の第61回全日本学生剣道選手権大会への出場を決めた。
485名が出場した今大会では、ベスト32に勝ち残った32名と全日本出場決定戦を勝ち抜いた24名、合計56名の選手が全日本への切符を得ることができる。専大から出場の8名は、それぞれがトーナメントの別ブロックから5回戦進出を目指した。
圧巻だったのは第1ブロック。昨年12月の新人戦でも活躍した、2年生コンビの躍動だ。開会直後の第1試合に勝利した佐藤は、勢いそのままに続く2、3、4回戦も勝利した。一方の大髙は、中々決着のつかない長い延長戦もありながら、それを乗り越えて勝ち上がり、5回戦進出を決めた。5回戦は互いに惜しくも敗れたが、全日本へ向けて自信をつけることができただろう。
今大会の主役はもう一人いる。第4ブロックで戦っていた4年生の黒木だ。黒木は安定した試合運びで順調に勝ち進む。楽な戦いはなかったが、一つずつ確実に勝ち進んでいった。そして迎えた4回戦。ここで勝利をすれば全日本への出場が決まる大一番ということもあり、どちらも一歩も引かない緊迫した試合が続いた。多くの観客が見つめる中、粘り勝ったのは相手だった。相手の振った竹刀が、無情にも黒木のメンを捉える。悔しい一本敗けだった。
しかし、落ち込んでいる暇はない。すぐ後には全日本出場決定戦が控えていた。全日本出場決定戦では、同じく4回戦で敗れた選手と戦い、勝利すれば全日本への出場が認められる。黒木にとっては最後のチャンスだった。最後の24枠を目指して試合に挑む黒木だったが、前の試合で敗れた影響があったのか、初戦はあと一歩のところで落としてしまう。これで、本当に後がなくなった。次の試合で負ければ全日本への夢は潰えてしまう。
泣いても笑っても最後の一戦に、黒木は驚異的な集中力を見せる。息をつく暇さえない互角の戦いの中、一分の隙も見せなかった。そしてついに、黒木の渾身のツキが決まり、黒木は全日本出場の最後の1枠を執念で掴みとった。
今大会で、専大の選手たちは関東のライバルたちにも負けない逞しさを見せてくれた。その中でも特に素晴らしかったのが全日本への出場を決めた3人だろう。惜しくも出場が叶わなかった他の仲間たちのためにも、彼らは次なる全日本という舞台で更に成長した姿を見せてくれるに違いない。
以下は選手のコメント
佐藤選手
「(自分は)2年生なので、思い切ってやろうと思っていた。まだ技術も未熟なので、これから全日本までに技術もメンタルも向上させて、全日本でもしっかり戦いたい」
《試合結果》
黒木総(経済4・福岡第一高)→4回戦敗退→全日本出場決定戦で勝利【全日本出場】
吉田育弘(法4・水戸葵陵高)→1回戦敗退
岩根正尚(経済4・専大玉名高)→1回戦敗退
赤池剛志(商3・明徳義塾高)→2回戦敗退
東海林俊樹(法3・桐蔭学園高)→1回戦敗退
西條大地(法3・東海大四高)→1回戦敗退
大髙洋平(経営2・高輪高)→5回戦敗退【全日本出場】
佐藤賢也(経済2・明徳義塾高)→5回戦敗退【全日本出場】
(安江 祐輔・経済2)