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12月9日、東京武道館にて第58回関東学生剣道新人戦大会が行われた。1、2年生のみの新チームで臨んだ今大会、怒涛の快進撃を見せた専大は見事に3位入賞を果たした。
専大の最初の対戦相手は2回戦で当たった玉川大。大事な初戦ということで、勢いをつけたい専大は気合の入った戦いを繰り広げる。先鋒が引き分けた後の次鋒の古井海修(法1・秋田南高)と五将の大高洋平(経営1・高輪高)の試合は圧巻だった。間を空けずに激しい打ち込みを繰り返し、2人揃ってあっという間に2本勝ちを収めた。その後の中堅、志賀桃史郎(経済1・福岡大附大濠高)は相手に先に1本取られてしまうが流れは渡さない。すぐさまメンを2本取り返しての逆転勝ち。さらに三将の佐藤賢也(経済1・明徳義塾高)、大将の赤池剛志(商2・明徳義塾高)もしっかりと勝利し、5-1で初戦を飾った。
続く3回戦の防衛大戦でも、専大が圧倒的な強さを見せつける。先鋒の普天間太研(法1・興南高)の勝利を皮切りに、相手に1本も取られることなく5-0のストレート勝ちで4回戦進出を決めた。ここから先はベスト16ということで相手のレベルも高くなり、連戦が続くので厳しい戦いとなるが、専大の選手たちは高い集中力を維持して戦い続けた。
4回戦の相手は日体大。この試合、専大は初めての追う展開となった。先鋒が1本負けの後、次鋒は引き分けと嫌な流れが続いてしまう。この悪い流れを断ち切ったのは五将の大高だった。相手の勢いに呑まれず、見事なコテとメンの2本勝ち。その後の副将の東海林俊樹(法2・桐蔭学園高)も2本勝ちで、専大は堂々たる逆転勝ちを収めた。最終スコアは2-1だった。
準々決勝で専大とベスト4入りを争ったのは國學院大であった。4回戦では慶大も破っている強豪だったが、専大は互角の戦いを展開する。先鋒は負けてしまうも、続く次鋒の古井の2本勝ちですぐさま追いつく。すると、五将、中堅の引き分けの後の三将、佐藤が2本勝ちで逆転。しかし、國學院大もこのまま簡単に引き下がってはくれない。副将戦では一進一退の攻防の末に、メンを1本決めていた國學院大に軍配が上がり、同点とされてしまう。だが、勝敗を託された大将の赤池は落ち着いていた。引き分けだった場合は取得本数の差で専大の勝利になるということもあり、余裕を持って試合に臨めていた。もはや貫録さえ感じられるような戦いを繰り広げ、冷静に奪ったコテが決め手となり、この接戦を3-2でなんとかものにした。
國學院大に競り勝った専大はついにベスト4まで上り詰め、いよいよ準決勝へと駒を進めた。決勝進出を目指す専大の前に立ちはだかったのは、筑波大を破ってきた法大。あと1つ勝てば念願の決勝進出となるのだが、そのあと1つの壁は厚かった。試合が始まって早々、先鋒と次鋒は連続で2本負けを喫してしまう。3連敗を避けるためには絶対に負けられない五将戦。気合を入れて臨んだ大高だったが、中々先手を取ることができない。そして、互いに同時に打ち込んだ時、ついに3人の審判の旗が上がった。しかし、専大にも1人上げてはいたものの、2人は法大に上げていたために相手の1本が認められてしまった。だが、ここで諦めるわけにはいかない。そう言うかのように、大高は試合再開されるとすぐにメンを取り返し、なんとか3連敗は免れた。
それでも法大のペースで試合が進んでいることは変わらず、専大は中堅戦も落としてしまう。この時点でスコアは0-3。専大は残りの3試合を全て勝たなくてはならないという窮地に立たされてしまっていた。負けたら敗北の決まる、プレッシャーのかかる場面で出てきたのは三将の佐藤。佐藤は、ここまで相手に1本も取られていないという好調ぶりをここでも発揮する。逆境に立たされているとは思えない落ち着いた試合運びで見事なメンの2本勝ちを収め、勝利への望みをつないだ。ここから一気に反撃したい専大だったが、勢いに乗って畳みかけることはできなかった。まるで引導を渡されるかのように、副将戦ではあえなく2本負けを喫し、専大の決勝進出の可能性は絶たれた。大将の赤池はメンの1本勝ちで最後に意地を見せたが、2-4で惜しくも敗れた専大は決勝戦に駒を進めることはできなかった。
決勝進出こそ果たせなかったものの、選手たちは最高のパフォーマンスを見せて3位という素晴らしい結果を残すことができた。最後は法大に差を見せつけられてしまったが、それを悲観する必要はない。今回の敗戦で自分たちの目指す場所や課題が明確になっただろうし、選手たちもこの敗戦を前向きに捉えているだろうと思う。来年は頼もしかった4年生が抜けてしまうが、今大会の経験を糧に、今まで以上の成績を残せるよう頑張ってほしい。私はそれを応援し、しっかりと見届けたいと思っている。
以下は選手のコメント
古井選手
「大学に入ってから初めての試合だったので緊張していた。しかし、やってやるという気持ちもあったし、楽しかった。その新鮮さが勝因の一つだったと思う。自分のポジションは次鋒だったので、先鋒が負けた時は自分が絶対返すという気持ちだった。そして、後にいる2年生につなごうと思っていた」
「(今後は)まだ1年生なので強い先輩に届くように、また、他大学に勝てるようにやっていきたい。1回の練習にかける想いを強くし、1回の練習を大切にしたい。まだ若いチームなので、4年の全国大会で優勝できるように頑張りたい」
(安江 祐輔・経済1)