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〈天皇杯 第73回全日本相撲選手権大会 12月1日=両国国技館〉
アマチュア相撲の頂点を決める天皇杯・全日本相撲選手権大会(以下天皇杯)が12月1日に開催された。専大からは、アリユンエルデネ・スフバット(商4・鳥取城北高)が出場。予選を勝ち抜き決勝トーナメントに進むも、初戦敗退を喫した。また、専大相撲部OBの牧園慶悟選手も鹿児島県の代表として出場したが、予選で敗退した。
▲予選で2勝し、決勝トーナメントに駒を進めたスフバット
天皇杯は予選で取り組みを3回行い、2勝以上した選手が決勝トーナメントに進む。その後、予選通過者の中で抽選が行われ、トーナメントが組まれる。スフバットは予選1回戦に、鹿児島県の岩下琳晋選手と対戦。体格の大きい相手に対し、粘りを見せ寄り切りにて勝利した。予選1回戦を振り返り「初めて立ち会う選手であったが、ああいう(大型の)選手が得意なので勝てる自信があった」と胸を張った。立ち会い後に自分の形を作り、投げる戦術が得意なエースは作戦通りの取り組みを見せた。
予選2回戦は、金沢学院大の大森康弘選手と対戦するも惜しくも敗退した。高校時代からの友人だと言い、高校最後の大会で敗戦した相手であったことを明かした。「勝ちたい気持ちはあったが、怪我をしないことを優先に勝負した」と振り返った。
決勝トーナメント進出をかけた予選3回戦は、日体大の山崎柊選手に叩き込みにて勝利した。「2回目は負けているのでここは勝てると思って強い気持ちで勝負した」と相手を寄せ付けない強さを見せた。
▲土俵入りしたスフバット
▲昨年王者に果敢に立ち向かったスフバット
決勝トーナメントに駒を進めたスフバットは昨年の優勝者であるソディックの池田俊選手に立ち向かうも、寄り切りにて敗戦した。スフバットは「勝ちたいという気持ちで、負ける気がしなかった。最終的には勝っても負けても楽しくやろうと思った」と強い気持ちで試合に臨んだ。しかし、昨年王者で今大会も優勝した池田選手に意地を見せつけられた。「最初は自分が抑えることができたが、最後にまわしを掴まれ、思い通りに行かなかった。やっぱりチャンピオンはチャンピオン」と悔しさを滲ませた。蒲田勝太監督は「試合の出場回数も踏んできているので精神的に安定していた。4年間の集大成で、最後は少し残念であったが、力を出し切れたと思う。一生懸命やった結果なので褒めてあげたい」と4年生を労った。
4年間部を引っ張ってきた主将は大学相撲に終止符を打つこととなり、「大相撲に行きたい。そこで関取を目指していく」と今後を見据えた。
▲天皇杯初出場を果たした牧園選手
▲予選3回戦で押し出しにて勝利した牧園選手
なお、専大OBで鹿児島県の牧園慶悟選手も出場。SAGA2024国スポの団体戦で2位に輝いた成績が評価され、初出場を果たした。予選1回戦、2回戦は敗退するも、3回戦は白星を上げた。試合を振り返り、牧園選手は「名誉ある大会なので何とか1勝はしたかった。予選3回戦は切り替えて楽しみながら戦えた」と振り返った。
文・写真=中島胡春(ネット2)