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〈第77回秩父宮賜杯全日本バレーボール大学男子選手権大会=11月28日 東京体育館 専大3-2中大〉
ベスト16へと駒を進めた専大は、春季リーグ・東日本インカレ王者・中大と対戦した。試合は序盤から専大が主導権を握り、甲斐優斗(経営3・日南振徳高)を中心に次々と攻撃を仕掛け得点を量産していった。勢いそのままに2連続でセットを獲得。しかし、第3セットに入ると中大の鋭い攻撃に苦しみ、流れに乗ることができず、2連続でセットを落としてしまう。セットカウント2-2で迎えた第5セットは中大の強力なスパイクに苦戦しながらも、甲斐とキャプテンの竹内慶多(経済4・啓新高)が気合いのサービスエースを決め、徐々に差を埋め逆転に成功。試合はデュースまでもつれ、接戦を制した専大がセットカウント3-2で勝利、ベスト8進出を果たした。
▲試合後、喜び合う選手たち
第1セットスターティングメンバー
OH:#1竹内、#7甲斐
MB:#2堺、#8千葉
OP:#11堀内
S:#5井出
L:#13水野
第1セットは、序盤から甲斐や堀内大志(文3・日南振徳高)のアタックが冴え、次々と得点を量産していく。その後も井出のサーブから相手を崩し、甲斐が得点を決めるなど巧みなボールさばきで相手のミスを誘い点差を付ける。終始専大のペースで試合が進み、勢いそのままに25-21で第1セットを先取した。
▲スパイクを打つ堀内
流れに乗った専大は第2セット、水野永登(商3・岡谷工高)の好レシーブから甲斐がスパイクを決めるなどつなぎのバレーを見せる。その後も中大の強力なアタックを竹内がレシーブで受け、甲斐が得点に繋げる。勢いは衰えることなく25-19で第2セットも獲得した。
▲スパイクを打つ甲斐。
第3セットに入ると王者中大の猛攻が始まる。序盤から中大の強烈なスパイクに苦戦し、徐々にリードを許してしまう。嫌な流れを断ち切りたい専大は、堺爽人(文4・佐賀工高)がサーブで相手を崩すと甲斐が得点に繋げ、その後も果敢に攻めた。また、この試合では専大のブロックが光り、中大の威力のあるスパイクを止める場面が多く見られた。長いラリーも続いたが水野の好レシーブからのつなぎのバレーで制した。しかし、相手の猛攻はその後も続き、流れを取り戻すことができないまま22-25で第3セットを落としてしまう。
▲ブロックをする堺と井出
流れに乗りたい専大は第4セット、序盤から中大の鋭い攻撃に苦戦し5連続失点を許してしまう。相手のブロックの精度も上がり攻撃が次々と止められてしまう。そこで千葉貫世(経済3・東北高)に代わって新居良太(経済2・開智高)が投入された。新居のクイックが決まると、その後も竹内、堺の4年生コンビが次々とスパイクを決め、徐々に点差を埋めていく。1点差まで縮めたものの23-25で惜しくも第4セットを落としてしまう。竹内は2点差に縮められたことについて「初戦も同じで、差が開いてそこからつめれたので、それもあり、いけるという気持ちが大きかったので全員サーブとかしっかり攻めきれて追いつけたのかなと思う」と振り返った。
▲スパイクを決める堺
勝負の第5セット、序盤から中大の攻撃が続き、焦りからミスが少しずつ増え、徐々に点差をつけられてしまう。甲斐が気合いの込もったスパイクで魅せ、相手に傾き掛かった流れを取り戻す。12-13の1点差で迎えた場面、キャプテンの竹内が気持ちの込もったサービスエースでチームを窮地から救い同点に追いつく。試合はデュース戦にまでもつれ、攻防を制した専大が2点差をつけ、18-16で第5セットを獲得。セットカウント3-2で勝利し、ベスト8入りを決めた。竹内は、5セット目の自身のサーブについて「ベンチの人からも攻めだ攻めだっていうのは聞こえてて、4年生なのでやってやろうと思いっきり打った」と振り返った。また、デュースの場面でのコート内の熱量について「熱くなり過ぎてた部分もあったが、周りの人がみんな冷静でいてくれて、つなぎであったり最後優斗に託すという意志はみんな持っていたので、そこでしっかりつないで決めきってくれたというのが本当に大きかった」と明かした。
▲サーブを打つ竹内。サービスエースでチームを勢いづけた
試合後、竹内は「みんな気持ちが入っててプレーも固さも乱れず攻めきった結果勝てたのですごく良かったなと思う」と振り返った。レシーブ面については、「ディフェンスは常に自分と水野で頑張ろうっていうのはあって、タイム明けだったりのタイミングも絶対水野には声かけるようにしているので、そこで僕と水野がしっかり我慢できたのが今回は大きかったのかなと思う」と語った。
▲レシーブする水野
次戦の相手は昨年度準優勝の順大。
次戦に向けて、竹内は「秋季リーグとかもあまり自分が万全ではなく、自分のところからやられてしまったっていうのもあり、そのリベンジで今は状態も良く、しっかりやり切って勝てる自信はあるので攻めていきたい」と意気込んだ。
文=平野百々花(人間科学1)
写真=山中美琴(文2)