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2024年度 関東大学サッカーリーグ戦 2部参入プレーオフ決定戦
2部参入プレーオフ決定戦 VS山梨学院大学サッカー部(2部リーグ10位)
11月23日(土) 14:00Kickoff
@千葉県総合スポーツセンター 東総運動場(千葉県旭市)
専大 1–1 山学大
得点者 専大 伊澤
山学大 金津
2部参入プレーオフ決定戦は山梨学院大学と対戦し、1-1の引き分けに終わった。リーグ戦を5連勝で終えて勢いに乗る専大だったが、前半は得意の両サイドからの仕掛けが相手の硬い守備に封じられ、攻撃のリズムを作り出せずにスコアレスで試合を折り返す。後半は選手や布陣を変えながら攻勢を強めたものの、クリアミスから痛恨の失点を献上。終盤に伊澤の得点で同点に追い付くが、逆転弾を奪うまでには至らずに試合は終了した。この結果、2部昇格を逃し、来季も3部リーグを戦うことが決まった。
▲試合終了のホイッスルとともにピッチに倒れ込む選手達
〈試合前情報〉
直近のリーグ戦からのスタメン変更は3名。藤井、南、河野が外れ、渡邊、松本、佐藤が入る。
以下、スターティングメンバー(4-2-3-1)
GK 21 上林 真斗 (法2・昌平高)
DF 20 岡田 海人 (法2・浜松開誠館高) 後半36分 OUT
DF 23 橋本 清太郎 (文3・流通経済大柏高)
DF 5 松村 厳 (法4・松商学園高)
DF 4 志村 ぼん (経済2・韮崎高)
MF 6 渡邊 弘和 (経済4・仙台育英高) 後半39分 OUT
MF 14 棟方 豪郎 (経済4・昌平高) 後半24分 OUT
MF 10 山下 晶大 (経営4・専大松戸高) 後半31分 OUT
MF 27 佐藤 漣 (法1・成立学園高) 後半11分 OUT
MF 19 松本 皐誠 (商3・東海学園高) 後半0分 OUT
FW 29 道白 優斗 (文1・流通経済大柏高)
途中出場
MF 11 山本 隼大 (経済4・名古屋高) 後半0分 IN
MF 7 河野 修和 (文3・甲府昭和高) 後半11分 IN
MF 13 増田 幸弥 (商3・星槎国際高)後半24分 IN
FW 9 伊澤 壮平 (人間科学3・浦和南高) 後半31分 IN
MF 8 藤井 瑛斗 (商4・大津高) 後半39分 IN
〈試合展開〉
リーグ戦を5連勝で終えて勢いに乗る専大は、前半5分に敵陣中央で道白が倒されてFKを得ると、志村がボールをずらして山下が右足を振り抜く。しかし、このボールは枠の右へ外れてしまう。その後はボールを握る時間帯もあったが、思うように専大のストロングポイントである両サイドを突破できず、膠着状態に。東大樹監督から「テンポ良く(ボールを回そう)」という指示が飛ぶと、前半38分には細かいパスワークから相手ゴールに迫る。棟方からパスを受けた道白がペナルティエリア手前で再び棟方へボールを送り、左足でシュートを放つも、わずかに枠の左に外れてスコアレスで試合を折り返す。
▲道白とのコンビネーションから棟方がシュートを放つも、枠を捉えられない
先制点が欲しい専大はハーフタイム明けに、大学では5月以来の出場となる山本を投入。「高さや力強さを期待(東監督)」されてピッチに送り込まれた山本が早速、右サイドから強引に仕掛けるが、シュートまでは至らない。早めに攻撃のカードを切った専大だったが、前半同様に攻めあぐねる時間が続くと、徐々に山学大のペースに。後半22分には山学大にクリアミスを拾われてペナルティエリア内に進入を許し、シュートを放たれると、このボールがゴール左隅に吸い込まれて痛恨の失点を喫してしまう。
▲水戸ホーリーホックに帯同していた山本は久しぶりの出場
▲失点後、チームを鼓舞する松村
昇格に向けて2得点が必要となった専大は、フォーメーションを4-1-4-1気味に変更して攻勢を強めるが、薄くなった中盤を起点に山学大のカウンターを浴びる形が増えてしまう。それでも、後半44分に山本からのパスを受けた途中出場の藤井がペナルティエリア手前の中央からミドルシュートを放つ。相手GKにセーブされたものの、こぼれ球に素早く反応した道白がペナルティエリア左のゴールライン際から柔らかいクロスを送ると、ゴール前でフリーになっていた途中出場の伊澤が頭で押し込み、土壇場でネットを揺らす。
▲ヘディングシュートを放つ伊澤
逆転ゴールを狙う専大だったが、その焦りからかパスミスを連発してしまう。最終盤にはセンターバックの橋本を前線へ上げてパワープレーに出ると、その流れから増田がペナルティアーク付近から左足でシュートを放つが、GKに阻まれて試合終了。1-1のドロー決着となり、レギュレーションにより来季も3部を戦うこととなった。
▲90分間、全力を尽くしてピッチに倒れ込む選手達
試合後、東監督は「前半から勝ちに行く前提でガンガン点を取りに行った。後半始まって不用意なクリアミスから失点した中で、やることは変えずにスタイルを体現して点を取ってくれた。最後は時間が足りなくて崩しきれなかったが、選手達はひたむきに良く頑張ってくれた」と語った。
1年間、主将としてチームを引っ張ってきた松村は「1年間、2部昇格を目指してきて、結局ゴール前の部分だったり、1つの精度や1つの強度が足りなかった。もっとやれることがあったんじゃないかなと思う」と時折、言葉を詰まらせながら振り返った。
昨年、一昨年と参入戦で2部昇格を逃し、苦杯をなめてきた専大。またしても参入戦で勝ち切れず、”3度目の正直”とはならなかった。2011年から1部リーグ4連覇を成し遂げた名門サッカー部は来季も3部リーグを戦う。再び『強い専修』を取り戻すため、細部にこだわり、来季こそ優勝・自動昇格、そしてピッチ内外での更なる成長が求められている。
▲新体制で迎えた今季も2部へ戻ることはできなかった
試合後、インタビュー
松村厳 主将
試合を振り返って
「先に失点しちゃいけない試合で、先制されて苦しい状況になってしまった。こういう絶対に勝たなければいけない試合で、スコアの部分がメンタル面にすごく影響して、上手くゲーム運びができなかった」
同期の4年生について
「4年間自分達は勝てなくて。1年の時は2部から降格して2年も3年も勝てなくて、今年こそはと意気込んでいたが、結局3部でも優勝できなくてブレちゃった。ずっとサッカーしてきて(今日が)サッカー最後のやつもいて、続けるやつもいて、最後のゲームも勝てなくて。たくさん勝って喜んでもっと一緒にやりたかった」
後輩に向けて
「サッカーの部分ももちろんそうだし、サッカー以外の準備の部分だったり、ケアの部分だったり、トレーニングだったりはやりすぎて損はないというか、みんなやらなきゃいけないことはわかっていると思う。サッカーもサッカーじゃない部分もみんなで頑張ってほしい」
プロへの意気込み
「学生の間にこれだけいろんな経験することってないと思うし、勝てなかった時に必要なことは頭でわかっているつもり。これから先もっと厳しい世界に入るが、このチームで学んだことだったり、このチームで経験したこと、キャプテンとして経験できたこと、専修大学を卒業してプロに行くということを誇りに思って、チームメイトに感謝して活躍がみんなの耳に届くように頑張りたい」
伊澤壮平
得点を振り返って
「自分が入った時に点を取られていて、もう点を取るしかなかったので、得点を取ることだけは考えて入ってゴールを取れたのは良かったが、結果につながらず残念」
2年連続のプレーオフとなったが
「4年生のおかげでここまで来られた。やっぱり感謝しかない。最後、4年生と昇格したかった。来年は昇格できるように頑張りたい」
東大樹監督
ハーフタイム明けに山本を投入した意図は
「プレースタイルのところで、前半で出た松本のところとまた違うタイプを入れて、相手をちょっと混乱させつつ、山本の高さだったり、力強さというところに期待して、やっぱり点を取らなきゃいけないので、うちはもう早めにカード切って勝負を仕掛けに行った」
得点を奪った伊澤について
「本人の調子が悪いからベンチというわけではなくて、本当に切り札として使っていこうという中での得点だったので、ポジションの取り方だったり、チームとしてのやってほしいことに対してひたむきにやってくれたので、すごく良かったと思う」
試合後のミーティングで掛けた言葉は
「まずは、4年生お疲れ様というところと本当に今年色々あった中で、4年生中心に頑張ってくれた。選手筆頭に頑張ってくれたところがすごく多かったから、今ここまで来られているといった話をさせてもらって、感謝の気持ちでいっぱいで、ありがとうという話を。そんな中で勝ち切れなかったのは、あくまで僕個人の持ってき方の問題だったし、選手達は本当にやるべきことやってくれた中で点が取りきれなかっただけなので。その中で言うと、僕の作り方のところだったり、持っていき方がまだまだ経験不足や力不足だったので、そこのところを謝りつつ、一緒にやれてよかったという思いが僕自身も強いので、その話をさせてもらった」
文=竹田一爽(文3)写真=竹田、藤林利英(文1)