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〈令和6年度・第1回世田谷陸上競技会 =4月6日 大蔵運動公園陸上競技場 〉
専大は今季最初のトラックレースに臨み、新1年生を含む19名が出場。上級生は自己ベスト更新がわずか1名にとどまり、主力選手の明暗が分かれる結果になった。大学初レースを迎えた新入生の大半は3000mに出走し、それぞれが合格点の走りを披露した。
▲5000m最終組で1年ぶりのトラックレースに復活した大西
5000mの2組目と最終組には新2年生となる具志堅一斗(経営2・コザ)と大西裕翔(文2・京都外大西)がそれぞれ専大陣のトップでフィニッシュ。2年目の進化を誓った力走を見せた。
〇昨年から成長実感の具志堅 今季も好調維持へ
2年目を迎える男が成長を実感した。具志堅が同組の専大勢ではトップ、自己記録へ1秒に迫る14:25”39でフィニッシュ。「4000mまではしっかりついて対応できたことは良かった。後半の落ち幅もこれまでより抑えられた」と納得の表情で振り返った。入部から大きな故障もなく、練習を継続している具志堅。今年に入ってからも大阪ハーフマラソン、宮古島駅伝、日本学生ハーフと毎月長距離を踏んでおり、「1年前の自分よりけっこう成長していると感じる。このまま推し進めていけば、予選会で戦える戦力になれると思う」と期待を高ぶらせた。まずは月末の10000m、来月の関東インカレのハーフマラソン部門で好記録を狙い、前半戦の波に乗っていく。
▲具志堅は最後まで先頭集団に食らいつき、成長をみせた
〇大西が約1年ぶりのトラックレース 今季に賭ける想い
期待を背に受けて専大の門を叩いてから、あっという間に1年が経った。大西は自己記録に3秒届かない14:06”38をマークし、専大陣のトップで完走。「先月くらいからのポイント練習をしっかりできて、良い感触はあった。ベストに近いタイムが出たのは良かった」と前向きだった。トラックでのレースとなると、実は昨年6月に出場した「U20日本学生陸上競技選手権大会・5000mの部」以来。「本当に久々のトラック。去年は故障とかでほぼレースに出られなかったので反省の多い1年だった」と今季は結果を残す想いは強い。今日の結果で来月の関東インカレの標準記録を突破する目標を果たした新2年生。「関カレも全日本駅伝予選も、出ることがゴールではなく、上位に入って結果を出せるように。そのために、継続的に練習を積んで距離をためたい」と力を込めた。期待の星が今年こそ、チームに欠かせない存在になる。
▲今年は好結果でチームの主役になると燃えている
一方で、主力として期待のかかる藁科健斗(経営3・横浜)や上山詩樹(経済2・敦賀気比)は思うような結果を残せず、歯がゆさが残ることとなった。
〇新年から不良状態続く藁科 今は辛抱強く耐える
昨年ブレークを果たし、副主将に就いた男がもがいている。藁科は今年2月の丸亀ハーフマラソンや先月の学生ハーフで自己記録になかなか近づけない状態が続いており、今回も思い通りのフィニッシュを果たせなかった。「今年に入ってから上手くいってないなって。練習の段階からイメージと実際の動きが違う感じがしている」と要因を分析する。さらに、昨年12月末にインフルエンザを疾患、1月は貧血になったことを明かした。少なからず身体へのダメージがあり、調整の難しさを感じている。「何かしらのきっかけがあれば、調子を上げていけると思う」と焦りは見せない。あと1か月に迫った関東インカレの出場はほぼ確定しており、そこに向かって練習を積んでいく。新3年生はいま、辛抱するべき時を迎えている。
▲苦しいレースが続く藁科。きっかけを掴んで調子を上向かせたい
レース後、長谷川淳監督は「1年生はよく頑張ったと思う。自己ベストに近い走りができた選手が多い」と評価しつつ、「上級生は練習で上手くできて結果が出る選手とそうでない選手がいる。そこがちょっと心配」と主力陣に奮起を促した。
▲監督が練習と試合での差が出てしまう選手の一例として挙げた上山。今日は中盤から離される苦しいレースだった
本日出走したメンバー以外を含め、月末の5000m、10000mの記録会に照準を合わせる専大。来月行われる関東インカレ、全日本大学選手権に弾みをつける重要なポイントとなる。
▽新入生でトップの記録をマークした中西慶士郎(経営1・比叡山)
「大学入って初めてのレースで、ラスト1周の洗礼を受けた。高校はラスト1周を60秒で行く人はいない。大学では後半でいかに60秒から上げられるかが勝てる術だと感じた。自分は残り900mくらいから出て利用されてしまったので、出るタイミングも大事だと思った。
今年は年間通してケガをしない身体作りをテーマにしている。夏合宿を経て、Aチームに合流できればいいなと。
周りの1年生はみんなすごい。特に坂元(=坂元南紬太、(経営1・洛北))、佐藤 (=佐藤恵伍、文1・自由ヶ丘))はジョグからスピードが違う。今日は一緒に走って勝てたので良かった」。
▲中西(23番)は新入生でトップの記録を出した
▲ラストスパートでは佐藤(手前)、坂元(奥)を引き離しフィニッシュ。「専大1位を目指していたので良かった」と喜んだ
▽1年生で唯一の5000mに出場した水津智哉(経済1・今治北)
「自分は3000mのU20の全日本選手権の出場資格のタイムを持っているので、今日は5000mに出た。6月に(大会が新潟県で)あるので出ようと思っている。
走ってみて、3000m以降がめちゃくちゃきつかった。長い距離に慣れていかないといけないので、しっかり縮めていきたいと思う。次は月末の日体大記録会。5000mにまた出るので、30秒ほど伸ばせるようにしたい」。
▲1年生で唯一、5000mに出場した水津
文・写真=河上 明来海(文4)