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今年で創部100周年を迎える野球部の春季リーグ戦がまもなく開幕。悲願の1部昇格に向けて、チームの命運を握る男たちの声をお届けする。第6回目は松永知大(経済3・創成館)。昨年は春先から出番を重ねると年間を通して左翼の定位置を獲得。チーム屈指のパワーとスピードで今季の打線の核を担う活躍が期待される。 (※インタビューは春季キャンプ中(2月)に行いました)
「全てにおいてチームに貢献したい」 打線のキーマン・松永知大
▲今季の打線のカギを握る松永
〇存在感をアピールした1年
パワーとスピードを兼ね備えた左の好打者が今季の専大打線の鍵を握る。松永知大(経済3・創成館)は2年目を迎えた昨季、春先から頭角を現すと上位打順を任され、年間を通じて左翼のレギュラーに定着。2部リーグ内最多の年間6本の三塁打をマークしたほか、春季リーグ戦では本塁打を放った。
▲リーグ内でトップの三塁打数をマーク。持ち味のスピードとパワーを活かした結果だ。
それでも、自己評価は「(100点中)30点くらいかなと。まだまだこんなもんじゃないなって思っている」と満足からはほど遠かった。1年間試合に出ることで課題となったのがチャンス場面での打席。「ムキになって凡退が多かった。力んでしまって自分で自爆するみたいな感じが多かった」とここぞの場面での平常心が欠けていたことを振り返る。
▲レギュラーを確約したが、反省点が多かったと振り返る
〇覚醒のきっかけ
出番を増やすきっかけになったのは、2023年の年明け。前年秋まで三振が多く、冬に「どうにかしないとなって思った」と危機感を感じた。自ら試行錯誤を繰り返したことに加え、齋藤正直監督にも多くの指導を仰いだという。そして迎えた年明け1発目のオープン戦。「なんかきっかけを掴んだ」とホームランを放ち、これが指揮官の目に留まって出場機会を重ねるようになった。
そんな松永は入部以降、最も影響を受けた人物に齋藤監督を挙げた。「もういろんなところから引き出しを出そうとするので。こういう練習もあるのだという気づきがあった」と話す。数種類のティーバッティングや素振り、 考え方を伝授され、自らの打撃スタイルを磨きかけた。
▲齋藤監督(奥)は同じ左打者として尊敬する人物。高校1年生の時から誘われていたという
〇小さなパワーヒッター
身長は175センチと上背は高くないが、チーム内ではトップレベルの長打力を誇る左打者。松永は「投球の軌道に乗せるスイング」が特徴的で、ボールとバットの接地時間が長い。そのため抜群の飛距離を誇るのだが、きっかけは小学生時代に養われた。「ずっとお父さんとロングティーをやっていて。それで飛ばす感覚っていうのを覚えた」という。さらに「スイングスピードの速さやパンチ力へ意識を持っている」と素振りやトレーニングに励み、ボールに伝える強さを鍛えている。
▲上背はあまりなくとも、チーム内では屈指の長打力を誇る。「イメージは左手で球をパンチする感じ」。
〇今季の目標
今季は昨シーズン、年間を通して出場機会を重ねた経験をチームに還元する覚悟だ。「リーグ戦の緊張感とか、 どういうプレーが勝敗を分けるきっかけになるとかはだいぶ経験した。そういうところをベンチやグランドで伝えていくことが自分の役目だと思う」と力強く語った。 さらに、「気合いを入れて試合に入っていくことがやっぱり1番大事。勝つためにしっかりバッティング、守備、走塁の全てにおいて、貢献できるようにやっていきたい」とチームの勝利を第一に、懸命に役割を果たす意気だ。
▲今季のオープン戦ではさっそく第一号。キャリアハイを目指し、まい進する。
味わった経験を糧に2度目のリーグ戦で進化を示せるか。左の長距離砲は全身全霊でチームの勝利に貢献し、飛躍のシーズンにする。
文=河上明来海(文4)
写真=高橋尚之さん(令6・経営卒)、河上