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今年で創部100周年を迎える野球部の春季リーグ戦がまもなく開幕。悲願の1部昇格に向けて、チームの命運を握る男たちの声をお届けする。第7回目は黒沼優太(経済4・山形南)。3年間マネージャーとしてチームを支えてきた男が、新チームから主務を務める。「創部100周年という節目のときに上がれれば最高の形だし、これ以上ないチャンス。上の景色が見たい」と一部昇格に向けて燃えている。 (※インタビューは春季キャンプ中(2月)に行いました)
「上の景色が見たい」 今季から主務担う黒沼優太
▲今季から新主務を担う黒沼
〇旧チームからの変革
新チームが発足してから3ヶ月、これまでの体制とは大きく変わったと話す。「これまで首脳陣の方から指示をされてやっていたことがなくなった。選手側から提案する場面が増えてみんなの自主性が大きく出るようになった」という。きっかけは新チーム始動直前の昨秋、最終学年となる新4年生の学年ミーティングにあった。一昨年、昨年など多くの実力者を擁するも、叶わなかった一部昇格の夢。「このメンバーがいたら勝てるっていう認識がどこかであった。けどそれでも勝てないから、このままやっていても勝てないじゃないかっていう(結論になった)」。過去のチーム体制を見直して話し合った結果、思い切って指導者に直談判することを決意。長時間に渡る監督やコーチ陣との会議を経て、新チームからは選手側に一任されることが決まった。「監視体制だったのが、良い意味で 自分らの中で注意してやっていけるようになった」と捉える。前例のない、自主性が問われるチーム。この大きな変化が「吉と出るか凶と出るか、やってみないと分からない。勝てなかったら間違っていたということ」とリーグ戦の結果に反映されることは十二分に理解している。
▲新チームになって大きく変わったことを語った
〇チームのテーマ
今季のチームが掲げるスローガンは”Integrity”。意味は「誠実さ」や「真摯さ」などを指す。黒沼はこのスローガンこそ、チームに浸透するべきだという。「自主性は悪い方向にいけばサボってしまう方向にいきかねない。だからこそ、1人ひとりが時間の使い方だったり、果たすべき役割を自覚しないといけない。俯瞰してみたときに、一歩大人な意識を持つようにしないと」。選手に裁量権がかかった分、全員の意思統一が欠かせない。
▲自らもチームの一員として、”大人な意識”を持つ
〇自らの役割
そんな新主務は「みんなを野球に集中させられる、ストレスフリーな空間作り」を目標に行動する。そのために必要なことは全員に気を配ることだ。「みんなのことを知らないと、チームのことは分からないと思う。一人ひとり気にかけていきたい」。チームを統括する立場としてコミュニケーションの構築に重きを置く。
マネージャーとして入部し、3年間チームをサポート。主務の肩書きがつき、変化もあった。「(主務は)責任感がすごい。自分がやらないとチームは動かないなって。人任せにしてはダメだと思っている」と覚悟をうかがわせる。主な仕事は外部との窓口役。プロや企業のスカウトやメディアの取材の対応等を取り、「関わる人が増えた。大変だけど、今後の自分にとって良い勉強になっている」と充実感をみせる。
▲仕事は多岐にわたり、自らバットを持つ場面もある
〇節目の年に悲願達成へ
部は今年で節目の100周年を迎えており、記念すべきシーズンに一部昇格を果たす重要性を強く意識する。「100周年って相当な節目だと思うし、今年上がれれば最高だし、これ以上ないチャンス」。東都大学リーグ1部で最多の優勝回数を誇るも、2017年を境に2部での苦闘が続いている専修大学。「昔のOBの方たちは強い頃を知っていて、イメージがあるはず。これからまた強いことをみせるためにも、次の1世紀に向けてバトンを繋ぐような役割があると思う。だから今年が大事」と自身も迎えるラストシーズンへの想いに、力を込めた。
▲最終学年を最高の結果で終えられるよう、立場を理解しチームに尽くす
過去の姿から一新し、創部から1世紀のシーズンを迎える専大。この変化がチームの戦績にどう影響を及ぼすのか。次の1世紀に歴史を刻む第一歩を、一部昇格という最高の結果で証明してみせる。
そして、チームの主務は、神宮球場のベンチからの光景を見るために、任務を全うする。
▲過去にない変革が起きたチーム。リーグ戦の結果が吉と出るのか凶と出るのか
文・写真=河上 明来海(文4)