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2024.04.09
野球

【野球部】春季リーグ戦開幕直前「鍵を握る男たち」⑧【西村卓真】

 今年で創部100周年を迎える野球部の春季リーグ戦がまもなく開幕。悲願の1部昇格に向けて、チームの命運を握る男たちの声をお届けする。最終回の8人目は西村卓真(経営4・専大松戸)。過去3年間で思うような登板が果たせなかったが、今季はオープン戦から好調をアピール。2月の試合で最速149キロをマークし一気に注目度を上げた。チームにとって貴重な左腕としてフル回転を誓った。 (※インタビューは春季キャンプ中(2月)に行いました) 


「左のエースになれるように」今季覚醒の予感、西村卓真

▲今季はスピードがアップし、大ブレイクの予感が漂う


〇一気に注目の的に

最上級生となるサウスポーが年明けから一気に注目度を高めた。2月下旬、チーム最初のオープン戦で3番手としてマウンドへ。直球は常時145キロ前後を記録し、最速は149キロをたたきだした。2イニングをテンポ良く抑え込み、鮮烈なインパクトを残した。それ以降も好投を続け、安定感は抜群。チームの注目投手に名乗り出た。

▲年明け早々からアピールし、一気に注目投手に。「気持ちで投げている」とマウンド上では気迫があふれる



〇早々デビューもその後苦しむ

新4年生で唯一、西村は1年次の春先にリーグ戦デビューを果たしていた。幸先良くスタートを切った矢先、秋に肩を故障した。登板回数は1試合に留まり、それからというもの苦しんだ。「焦りもあって全然治らないのに投げたりして、フォームとか含めて全部おかしくなっていた」ともがいた時期をそっと振り返る。2年次は登板なし、3年次も春季リーグ1試合のみに終わり、思うような結果を出せずにいた。そこで昨秋、「これまではずっとフォームを気にしていたけど、基礎からやろうと」と意識を一変。体幹や筋力トレーニングといった身体作りから見直し、土台を築いた。そのほか、苦しんでいた時期には先輩たちのサポートにも恵まれた。エースの西舘昂汰(令6・経済卒・現東京ヤクルトスワローズ)や小野樹一郎(令6卒・現茨城トヨペット)から多くのアドバイスを受けて実践。「特に小野さんは中学校から一緒だったので良い時のフォームを言ってくれた」と長年付き合った同じ左腕の先輩に感謝した。さらに、プロに進んだ西舘についても「夜までキャッチボールをしてくれたり、色んな練習方法を教えてもらった」と多様な引き出しを増やした。

▲過去3年は苦い経験。一から見直した


〇気持ちで抑えにいく

そうして迎えた年明け、身体の軸が出来上がったことでフォームが安定し、「それで出力も出るようになった」手ごたえを感じていた。指揮を執る齋藤正直監督からも「細かいことは気にせず、気持ちでもう投げろ」と言われ、指揮官の一言に吹っ切れた。左腕はミットをめがけ、全力で投げ込む。

▲齋藤監督から(左)の助言で吹っ切れた


〇チームを引っ張る左腕の”エース”へ

今季の投手陣は4年生の右腕たちに指揮官からの期待が寄せられているが、左腕の存在は極めて貴重だ。「右とはまた別の役割を果たせるように、左のエースになれるぐらいの結果を残して実力もつけたい」とマウンドを譲る気はない。「年間を通して、リーグ戦で最後まで投げ切る」。最終学年のシーズンに、未だ果たせていない目標を打ち立てた。

▲「左のエースになる」。気合は十分だ



創部から節目の年に一部昇格へ。チームの主役に欠かせないピースとなるため、豪腕サウスポーは懸命に腕を振り続ける。



文・写真=河上 明来海(文4)


*春季リーグ開幕直前連載・「鍵を握る男たち」おわり*