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▲スティーブと内尾(背番号2)の大学最後の対戦は、インカレ2回戦で実現した。
8日に行われた全日本大学バスケットボール選手権大会2回戦で、専大は中大を97-67で下した。同戦で13得点をマークした専大のゲームキャプテン・クベマジョセフスティーブ(経営4・福岡第一)だが、特別な思いを抱いて試合に臨んでいた。
試合前、スティーブの目線の先には中大の背番号2がいた。内尾聡理。福岡第一出身でスティーブとは元チームメイト。2019年にウインターカップを制した「黄金世代」のひとりだ。黄金世代には小川麻斗(千葉ジェッツ)や神田壮一郎(拓大主将)、そして今夏のW杯でパリ五輪進出に大きく貢献した河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)らそうそうたるメンバーが名を連ねる。この試合は黄金世代対決として注目を集めた。
「本当に楽しみにしていました。最後の大会でこの試合で対戦できてアツかった」。スティーブは大学最後の黄金世代対決を前に胸を躍らせていた。内尾も「第一から関東に来て、2人ともキャプテンで。専修さんはリーグ戦2位でしたし、チャレンジのしがいがある対戦になった」と心待ちにしていた。かつての盟友に勝ちたい。キャプテンとしてチームを勝利に導きたい。互いに特別な思いを持って試合に臨んだ。
試合は序盤から専大優位で進んだが、中大は内尾を起点に速いトランジションで専大を脅かした。内尾自身も前半から得点を積み上げ、15得点をマーク。スティーブも内尾に負けじと13得点を挙げ、意地を見せた。試合は専大の快勝に終わったが、黄金世代の2人が試合を大いに盛り上げた。
▲15得点5リバウンドをマークし、攻守で奮闘した内尾。
▲ゴール下で圧倒的な強さを見せたスティーブ。13得点をマークした。
試合後、会場の裏で2人は言葉を交わした。試合中の真剣な眼差しとは真反対の、柔らかな表情だった。内尾は「終わり方としてはとても悔しい」と唇を噛んだが、「ですけど、第一のメンバーと最後やって負けて終われるならまだ良かったかな」と、すがすがしい表情も見せた。直接対決を通して、「スティーブは(高校時代から)さらに体が強くなって、状況判断も良くなっていた。ポストプレーヤーで最も上手いんじゃないかなって思います」と盟友の成長を感じ取った。
▲大学最後の対戦を終えた2人。Bリーグの舞台での再会を約束した。
スティーブは「もう1回プロでも会うかもしれないですね。同級生なので応援しています」とエールを送る。内尾も「第一の同期がみんな大学で活躍していたので、あの2人(河村と小川)は先にプロに行っちゃいましたけど、プロのステージでまたやれたら。(福岡第一で)スタートで出ていた5人がまたプロでやるってなったら非常に楽しみなこともありますし、コートに立った時にまた色んな思いがこみ上げてくるんじゃないかな」と胸を膨らませた。
文=野見山拓樹(文4)
写真=野見山拓樹(文4) 鶴本あい(法3)