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〈第43回全日本学生スピードスケート距離別選手権大会=12月9 ~10日 高崎健康福祉大学伊香保リンク〉
12月9日から10日にかけて、全日本学生距離別選手権が開催された。1日目には10000mで菊池健太(経営3・白樺学園)が2年連続の優勝を果たした。1500mでも谷垣優斗(経営3・白樺学園)が2位入賞を果たしたほか、500mに出場した原純夢(経営4・佐久長聖)と高見澤匠冴(経営2・小海)の両名が自己ベストを更新するなど、各距離で収穫の多いレースを見せた。
▲10000mで2連覇を果たした菊池
ブレード(スケート靴の刃)を新調した状態で大会に挑んだ菊池。「感覚が全く変わってしまっていて、(自身の)調子も判断しづらい状態」で大会を迎え、感覚を合わせながらのレースとなったが、不安を感じさせない滑りを見せた。
2週目から速度を上げ、持ち前のスタミナを活かし6800m地点まで高いラップタイムをキープすると、終盤はさらにペースを上げスパートをかける。7200m地点で32秒62とこのレース最高のラップタイムを記録し同組の選手との差を広げると、最後までペースを落とさずフィニッシュ。14分03秒03と前年より約20秒早いタイムで1位を獲得した。
▲10000mを滑る菊池
菊池は試合後、「ブレードを変えて初めての10000mで探り探りの部分もあったが、結果として優勝できてよかった」「ラップタイムをまとめるという目標は達成できたと思う」と冷静に振り返った。優勝を果たした中でも、「トップの選手と戦うためには今より1、2段階速いスピードが求められるので、(月末に行われる)全日本選手権に向けて調整していきたい」とさらに上を見据える。10月の距離別選手権では惜しくもW杯出場を逃し、苦杯を喫した。再びナショナルチームと競い合うレースに向けて「タイムが何より重要。ベストのタイムを出したい」と意気込みを語った。
▲同じリンクで行われるインカレでは「リンクレコードを狙いたい」とさらなる成長を誓った
1500mに出場した谷垣は逆境の中でレースを迎えた。シーズンはじめの距離別選手権では結果を残すも、それ以降は練習でも思うような滑りができず、コーナリングに不安を抱えたまま迎えた大会。「レース中は考えても意味がないと割り切って、楽しもうと思った」と気持ちを切り替えてレースに臨むと、スパートまで粘り強い滑りを見せ1分53秒84で2位入賞を果たした。「ずっと調子が悪かったので、大事な学生大会で結果を残すことができてよかった」と喜んだ。次戦の全日本選手権は自身の地元である帯広が開催地。「いいコンディションで迎えられると思うので、W杯に出場している選手たちに食い込んでいきたい」と目標を掲げ、年明けに今大会と同じリンクで開催されるインカレについても、「1500mでレギュラーを取って、表彰台を専大で固められるように頑張りたい」と出場へ向けて意気込んだ。
▲復調の兆しを見せた谷垣 これからの活躍に期待だ
近藤太郎監督は「調整や試行錯誤が必要な段階で上出来な結果を残してくれた」と大会1日目を振り返った。インカレに向けて「誰を出すかは、今回のタイムなどを参考にギリギリまで考えたい」としつつ、「まずインカレで勝たなければ世界では勝てないので、選手個人がステップアップしていくためにも、しっかり準備をして、納得のいく形で大会を迎えたい」と語った。
▲選手を見守る近藤監督 氷上で選手を鼓舞した
12月27日からは全日本スピードスケート選手権に出場し、年明け1月5日からのインカレでは4連覇を狙う。 自己ベスト、大学日本一、そして世界。それぞれの想いと目標を胸に、専大スピードスケート部の戦いは続く。
≪大会結果≫
500m
高見沢匠冴 35秒59 4位
原純夢 36秒07 5位
▲500mを滑った高見澤 「リンクが滑りやすい状態だったので気合を入れてタイムを狙った」と狙い通りに自己ベストを更新した。今シーズンは食生活やトレーニング量を改善し、コンディション向上に努めてきた。昨年は500mを9位で終えたインカレに向けて「今年は入賞や表彰台を目指したい」とリベンジを誓った。
▲自己ベストを更新した原「直近の大会で(最初の)100mが良くなってきた感覚があったので、第1コーナーを上手く回れればいいタイムを狙えると思っていた」という。最終コーナーでミスがあり、目標の35秒台にはあと一歩及ばなかったが、「大学に入ってからずっと目標にしてきたので、達成したい」と専大での最後のシーズンの目標を語った。
1000m
三井晃太(経営3・東京都市大塩尻) 1分13秒85 4位
原純夢 1分14秒56 13位
高見沢匠冴 1分15秒22 16位
1500m
谷垣優斗 1分53秒84 2位
蟻戸一永(経営4・白樺学園) 1分55秒01 6位
▲1500mを滑る蟻戸 コンディション不良もあり「(レースの)入りから上手くスピードに乗ることができなかった」と悔しい結果となった。
5000m
菊池健太 6分57秒76 3位
谷垣優斗 6分59秒86 4位
蟻戸一永 DNS
10000m
菊池健太 14分03秒03 1位
▲菊池は5000mでも3位入賞を果たした
文=山縣 龍人(法4)
文・写真=河上 明来海(文3)