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〈第75回全日本大学バスケットボール選手権大会=12月10日 代々木 専大74-64中京大〉
▲17得点の介川。窮地に追い込まれたチームを救った。
専大が中京大を下し、2年ぶりの準決勝進出を決めた。前半終了時点で16点のリードがあったが、後半に入ると相手の猛反撃に苦しめられ、一時2点差まで詰め寄られた。それでも介川アンソニー翔(商1・開志国際)の得点や淺野ケニー(経済3・洛南)を中心としたディフェンスで何とか粘り、辛くも逃げ切った。16日に群馬県太田市で行われる準決勝は、宿敵・東海大との因縁のカードとなった。
前半の専大ペースが一転した。36-20で折り返したが、後半の専大はなかなか得点が入らない時間が続いた。専大が苦しむ間に中京大はじわじわと追い上げ、第3Q終了時点で7点差まで迫られた。第4Qに入っても悪い流れを断ち切れず、残り5分台に入ったところで54-52と2点差まで迫られた。「オフェンスは自分たちを信じて思い切りやろうという話をしていたがどうしても慎重になりすぎて、結果的にターンオーバーになった」と佐々木優一監督。東海王者の逆転の予感が会場を覆った。
しかし、窮地で1年生コンビの活躍が光った。2点差に迫られた場面で介川がシュートを決め4点差。再び2点差に詰められたがジョベモハメド(商1・高知中央)が得点を奪い、さらに2人のディフェンスから市場脩斗(文3・市船橋)の得点につなげ、もう一度突き放した。主将の赤嶺有奎(文4・豊見城)は「アンソニーのアタックとジョベのアタック。あの2本はすごく大きかったと思います」と振り返る。介川は「後半の入りが悪かった。だけど、前半からずっとディフェンスはよかったので、ディフェンスを強調して頑張った」と話した。重苦しい雰囲気を1年生のプレーで悪い流れを断ち切った。
▲攻守に奮闘する介川。
▲点差を離すシュートを決めたジョベ。
▲ジョベは前半には豪快なダンクを叩き込んだ。
▲介川のディフェンスからシュートを決めた市場。
苦しい局面で淺野がチームを鼓舞した。「ディフェンス!ディフェンス!」と声を張り上げ、攻守で誰よりも走り、苦しむチームを必死に盛り立てた。「コートに出ている最上級生が『自分が!』って感じだったので」と怒りをにじませたが、「僕がリーダーシップを発揮して、ゲームをコントロールするぐらいの気持ちを持っていた」と、献身的なプレーでチームを落ち着かせた。赤嶺も「(勝てた)ポイントはケニーです」と称賛。淺野の献身性や姿勢が勝利を呼び込んだ。
▲声を張り上げチームを鼓舞する淺野。
勝利した専大は、オープンハウスアリーナで開催される準決勝に進出。相手は2年前の準決勝で敗れた東海大に決まった。赤嶺は「最後は本当に意地と意地のぶつかり合いというか、気持ちの部分がすごく大事になってくる。今までやってきたことをすべてコートで出し切れたら必ず自分たちが勝てる」と意気込む。佐々木監督は「下馬評では東海が行くだろうっていう風に思っているところを覆せるように、うちらしくやっていこうと思います」と力を込めた。
▲FINAL4進出の専大。21年ぶりの日本一を太田の地で掴む。
文・写真=野見山拓樹(文4)