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2023.12.09
相撲

【相撲部】一瞬の油断が明暗 スフバット、悔しさ残る16強

〈第72回全日本相撲選手権大会   12月3日  =両国国技館〉
▲敗戦直後のスフバット。悔しさだけが残った


  相撲のアマチュア日本一を決める全国大会に専大からアリユンエルデネ・スフバット(商3・鳥取城北)が2年連続で出場。ベスト16進出と専大勢として数十年ぶりの記録を残すも、「もっと上までいけるチャンスがあったのですごく悔しい」と納得がいかない表情を浮かべた。

 決勝トーナメント3回戦で日大の川上参段と対決。強豪校のレギュラーを務める同期に対し、「絶対勝てると思っていた」と自信満々に土俵入りした。

▲8強入りを賭けて強豪・日大の川上参段(左)との対戦。自信を持って臨んだ


 取組は組み合うことが多く、一進一退の攻防が続いて35秒と長丁場だった。立ち合いは互角で両者譲らなかったが、15秒経ったところで仕掛けた。相手の懐に頭を沈め、土俵際まで追い込んだ。「もう前に出られたから勝ったと思った」。そのまま押し切れるかと思われたが、相手も簡単に終わらない。その後再び10秒ほど組みの時間が続くも、下半身を突き出す形でもう1度仕掛ける。しかし、崩し切ることはできない。

▲2度、土俵際に追い込む


  さらに続けて素早く左に振って崩そうとしたところ、束の間に両側のまわしを掴まれた。すぐさま反対側の土俵側に引っ張られ、最後は足をかけられて上手投げで決着。全体的にスフバットが有利に見える形だったが、一瞬の隙をつけられて敗れた。「最後の最後が1番悔しいところ。前に出ていった時に土俵まで持っていったんだけど…」。専大の大黒柱は唇を噛んだ。

▲一瞬の隙に両方のまわしを取られ、そのまま上手投げ。40秒近い取組に決着がついた

 

 蒲田勝太監督も「最後のところで、少し焦ったかな。(チームの柱である)スフバットだからこそ悔しいと感じる。あと1年あるから鍛え直して欲しい。もっと勝てるように」とはっぱをかけた。

  自身は「余裕をかまし過ぎた」と油断していたことを猛省。予選を勝ち抜き決勝トーナメントへ進出後、1、2回戦とも社会人力士にぶつかったが、盤石の戦いぶりで勝利。強敵を倒したのちに対戦する相手が同期の学生ということもあり、心理的に余裕が生まれていた。「もっと上にいけるチャンスがあったからすごく悔しい。3位までには行きたかった」。今日の敗戦から「油断しないこと」を肝に命じたスフバット。「来年は絶対優勝できるように普段の稽古をしっかりしたい」と強く引き締めた。

▲今日の悔しさを忘れず、冬のトレーニングに励む

 

 次なる公の大会は6月と大きく期間が空く。今回で「他の選手と比べると自分の体は小さいと感じた」といい、体重か筋肉量の増加を目指してトレーニングに励む。


文・写真=河上 明来海(文3)