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〈第75回全日本大学バスケットボール選手権大会=12月8日 大田 専大97-67中大〉
▲驚異的なペースで得点を量産した市場。初戦突破に大きく貢献した。
専大が中大に大勝し、ベスト8に駒を進めた。序盤から相手に猛攻を浴びせ、市場脩斗(文3・市船橋)やクベマジョセフスティーブ(経営4・福岡第一)を中心にインサイドで得点を量産。市場は3本の3ポイントを含む23得点をマークする驚異的な活躍を見せた。最後まで手を緩めなかった専大は30点差をつけて中大を下し、10日の準々決勝に駒を進めた。
エンジン全開の背番号12が、チームに勢いをもたらした。第1Q冒頭の2-3と1点を追う場面。ボールを持った市場は相手のプレッシャーに遭い体勢を崩すが、右手一本で3ポイントを沈めた。勢いに乗った市場は以降も果敢にインサイドに攻め込み、驚異的なペースで得点を量産。前半だけで20得点を挙げ、勝利を大きく呼び込んだ。
▲市場は序盤から積極的なオフェンスを見せ、流れを呼び込んだ。
専大は全出場校で最後の登場。さらに相手はリーグ戦で敗れている中大とだけあり、苦戦が予想された。それでも市場は「固さだったり緊張する部分もあると思っていたので、自分たちが走ってリズムを作っていくことを意識した」と、ミスを恐れず大胆に攻め込んだ。この日の市場は3ポイントと2ポイントともに3/4、フリースローは8/8と、驚異的な決定力を見せた。「シュートがよく入ってよかったけど、ターンオーバーを4つしてしまったので」と反省したが、掲げていた大胆さがこの大爆発を生んだ。
▲「去年悔しい思いをしているので」と、日本一への思いは強い。
市場がもたらした勢いに、チーム全員が乗った。ゲームキャプテンのスティーブは13得点10リバウンド。淺野ケニー(経済3・洛南)も14得点13リバウンドと、チームの象徴2人がともに攻守で安定した活躍を見せた。さらに介川アンソニー翔(商1・開志国際)が11得点、松野遥弥(経営2・桜丘)は第4Qだけで10得点をマークするなど、強力なオフェンスで相手の勢いを飲み込んだ。淺野は「中央とやれて本当によかった。リーグ戦の借りを返せた」と笑顔を見せた。
▲13得点を挙げたスティーブ
▲淺野もチーム最多リバウンドを記録し、攻守でチームを勢いづけた。
▲堂々のインカレデビューを果たした介川。
佐々木優一監督は「今日は何よりもリバウンドで圧倒できた。勝ちたいならリバウンドを、っていう話をしていた」と、リバウンド数の差に触れる。中大の合計24リバウンドに対し、専大は倍以上の55。チームの目標であるリバウンドの徹底も、勝利を大きく呼び込んだ。「初戦の入りがすごく難しいっていうのは他の大学を見ていても感じていた。中央はかなりいいチームだしリーグ戦でもやられていたので、勝ち切れたっていうのはすごくよかった」と快勝発進に安堵。21年ぶりの日本一へ、好発進を見せた。
10日の準々決勝は、東海地区1位の中京大と対戦する。
▽松野遥弥
▲第4Q、ジャンパーを決める松野。
—第4Qだけで10得点。自身のパフォーマンスはどうだった?
よくないっす。自分では緊張していないと思っていたけど、コートに入っていつも通りの感じではなかった。体のコンディションだったり頭が回らなかったりとかした。
—ダンクは惜しくも決めきれなかった
ちょっとスピード抑えられずに前に行っちゃった。自分がああいうプレーをしてチームに流れを持ってくるのが仕事。自分の持ち味を出せずに優勝できなかったらめちゃめちゃ悔しいので、やるべきことは全部発揮して優勝したい。
▲美しいダンクの披露はお預けとなった。
▽工藤太陽(経営4・福島東陵)
▲最終盤にコートに登場した工藤。会場が盛り上がった。
—最後に3ポイントを決めた
全然試合に出られなかったので、決められてよかった。安心しました。
▲3ポイントを決めた工藤。最高の形で試合を締めた。
—久々の公式戦だったが、心境は?
多分今日はチーム1緊張しました。相手が中央だし負けたら終わりだしみたいな状況で。でもみんながああやって自分が出られるような点差にしてくれて本当に嬉しかった。
—最後の大会に懸ける思いは?
昨年も一昨年も優勝できるかなと思っていたけど、途中で負けた。今はやっぱり下級生もすごいし、同級生もすごい力があるので。あと、自分の地元が群馬なので、群馬で試合ができるというのはすごい嬉しい。自分の地元で優勝して終わりたい。
▲試合後、工藤を称える佐々木監督。嬉しそうに声を掛けていた。
文=野見山拓樹(文4)
写真=鶴本あい(法3)