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〈第99回関東大学バスケットボールリーグ戦=9月10日 専大生田キャンパス 専大73-72拓大〉
専大が劇的な逃げ切りで3連勝。第2Q初めに逆転して以降一度もリードを許さず最終盤に差し掛かったが、第4Qで拓大の猛攻を浴び1点差に迫られる。残り9秒で相手の速攻に遭ったが、佐藤寛太がレイアップシュートを猛然とブロックし逆転を阻止。そのまま試合終了を迎え、辛くもリードを守り切った。オフェンスではクベマジョセフスティーブが22得点11リバウンドのダブルダブル、清水愛葉が3本の3ポイントを含む17得点を記録するなど勝利に貢献。週末のホーム開催を連勝で飾った。
▲レイアップをブロックした佐藤寛太に集まる選手とフリースローを外した責任から解放される赤嶺有奎主将
背番号15が絶体絶命のピンチを救った。73-72で迎えた第4Q残り9.7秒、赤嶺有奎主将が2本目のフリースローを外すと、リバウンドを取った拓大が速攻を開始。残り6.3秒、パスを受けた拓大・石橋永遠選手がディフェンスを1枚交わし、無人のゴール下に侵入。残り5.3秒、石橋選手がレイアップシュート。これで逆転かと思われた。しかし残り5.2秒、救世主が後ろから飛んできた。猛然と自陣に戻ってきた佐藤寛太が相手の手から離れたボールを弾く。ボールはボードに当たり、遅れて戻ってきたスティーブの手に収まった。そしてそのまま試合終了のブザー。救世主佐藤が、見事勝利を守った。
▲残り数秒、赤嶺はフリースローのチャンスを得るが外してしまう
「ディフェンスでの粘りは最後まで意識していた」と佐藤。最後のシーンは「(フリースローが外れて)振り返ったらレイアップ行かれそうだった。ブロックに飛んだらタイミングが合った」と冷静に振り返った。直近の試合では納得のいくプレーができず、気持ちが落ち込んでいたという。しかし、切り替えを意識して試合に臨んだことで、この日は自身の良さを前面に発揮した。佐々木優一監督も「バタバタするゲームは彼が落ち着かせることができる。本来とポジションは違ったがしっかり受け入れてくれて、彼がやるべきことやってくれた」と奮闘を称え、「本当に最後は助けられました」と胸をなでおろした。
▲佐藤はオフェンスでも活躍した
ジョベモハメドとスティーブのビッグマン2人も勝利に大きく貢献した。特に第2Qはジョベがインサイドを完全に制圧し、21-20と逆転した直後から3連続得点を記録。故障明けだがその影響を感じさせず、13得点と抜群の破壊力を見せた。スティーブも攻守で力強さを発揮。第1Qの立ち上がりと第4Qの苦しい時間帯に得点を重ね、リバウンドも取り続けた。2試合ぶりのダブルダブル。プレーでチームを鼓舞した。
▲ゴール下から冷静にシュートを沈めるジョベ
▲シュートチェックで相手にプレッシャーをかける
▲フリースローでも確実に沈める
▲先制点を決めたスティーブ
▲フリースローで点差を広げていく
清水愛葉も好調ぶりを十分に見せた。この日は相手に点差を縮められた時間に得点を量産。第2Qでは連続で3ポイントを決めるなどシュート精度の高さを披露。「3ポイントはチームメイトからも監督からも求められている。思い切り打ててよかった」と振り返った。さらにしたたかなディフェンスを随所で見せ、劇的な逃げ切りの立役者の一人となった。
▲信頼の高い清水の3ポイント
▲ドライブで中に切り込む
劇的勝利で連勝を3に伸ばし、これで今季5勝目。故障やコンディション不良の選手が多発する中、しぶとく白星を積み上げた。次戦は9月20日の筑波大戦。佐々木監督は「10日空くので。ただ、休んでいちゃダメだと思うので、いい部分は残しつつ悪い部分を修正して有意義な10日間になるように、もう1回やっていきたい」と力を込めた。
文=野見山拓樹(文4)
写真=髙野葵葉(文2)