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<第73回関東大学女子バスケットボールリーグ戦=9月9日 日体大世田谷キャンパス 専大72-66 筑波大>
リーグ戦未勝利に苦しむ専大は筑波大学と対戦。前半終了時点で27ー44と大差をつけられていたが、第3Qに8点差まで詰め寄ると、最終Qで逆転に成功。後半で45得点を挙げる猛攻で振り切り、リーグ戦初勝利を飾った。
▲大逆転勝利を収め、歓喜のメンバー
専大は第1Qを17ー18と対等に戦うも、第2Qで26点を献上、前半を終えて17点差。試合の主導権を完全に握られる展開となった。 そんな中、ハーフタイム中に今季から就任した長南真由美ヘッドコーチから「やれることをやってない。前半は全部自分たちのミスじゃないか。リバウンドを拾われたり、ルーズボールを取られたり。やれることをやりきれ!」と激が飛んだ。新指揮官の言葉にメンバーは奮い立ち、猛反撃に出る。
▲ハーフタイム中のベンチ。ヘッドコーチのゲキにメンバーは奮起した
第3Q早々からボールの支配率を高めると、林望愛(文2・桐生)、エースの優博美(経営4・千葉経大附)ら主力が次々とシュートを沈めていく。攻守の切り替えの素早さが売りのチームカラーがようやく発揮され、流れを掴んだ。粘り強く守り抜いて失点をわずか10に抑えると、一気に点差を8まで縮めて第4Qに突入した。
▲林は「チームに貢献することしか頭になかった」とチーム最多得点を挙げた
▲優も果敢に攻め込み、エースの役割を果たした
迎えた最終Qも、流れが途切れることはなかった。志村愛莉(経済3・千葉英和)の鮮やかなスウィッシュシュートを皮切りに、近藤萌主将(文4・湯沢翔北)がバスケットカウントに続いてセンターラインからスピードドリブルで攻め込んでレイアップシュートを決め、遂に1点差まで追い詰めた。
▲最終Qでシュートラッシュの先陣を切った志村。指揮官も試合後に名前を挙げて評価した▲主将の近藤は落ち着いてフリースローを沈めたのち、▼高速ドリブルからレイアップシュートを決め遂に1点差に迫った
ここで相手はたまらずタイムアウトを選択。しかし、再開からわずか30秒後、志村からパスを受けた優が「パスを貰った瞬間、シュートしか考えてなかった」と左サイドの3ポイントライン付近からミドルシュート。高々と宙に舞い上がったボールはネットに吸い込まれ、逆転の一撃となった。
▲逆転のミドルシュートを決めた優。「強い気持ちを持てばいい流れがくると思っていた」
すぐさまファウルを献上して同点とされるも、3度にわたってフリースローを獲得するなど得点を量産。最後は中村帆花(文3・昭和学院)が素早いドライブからシュートを決め突き放した。
▲最後は中村のレイアップで勝負あり。6点差をつけた
17点差をつけられ、第3Qまで1度も勝ち越せず苦しい試合となったが、粘り強く戦い抜いた末に72-66で制した。昨年の同リーグ戦では惜しくも敗れていた相手に雪辱を果たした。
▲昨年のリーグ戦で惜敗をしていた相手に雪辱を果たした
試合後、長南HCは「前半は自分たちから崩れていっていた。第3Qで点差を1桁台にしようと話をして、最後は選手たちが本当によく頑張った 」と振り返り、「こういう勝ち方は大きい。自分たちがやってきたことを信じ続けていれば成果が出ることを体現できた」と就任初のリーグ戦勝利を喜んだ。 やってきたこととは、新指揮官が掲げる"攻守の切り替え、スピード重視のバスケ"というテーマのもと、走り込みに注力した練習だ。そして積み重ねた練習量が「どこのチームにも走り負けない自信がある」という言葉に説得力を持たせる。「最初はたくさん走る量が多くて辛かった」とセンターの林は明かしたが、「その成果が出せた時はうれしい」と成長を実感。スピード感溢れる攻守の切り替えに相手も手を焼いた。
▲今季から指揮を執る長南HCが掲げる"スピード感あるバスケ"。攻守の切り替えの速さは今試合、随所で発揮された
チームにとって内容の濃い勝ち方でリーグ戦初白星を挙げた専大。「明日からは出だしから今日の後半のような展開が作れるように」とチームを束ねる主将は先を見据えて力強く語った。
▲まだまだ試合は続くが、この1つの勝利が躍進の契機となるのか、戦いぶりに熱視線が注がれる。
文=河上明来海(文3)
写真=河上、高橋奈月(文1)