最新ニュース
〈令和5年度・春季関東学生卓球リーグ戦 5月21日 代々木 専大4―2 明大〉
関東学生春季リーグ戦は最終日を迎えた。4勝2敗で暫定2位の専大は宿敵・明治大と対決。試合は4時間に迫る大激戦となったが、4-2で勝利し、2位でリーグ戦を終えた。
▲宿敵を撃破した瞬間。ベンチメンバーも一斉にガッツポーズ
永遠のライバルとの最終戦は7番手まで出場する総力戦だった。フルゲームやフルセットにもつれる展開で両者出場した選手のレベルは拮抗。チームに勝利をもたらした背景には軸となる3トップの活躍が光った。
先頭の田中京太郎(文1・静岡学園)が公式戦デビューを果たすも、相手エースの宮川選手に圧倒されストレートで敗れる。さっそく出鼻をくじかれたところでエース兼主将の阿部悠人(文4・希望が丘)が登場。「出るからには負けられない」と開幕前に意気込んでおり、相手の松田選手とは高校時代から対戦経験があり、この対戦で7回目だった。手の内が分かり合う中で試合は強烈なスマッシュ合戦となった。先にセットポイントを取られて追い込まれたが、粘り強く戦いフルセットに持ち込んだ。最後はさらに激しい打ち合いとなりフルゲームとなったが逆転勝利し、エースの意地をみせつけた。
▲リーグ最終戦で初出場した田中。完敗を喫したが、糧にして今後に繋げる
頼れる主将・阿部は盟友に勝利して意地をみせた
宮本大輝(文3・希望が丘)は今季よりリーグ戦デビューし、2勝を挙げていたが、フルセットの末惜敗。得意のバックハンドで流れを掴んだが、あともう一歩及ばなかった。4番目の複合では阿部と野田颯太(文3・育英)のダブルエースが迎え撃った。ここまで4勝1敗と安定感あるペアだったが、序盤は苦しんだ。野田のフォアハンドがなかなか決まらず、失点を重ねてしまう。リズムを掴めないまま早くも2セットを奪われる展開に。ここで阿部は「相手のコートにそっと入れる感覚で良い。甘い球になるかもしれないが、そこは自分が返すから」と野田へ助言。ここから野田のショットは正確さを増し、すぐさま2セットを取り返した。息を吹き返した2人のフルセット目は圧倒的な攻撃力を誇り、11―4で下した。野田が相手を崩して阿部が決めるという理想の展開を披露した。
▲宮本は熱戦を繰り広げるもわずかに及ばなかったが、今大会での存在感は大きかった
▲複合では阿部(左)のアドバイスで流れを取り戻した。
続く5番手には野田が連続出場。複合で冴えたフォアドライブにサービスエースで得点を重ねる。ただ、相手も必死にくらいつき、ラリーが多い激しい試合展開となった。最後まで集中力を研ぎ澄ました野田が全セットフルゲームにもつれるも振り切って3―1で勝利した。宿敵相手にあと1勝と王手をかけた。
▲勝利しガッツポーズの野田。連続出場となったなか、集中力切らさなかった
ここで試合時間が2時間半を超えたため、コートを分散して継続。本来であればアンカーとなる7番手・福澤勇太(人科3・社若)が先に登場し、勝利すれば明大から白星を挙げられたが、1-3で敗れた。
▲本来アンカーになる福澤が先に敗れた
そのため、勝敗のゆくえは6番手で3番目のエース・星優真(文2・東山)に託された。両チームのメンバーが固唾を呑んで見守るなか、「今まで1勝しかしていなかったので、流れが悪くてとても緊張していた」と重圧がかかる場面を振り返った。それでも力強いフォアハンドで押し込み、2セットを取って一気に追い込んだ。勢いあるままにストレート勝ちかと思われたが、3、4セット目をデュースに持ち込まれいずれも10―12と惜敗。追いつかれてフルセットへもつれる展開となったが、「持っているものを全て出し切ろうと思った」と後半からバックハンドを交えたことが功を奏し、攻め抜いた。最後はフォアドライブで勝負あり。11―4で圧勝し、4時間に迫る大熱戦に終止符を打った。
▲星は気迫あふれるプレーで相手を振り切った
永遠のライバル相手に競り勝ち、2位を死守してリーグ戦を終えた専大。主将の阿部は「どこが優勝してもおかしくないくらい、(レベルが)拮抗している。早稲田や日大、明治といったチームにせめて2つ勝たないと厳しい。秋は全勝で優勝できるように」と総括した。それでも、今日の勝利については「去年日本一になったチームに勝ったことは大きいし、良かった」と前を向いた。
▲秋には全勝優勝を目指す
夏にはインカレを控え、再び関東の強豪と当たる可能性もある。総力戦を制した経験を今後につなげる。
文・写真=河上明来海(文3)