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昨秋果たせなかった1部昇格を目指す専大野球部。新主将には内野手の小林寛弥(経営4・坂井)が就任した。小林曰く新チームは「個性が強すぎる」チーム。その個性派揃いの新生専大野球部の展望と1部昇格へ向けた意気込みを、新主将が初めて語った。
▲新主将の小林寛弥
自ら引き受けたまとめ役
▲下級生の頃からリーダーシップを発揮してきた小林。主将就任は既定路線だった。
小林の新主将就任が決まったのは昨年11月11日の入替戦に敗れた直後。外山優希(経営4・開星)とともに齋藤正直監督に呼び出され、「どっちがキャプテンやる?」と尋ねられた。「自分たちの代の中では下級生の頃から自分がやるような雰囲気ではあった。入替戦後に2人で呼ばれて監督に聞かれたので、『やります』と言った」と自らまとめ役を買って出た。千葉ロッテへ入団した菊地吏玖(令5・経営卒)からは「お前なら心配ない」と、専大野球部復権への思いが託された。
「個性が強すぎる。自分らの代が特に個性が強い」と新チームの特徴を話す。小林流のチームのまとめ方はまだまだ模索中。しかし、「個性の強さが噛み合えば本当に強くなる感じがする」と爆発力の大きさは感じている。「昂汰(西舘・経済4・筑陽学園)をはじめいい投手も多い。小野(樹一郎・経営4・専大松戸)もケガから復帰して、彼らの力が噛み合えば面白い」。新チームの計り知れない可能性を匂わせた。
▲「真面目でいい男」と小林を評する齋藤監督。厚い信頼を寄せている。
チームスローガンは「圧倒」
今年のチームスローガンは「圧倒」。「裏話だけど、帰省してランニングしている最中に思いついた」と笑う。「1部昇格と言ってはいたが、それでは結局曖昧になる。昨年は『打破(うちやぶる)』というスローガンだったが、それでも入替戦で負けた。秋は東洋大に勝ち点を取られたわけだし、2部のチームを圧倒できなければ1部相手では通用しない」。悲願を果たすべく、目標のさらにその先を見据えた。
「このチームが他チームを圧倒することもそうだが、個人としても他チームの選手を圧倒していかないといけない。他チームの選手と比べて圧倒できる武器を何かひとつでも持っていれば、それが自信につながる。このキャンプではその自信をつけるための練習をしている」。個性派軍団の個性をさらに色濃くし、新シーズンの戦いに挑む。
▲入替戦で駒大との差を痛感したと話す小林。悲願の1部昇格のその先を見据える。写真左は西舘昂汰(経済4・筑陽学園)
「どこのポジションにも入れる選手がいれば」
▲昨季から二塁から三塁にコンバートし、レギュラーの座を掴んだ。
小林は昨季を通じて、選手としてのスケールが広がったと話す。昨春までは二塁手しか守ってこなかったが、昨季から三塁手にコンバート。秋季リーグの最終戦では遊撃の守備にも就いた。「三塁を主として守ったことで自分の可能性が広がった」と充実のシーズンを振り返った。昨年の経験を生かし、今季は「常に出続けられて、どこのポジションにも入れる選手がいれば監督も楽だと思う」とユーティリティプレイヤー化を宣言。さらに「自分の強みは積極的な走塁。そこは誰にも負けないし、負けるとも思っていない」と持ち味をアピールした。理想の選手は立正大の前主将で、現・北海道日本ハムファイターズの奈良間大己選手。堅実な守備と積極的な走塁、そして粘り強い打撃を武器に激しいポジション争いを制する。
▲秋の最終戦では遊撃手としても出場。今年はどこでも守ると気合十分。
献身性の高さと視野の広さが光る新主将が、個性の強いチームを束ね上げ、チームに1部昇格をもたらす。歴代最多34度の1部優勝を誇る名門復権への道のりが始まった。
文=野見山拓樹(文4)
写真=相川直輝(文4) 高橋尚之(経営4)