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春季リーグに向け、地元・伊勢原でキャンプを行った専大野球部。個性派軍団を支える副主将に、不動の4番・外山優希(経営4・開星)が就任した。「寛弥(小林・経営4・坂井)がキャプテンやる言うたから、じゃあ俺が副キャプテンでって感じ」と意外にもあっさりとした経緯を明かしたが、頼もしさは抜群。公式戦通算3本塁打を誇り、無類の勝負強さを持つ大砲が、まとめ役を担う覚悟を口にした。
▲副主将の外山優希。
真価を見せた秋
▲4番といえば外山。そう強く印象付ける秋になった。
「自分のバッティングが勝ち負けを左右するようになった。やっとチームの中心選手になったっていう感じはした」。昨季は、4番に座り続けたことで自覚が芽生えるシーズンとなった。リーグ戦序盤は不振にあえぎ、チームが波に乗る中、自分一人だけは乗り切れない。しかし、9月28日の対拓大1回戦をきっかけにもどかしさを振り払った。5回の第3打席で放った左翼線の深い位置に落ちる適時二塁打。「あの打席が秋で一番印象に残っている。あれで調子が上向いた」。感覚を掴んだ外山は、翌29日の対拓大2回戦で3安打3打点と大爆発した。1点差の7回には豪快な2ランを大田スタジアムの右翼席に突き刺した。勢いに乗った大砲はその後も長打を量産。リーグ戦全11安打中5本が長打、打率も.289と好成績を残した。自身の価値を結果で大いに示した。
▲9月28日の拓大戦の二塁打。どの打席よりも強く印象に残っていると振り返った。
好投手を苦としない。それが大砲の存在感を引き立たせた。特に東洋大のエース・細野晴希投手とは好相性を見せた。10月22日の東洋大1回戦では敗れはしたが、1安打を含む2出塁を記録。2部優勝を決めた翌23日には先制の犠飛を放った。「えぐいやん?細野は。だから一段階集中力あげなあかん。それで多分めっちゃ集中しとるんやと思う」と好相性の秘訣を明かす。この好投手と対する際の集中こそ外山の真骨頂。駒大との入替戦でも松村青投手や東田健臣投手を擁する強力な投手陣を相手に、全3試合で安打を記録。当たりの止まった打線の中でひと際輝きを放った。
▲勝負所で誰よりも強さを発揮した昨季。写真は10月22日の東洋大1回戦。
結果で示す
▲3月1日のオープン戦、輪の中でチームを鼓舞する外山の姿が多く見られた。
副主将という立場になってもスタンスは変わらない。「結果で示せる副主将になりたい。結果残せずにあーだこーだ言っても説得力ないやろ。だからまずは結果出さんと」。チームを引っ張る存在としての責任も感じている外山。1部昇格を目指すチームを自らのバットで引っ張ると、固い決意を語った。
▲チームを引っ張る立場として、人一倍結果にこだわる姿勢を話した。
4月4日から始まるリーグ戦に向け、外山は「首位打者取りたいな」と目標を掲げた。結果にこだわる以上、数字にもこだわる。その決意を明確に示した。しかし、目標を色紙に書いてもらうように頼むと、そこには「三冠王」の文字が。「どう?これええやろ」と笑うが、その目の奥には野心をのぞかせた。
▲目標を書いた色紙を手にニンマリ。お茶目さも忘れない。
男は黙って結果で示す。ファン、監督、先輩の思いを胸に、新シーズンへ鍛錬を積む。
文=野見山拓樹(文4)
写真=相川直輝(文4)