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2023.03.15
陸上競技

【陸上部】新体制の初陣は悔しい結果に  日本学生ハーフマラソン

(第26回日本学生ハーフマラソン選手権大会=3月12日  立川駐屯地~国営昭和記念公園・21.0957キロ)


学生の個人日本一を決める日本学生ハーフが12日、立川市で行われた。箱根駅伝を終え、新体制として初陣を迎えた専大陸上部。「63分台を8人出す」とチームとしての目標を掲げたが結果は0人。64分台も1人と、遠く届かなかった。


〇課題を痛感した3人


チームトップタイムを記録したのは千代島宗汰(文2・鳥栖工業)。今春の箱根駅伝では1区で出走を果たしたが、脚の故障で調整が続いていた。それでも箱根路で往路を出走することを念頭に、コースの距離や特徴が似ている今大会の出場を決意。「前半から先頭で勝負をしてチーム1番を取る」と意気込んでいた中で有言実行し、64分35秒で自己ベストを更新した。しかし、「チーム1位は良かったが、そこは最低ライン。他大学と比べるとまだまだ力の差があると感じた」と喜びに浸ることは無かった。「自分の目指すところは他校のエースと競り合うこと」。副主将は力強く語った。

▲チームトップでゴールした千代島。他校のエースと競り合うことが目標だ


新井友裕(文1・浦和実業)は千代島に次ぐチーム2位。箱根路4区を任された有望株だが、65分11秒と本来の力を出せなかった。要因は初めてのコースだったうえに、身体が万全な状態ではなかったこと。「先月の丸亀ハーフ(2/5)が終わった後に膝を痛めて1週間ほど走れなかった」。その後復帰するも、合宿で膝とすねの内側を痛め、再び離脱。3月から練習を再開したが、間もなくの出走となった。レースを終え、「怪我の不安がありながら臨んだ。中盤まではペースを保てたが、公園内から大幅にペースダウンした」といい、「最低限の結果しか出せなかった」と悔しさを滲ませた。

▲チーム2番手の新井。「15キロ以降に他校と差を感じた」と振り返る。


チーム10番目の66分48秒でフィニッシュしたのは手塚太一(経営1・那須拓陽)。2月半ばから3週間にわたりケニアへ合宿に行っていた。合宿には日本マラソン界のエース・大迫傑選手(ナイキ)など、世界トップレベルの選手が参加。「とにかく自分たちの見ている常識が変わった。もっともっと練習をしければいけないと思った」と大きな刺激を受けた。その刺激のもと初めてハーフマラソンに挑んだが、「前半に突っ込み過ぎて、後半は完全に切れてしまった」とスタミナ面での課題が浮き彫りになった。「合宿の疲労は言い訳にならない。成果を今後に活かして結果的に合宿に行って良かったと思えるようにしたい」と飛躍を誓った。

▲ケニア合宿を経て初のハーフを経験した手塚


年明けから好調を維持していた山城弘弍(経営3・コザ)はチーム6番手の65分37秒。序盤は他選手との接触などの危険性から落ち着いて入り、徐々にペースを上げていくプランだった。10キロ付近の市街地エリアまでは予定通りだったが、アップダウンのあるコース後半で失速してしまった。1月から着実に練習を積み、中間目標と位置付けた2月の守谷ハーフでは64分50秒と自己ベストを大きく更新。その後の合宿でも手応えを感じていただけに悔しい結果となった。山城は、「焦ることなく冷静に走れたことは収穫だった」と振り返りながら、「天候に左右されず、タフなコースの中でもどれだけ粘れるかが今後の課題」と口にした。

▲新シーズンから好調を維持している山城。更なる高みを目指す


〇悔しい結果にも明るい兆し


チーム3番手につけたのは中山敦貴(経営3・湘南工大附属)で、タイムは65分15秒。合宿が終わってから感覚的にしっくりこない日が続いていたが、「状態が良くない中でも65分台でまとめられたことは力が付いてきている感じがある」と手応えを得た。また、「後半に足が何度も止まりかけたが、粘って持ち直すことができた。そこは長い距離を積んだ合宿の成果だと思う」と前向きに振り返った。

▲トップ3に入った中山は自身の成長に手応えを感じた。


そして新井に継いで1年生ながらトップ5に食い込んだのは藁科健斗(経営1・横浜)。先月の守谷ハーフマラソンで初ハーフを経験し、今回が2度目。そのタイムから50秒も伸ばした65分31秒でフィニッシュ。「前回があまり良くなかったので自己ベストは狙いにいっていた。ラスト1キロまでは比較的良い感じで走れていたが、そのラスト1キロ以降は全く身体が動かなかった」と振り返った。また、予選会と同じコースにだったことに触れ、「スタート取りと公園内に入ってからが勝負だとわかった。特に公園内では今回落ち込んでしまったので上げていけるようにならないと」と予選会を見据えてレベルアップしていく姿勢をみせた。

 ▲「ラスト1キロ」が課題だという藁科。今回の結果を急成長のきっかけとしたい


また、大田和一斗(文2・東農大二)は自己ベストを2分近くも更新する66分49秒を記録。これまで怪我やコンディション不良に悩まされ、思うような結果を出してこれなかったことに触れ、「4年間を折り返すシーズン。今まで何も残せていなかったので今年こそ」と強い気持ちで今大会に臨んだ。「自分の現状と調整の振り返りをすることができた。スピード練習等ではまだ課題が残っているので、質の高い練習を更に積めればまだまだ伸ばせると思う」と自身の可能性が見つかる結果となった。ただ、反省点は多いようで「5〜10キロ地点でのラップタイムと公園内のタイムがもったいなかった。もっと詰められる要素は多かった」と気を緩めなかった。

▲今年は勝負の年と自覚し、自己ベストを大幅に更新した大田和。


〇全体にたりない”タフさ”

長谷川淳監督は今大会の目標を「63分台を8人出すこと」と掲げていた。「ハーフマラソンで63分台というのは、箱根駅伝予選会を突破するための目安として1人あたりに求められるタイム」と経緯を説明。そのために先月半ばには1週間にわたって合宿を行い、強度の高い練習を遂行した。しかし、「蓋を開けてみれば63分台を記録した選手はいなかった。こちらは期待していたが、結果が伴わなかった」とコメント。「やはりまだまだ(フルで走り切る)タフさという部分が足りてない」と課題を痛感し、選手へハードワークを求めた。


新たなスタートを幸先よく迎えたかったが、悔しさを味わうこととなった専大。結果を受け入れ、躍進のきっかけとするべくリスタートする。


【第26回日本学生ハーフ全体結果】

 

89位:千代島 宗汰(文2・鳥栖工業)         ・1:04:35

129位:新井 友裕 (文1・浦和実業)       ・1:05:11

135位:中山 敦貴(経営3・湘南工大附属)   ・1:05:15

156位:野下 稜平(経済3・鳥栖工業)         ・1:05:28

161位:藁科 健斗(経営1・横浜)               ・1:05:31

173位:山城 弘弐(経営3・コザ)               ・1:05:37

194位:水谷 勇登(経営3・敦賀気比)         ・1:05:49

213位:粟江 倫太郎(経営3・三浦学苑)      ・1:05:58

224位:長谷川 源(経営2・名古屋経大高蔵)・1:06:04

297位:手塚 太一(経営1・那須拓陽)         ・1:06:48

300位:大田和一斗(文2・東農大二)          ・1:06:49

371位:有本 逸(経営2・東海大福岡)         ・1:07:27

377位:佐藤 翔太(経済1・学法石川)         ・1:07:28

449位:辻 優輝(経営2・洛南)                ・1:08:10

478位:藤野 隼也(経営3・宇部鴻城)         ・1:08:27

488位:黒田 太洋(経営1・滝川西)            ・1:08:34

534位:安藤 凛(経営1・相洋)                ・1:08:57

542位:中島 琢登(経営2・鹿児島実業)      ・1:09:05

624位:樋口 拓海(経営1・高岡向陵)         ・1:09:58

676位:亀之園 京士郎(経営1鳳凰)            ・1:10:34


※棄権者

田島 洸樹(経営3・学法石川)

福田 達也(経営1・市立橘)

松島 竣成(経営1・樹徳)


文・写真=河上明来海(文2)、相川直輝(文3)