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〈令和4年度東都大学野球2部秋季リーグ戦=9月14日 大田 専大1-0国士大〉
▲完封勝利を挙げ、ハイタッチを交わす西舘(右)と新出(左)
勝ち点を懸け国士大との2回戦に挑んだ専大は、1点差を逃げ切り連勝。2週連続で勝ち点を獲得した。投げては西舘昂汰(経済3・筑陽学園)がリーグ戦初完投初完封。打ってはスタメンに抜擢された山本健斗(経済3・松商学園)が第1打席で決勝点となるリーグ戦初本塁打。3年生が投打で勝利に大きく貢献し、開幕4連勝とした。
この日は早々に先制点を奪った。2回、先頭の5番・山本が「次につなぐ意識で」と、国士大先発の石井投手の甘く入った変化球を強振。高く上がった打球は浜風に乗ってぐんぐんと伸び、そのままバックスクリーン横に飛び込んだ。高校通算33発を誇る強打者は「監督のおかげです」と、スタメン起用に一発で応えた。
▲先制弾を放った山本 リーグ戦初本塁打となった
▲山本を出迎えるナイン
一方の先発の西舘は初回から絶好調だった。威力のある直球と鋭いスライダーやフォークで丁寧にコーナーを突き、相手打線を交わし続ける。四球で走者は許したものの後続を斬り、3回まで無安打に抑える立ち上がりを見せる。
▲3回の西舘 この日も安定した立ち上がりを見せた
打線は3回に追加点のチャンスを迎える。先頭の9番・浅野洸司(経済1・仙台育英)が敵失で出塁し、1番・西村進之介(経済3・栄徳)の四球と2番・西里颯(経済2・興南)の犠打で1死2、3塁とする。しかし、後続が続かず無得点。4回には主将の新出篤史(経済4・函館大有斗)に今季初安打が生まれるも得点には至らず。この日も打線が低調気味だった。
▲3回に先頭で出塁した浅野 初安打は生まれなかったものの奮闘を見せている
▲3回に四球で歩いた西村進 この日も2出塁と1番の役割を果たした
▲4回に今季初安打を放った新出 直後に盗塁も記録した
一方の西舘は回を追うごとに調子を上げていく。4回に初安打を許したものの得点は許さず。5回には1死後に連打を浴び、2死2、3塁の一打逆転のピンチを迎えるも、国士大1番の夏賀選手を二ゴロに打ち取りこの回も無失点で切り抜ける。
▲5回の西舘 ピンチでの集中力の高さが際立った
7回には1死2塁のピンチを背負った場面で、代打後藤選手にレフトへ浅いライナーを運ばれる。同点かと思われたが、あらかじめ浅めに守っていたレフトの河内恭英(経営4・広島新庄)がダイレクトキャッチ。そして飛び出していた2塁走者を刺し併殺を奪った。再三のピンチをしのぎ、最終盤に突入する。
▲7回の併殺のシーン 河内のポジショニングが奏功した
9回のマウンドにも西舘が上がる。走者は出したものの得点を許さず3つのアウトを取り切った。103球4安打完封。背番号11は最後のアウトを見届けると、疲れた表情をにじませたものの、笑顔を見せた。
▲最終回の西舘 まさに気迫のこもった投球だった
▲試合が終わり西舘を称えるナイン
試合を終えて齋藤正直監督は「気迫のこもった投球を見せてくれた。期待通り」と、初完封の3年生右腕を笑顔で称えた。西舘も「8、9回は疲れていた。監督に気迫で投げろと言われ、気迫で投げた」と振り返った。
決勝打となる本塁打を放った山本は「こういう試合で打てて嬉しい。今後チームの主力になれるように頑張りたい」と話した。齋藤監督は「本来であれば7、8本打っているはずの打者。(今日の本塁打も)実力だと思う」と能力の高さを認め、「これから打ちますよ」と期待を寄せた。
▲会見での山本(左)と西舘(右)
開幕週で勝ち点を獲得した拓大と東洋大がともに第2週で勝ち点を落としたため、勝ち点2の専大が単独首位に躍り出た。次戦は9月27日、大田スタジアムの第1試合で拓大と激突する。
文=野見山拓樹(文3)
写真=相川直輝(文3) 髙橋尚之(経営3)