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〈令和4年度東都大学野球2部秋季リーグ戦=9月13日 大田 専大3-2国士大〉
▲9回に右翼席へ決勝弾を放った西村進
第1週で勝ち点1を獲得した専大は、大田スタジアムで国士大と対戦。相手の粘りに苦戦したものの、西村進之介(経済3・栄徳)が9回に決勝弾を放ち3-2で辛勝。先発のエース・菊地吏玖(経営4・札幌大谷)は7安打2失点完投で、2試合連続の完投勝利となった。
前回登板で完封勝利を挙げた菊地だったが、この日は先制を許した。初回、1死から2番・井上選手と3番・坂井選手に連打を浴び1死1、3塁のピンチを招く。続く4番・山下選手の二ゴロの間に3塁走者が生還し、国士大が先制。専大は初回から追う展開となる。
▲苦しい立ち上がりとなった菊地
打線は3回に同点のチャンスを迎える。1死後、西村進と西里颯(経済2・興南)の連打で1、2塁のチャンスを作る。しかし、3番・南保良太郎(経営4・星稜)と4番・外山優希(経営3・開星)が連続三振に倒れ無得点。同点のチャンスを逃し、苦しい展開のまま中盤に突入する。
▲3回のチャンスを作った西村進(上)と西里(下)
迎えた5回、専大は遂に逆転に成功する。先頭の9番・小林寛弥(経営3・坂井)が敵失で出塁すると、続く西村進のこの日3本目となる右安でチャンスメイク。2番・西里が四球で歩き、無死満塁のチャンスでクリーンナップへつなぐ。
▲ 先頭で出塁し、反撃の狼煙を上げた小林
▲この日3本目のヒットを放つ西村進
一打逆転のチャンスで打席に立った南保は粘った末に四球を選び、押し出しでようやく同点に追いつく。そして4番・外山がレフトへ犠飛を放ち西村進が生還。この回2点を奪い一気に試合をひっくり返した。
▲粘った末に押し出し四球を選んだ南保
▲レフトに勝ち越しの犠飛を放った外山
▲勝ち越しのホームを踏む西村進
リードをもらった菊地だが、この日は苦しい投球が続く。5回裏、味方のミスと四球などで1死満塁の大ピンチを迎える。しかし、ここでギアを上げた日本代表右腕は、2番・井上選手を147キロの直球で空振り三振に斬る。次の坂井選手には捉えられたものの、今里凌(経営4・専大松戸)が懸命の背走を見せ好捕。大きなピンチを無失点で切り抜けた。
▲齋藤監督は5回のピンチでマウンドに向かう
▲この日も好リードを見せた夏目大(文4・常葉橘)
▲ギアを上げ、一打逆転のピンチを見事切り抜けた菊地・夏目バッテリー
打線は6回以降国士大2番手の小野寺投手を攻めあぐね、なかなか追加点を奪えない。一方の菊地は6、7回にもピンチを迎えるも無失点で切り抜け、1点差のまま8回を迎える。しかし8回裏、先頭から連打で無死1、2塁のピンチを背負うと、途中出場の後藤選手に中前に運ばれ2塁走者が生還。ここまで粘りの投球を続けてきた菊地だったが、ここでついに同点に追いつかれた。
▲8回に同点打を浴び、悔しさをあらわにする菊地
土壇場で同点とされた専大だが、最終回に再びリードを奪う。簡単に2つのアウトを取られ延長ムードが漂う中、西村進が好投を続けてきた小野寺投手の甘く入ったボールを一閃。打球は綺麗な放物線を描き、右翼席に飛び込んだ。この秋のチーム1号は、絶好調の男から飛び出した値千金の一発。最終盤で専大が再び一歩前に出た。
▲西村進の4本目のヒットは値千金の決勝弾 ここまで3戦8安打と驚異的な活躍を見せている
▲ベンチでナインに迎えられる西村進 菊地も笑顔で出迎えた
最終回のマウンドにも背番号18が上がる。最後の打者を二ゴロに抑え勝利を決めた瞬間、ホッとした表情を浮かべた。「今日はリズムが悪かった」と振り返るように、この日は走者を背負う苦しい展開が続いた。「試合の中で修正する力が足りない」と自己評価は低めだったものの、終わってみれば2失点完投勝利。2試合連続完投でエースの意地を見せた。
▲最終回を締め安堵の表情を浮かべる菊地 苦しんだが何とか勝ち切った
試合を終えて齋藤正直監督は「ずっと(国士大に)押されている感じ。(守備の乱れもあり)湿り気のある試合だったがよく頑張った。選手さまさま」と安堵の表情を見せ、「菊地の頑張りに対して、西村(進之介)がよく打った」と投打のヒーローを称えた。さらに西村進には「菊地を助けられる1番打者になってほしい」と大きな期待を寄せた。
▲試合後の記者会見 齋藤監督はエースの力投を称えた
難しい試合をものにした専大。開幕3連勝と上々のスタートを切った。
文=野見山拓樹(文3)
写真=相川直輝(文3) 髙橋尚之(経営3)