最新ニュース
9月29日に神宮球場にて国士舘大学と勝ち点をかけた第３戦が行われた。第１戦、第２戦とともに、序盤に先取点を奪われ後手に回ったため最後まで苦しい試合展開だった。今日は先手をとり、早い回で流れを掴むことが勝つための必須事項だった。そこで専大は勝ち点をかけた大一番に高橋礼(専大松戸高・商１)をマウンドに送る。リリーフでの登板はあったが、この日が初先発となった。その立ち上がり、先頭打者にいきなり３ボールとしてしまう。しかしそのあとカウントを整え三振に打ち取ると、この回を三者凡退で相手の攻撃を退けた。初回を切り抜けた高橋はアンダースローから繰り出す１３０ｋｍ前半の直球と変化球を上手く投げ分け打者を翻弄していく。またフォームにも緩急を織り交ぜるなど１年生らしからぬ大人の投球で４回まで無失点に抑え、守りのリズムを作る。
野手陣も高橋の投球に応える。３回裏、２死２塁から１番重野雄一郎(専大松戸高・経営３)が追い込まれながらの５球目を叩き、レフト前へヒットを放つ。レフトの好返球に阻まれ先制とはならなかったが、自分たちのリズムで攻撃を展開する。すると４回裏、先頭の森澤翼(前橋商高・商３)が四球で出塁すると、次打者のセカンドゴロの間に１死２塁とする。ここで打席には４番濱田竜之祐(鹿児島実高・商３)を迎える。その３球目、強くとらえた当たりは左中間を抜けタイムリーツーベース。待望の先取点をあげる。
しかし５回表にエラーと四球で２死１、２塁とされると、１番にタイムリーを浴び同点に追いつかれる。さらに国士大はリリーフを５回から投入し得意の継投策に持ち込む。６回裏には第１戦の先発椎野が登板し、なかなかとらえることができない。それでも高橋は自分の投球リズムを崩さず、時折笑顔を見せながら相手の攻撃をかわしていった。
６回以降お互いに点が入らなくなったが９回裏、決着は不意に訪れた。先頭の森澤が２ストライクと追い込まれた３球目、フォークを空振りしてしまうがこれを捕手が後逸。振り逃げでランナーを出すと、３番福田晃規(県岐阜商高・商３)が送り１死２塁。ここまで３安打の４番濱田が打席へ入る。その初球、ピッチャー横を抜けた打球はセカンドベースに当たりポーンとセンターへ転がる。３塁コーチャーの手がグルグル回り、森澤が帰ってくる。クロスプレーとなったが、主審がジャッジするよりも先に専大ベンチから選手が跳ねるように飛び出していった。
３試合通じてミスが多く、苦しい試合が続いた国士大戦。それでも春は２連敗した相手から勝ち点をあげたその喜びは語るまでもない。
国士大|000 010 000|１
専大 |000 100 001×|２
斎藤正直監督
「高橋が堂々と投げていたので、安心していた。(第３戦に高橋を起用した理由は)高橋が一番調子が良かった。僕に投げさせてくれという目をしてたんでね。行かせました。気持ちは一番強いですね。(濱田選手の打撃について)最後は良く打ってくれた。３本目のライトが落とした打球も、今濱田に流れが来ている証拠。次も期待したい。(チームの雰囲気について)今は見ての通り最高だね。みんなに元気がある。でも明日は練習します。今日もまだミスがあったから、それを修正する。(次戦の日大戦について)春は１勝２敗で負けているのでなんとか勝ちたい。戸根選手に２つやられているので、彼を攻略したい。」
高橋礼投手(専大松戸高・商１)
「(先発を言われたのは)試合直前のバスの中で、監督から直接言われた。予想はしていたのであまり驚くことがなく、冷静にマウンドに立てました。(前半から球が走っていたが)直球も変化球も良かったので、上手く組み立てながら打者を打ち取ることを考えていた。(完投後は)あまり疲れていない。投げている最中も疲れなど気にならなかった。最後まで集中して投げることができた。(次戦に向けて)一人一人がやるべき役割を果たしたら、勝ちはついてくると思う。一戦一戦気を引き締めていきたい。」
(新井健太郎・文２)
