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8月4日から6日の3日間にわたり、第91回関東学生選手権水泳競技大会(関カレ)が横浜国際プールで行われた。3日間の合計得点により上位2校と下位2校が入替となる関カレ(※インカレの結果次第では一校のみが入替となる)。男女ともに1部に出場している専大の2日目までの合計得点は男子は29点で9位中6位、女子は21点で9位中8位と女子は追い上げが必要な状況である。7位の桐蔭横浜大学の得点は24点と3点差であり、なんとしてでも追いつきたいところだ。
大会3日目、女子100m自由形に山田遥(文2・桐蔭学園高)、坂本理奈(文1・湘南工科大附高)、木澤理寿夢(経済3・武蔵野高)の3人が出場した。前回大会も100m自由形に出場した木澤は「調子は悪くない中で、先生と後半を上げていくイメージで取り組んでいた。予選は少し力んでしまい上手くいかなかった」と話すも昨年と同じタイムの58秒32の予選9位で決勝進出を果たす。決勝では、「予選よりも力まず少しうまく泳げた」と話す通り予選よりも速い58秒12とタイムを縮め7位でフィニッシュ。「インカレではもっと前半を冷静に入って、後半のスピードをもっと上げられるように頑張りたい」とインカレへの目標を口にした。
▲スパートをかける木澤
一方、前回大会400m自由形、200m自由形でともに4位と好調だった山田は予選21位と厳しい結果となった。山田は「冬ごろから調子が上がらず、今まで経験したことがないくらい気持ちが入らなくなってしまいずっと悩んでいた。2ヵ月部活を休ませてもらい6月に復帰したが戻ってからもうまくいかず、3月の大会ぶりに距離の短い100mに出場した。水泳をやめようとも思ったが、休みをもらったことで自分はやっぱり水泳が好きだと気がついた。今回のレースはタイムがでない中で自分が今できる限りをだした。」と苦しい心中を話してくれた。
また、坂本はスタート時に制止しなければならないというルールに違反があったため失格となった。
▲勢いよくスタートを切った山田
更なる得点を狙いたい専大水泳部。100m背泳ぎには中井てずか(経営4・八幡浜高)が出場した。前回大会では1分06秒75の予選13位と決勝を逃し悔しい思いをした中井は、改めて自分を見つめ直し「選考逃げ切り型だったスタイルを変える」と大きな決断をした。自分にあうスタイルを再発見した中井の予選は1分05秒86の6位で通過し、決勝では1分05秒99の7位で終えた。中井は、「去年は最初からアクセル全開で行くというレース展開だったが、今回は前半力まずしっかり水をとらえることを意識した。今までとは異なる自分に合うスタイルを発見できたことがタイムの向上に繋がったと思う。インカレまで、この感覚を忘れずに速いタイムで前半入れるかを意識した練習をしていきたい。」と振り返った。
▲7位入賞を果たした中井
いよいよ最終種目、800m(4×200m)フリーリレーが始まった。女子チームからは、中島みなみ(経営3・湘南工科大付高)、角田桃花(法1・荏田高)、坂本、木澤が出場した。笑顔でポーズを決めゲートから登場すると、チームメイトをハイタッチを交わしながら士気を高めていく。第一泳者の中島が淡々としたリズムを刻みながら良い位置で角田に繋ぐと、角田、坂本も前との差を少しずつ縮める泳ぎでアンカーの木澤に繋ぐ。木澤は「その日に100mを2本泳いでいたので正直きつかった。それでも、メンバーが『その分速く泳いでくるから』と言われたのが嬉しくて逆に私も頑張ろうと思えた」と話すように、最後の最後まで自分の力を出しきる泳ぎで6位入賞を果たした。
▲ハートのポーズで登場する女子リレーメンバー(左から、中島、落合、坂本、木澤)
▲アンカーの木澤に声援を送るリレーメンバー(左から、坂本、落合、中島)
また、専大の男子チームにとっては自信のある当種目。前回大会は男子二部で7分30秒68の大会新記録で優勝 、インカレでは7分28秒18でB決勝3位と今年も期待の種目だ。男子チームからは昨年と同じメンバーの関矢雄太(経済3・埼玉栄高)、塚田大河(文3・湘南工科大附高)、石川條太郎(文4・日本大学高)、林龍之介(経済4・埼玉栄高)が登場した。いつものように円陣を組み気合をいれスタートについた関矢は、「泳ぎだすうちに手がしびれてしまった」と振り返るように自分通りの泳ぎができず出遅れてしまう。それでも、塚田、石川は仲間の声援を力に前へ前へと差を縮め少しずつ順位を上げていく。アンカーの林は慌てず自分らしい泳ぎで7分29秒78の5位入賞。タイムには納得いかない様子をみせたものの、確実に得点を得られたことにメンバー同士健闘をたたえ合った。
▲笑顔で登場する男子リレーメンバー(左から、関矢、塚田、石川、林)
▲アンカー林に労いの言葉をかけるリレーメンバー
今年も様々な熱いレースが繰り広げられた3日間が幕を閉じた。男子は合計37点で7位一部残留を決めインカレに向けて弾みをつける結果となった。一方、女子は合計29点で8位とインカレの結果次第では2部へ降格と悔しい結果となった。7位の桐蔭横浜大学との差はわずか4点。電光掲示板に表示される結果を見上げた4年の中井やマネージャーの佐藤帆乃佳(経済4・埼玉栄高)の目には涙が光っていた。先輩の姿に各々悔し涙を流す選手がいるなかで、木澤が「私たちが目指しているのは関カレじゃなくてインカレですから大丈夫ですよ!」と明るく前向きに励ますその姿は頼もしく、来年4年生となる木澤を筆頭に後輩たちがさらなる活躍で来年必ず一部へ昇格してくれるだろうと思わせてくれた。木澤は「関カレよりもインカレでの結果を重要視しているから総合8位という結果に後悔はしていない。私の関カレまでの実力はここまでだったのだと思っている。それに、レベルアップした私が来年2部で誰よりも速く泳げばいいと思っている。」と力強い言葉が返ってきた。4年生にとっては学生最後の大会となるインカレ。一年間この日のために厳しい練習に耐え努力し続けた選手たちが全国の舞台でとびっきりの笑顔で終えるところを見届けたい。
最後に、4年生として最後の関カレを終えた主将の林と中井にインタビューを行った。
林龍之介
「関カレは、毎年悔しい思いをしている大会で今大会も少し不安はあったが、サポートしてくれるマネージャーの支えもあり、いい形で関カレを終えることができて嬉しかった。しかし、あくまでインカレが最終目標であるためしっかりと気持ちを切り替えて『チャレンジャー』として最後のインカレに臨みたい。今年のチームは個性的な人が多いが、試合や練習の時は同じ方向を向き、目標に向けて取り組めるオンオフがきちんと切り替えられるチームだと思う。チームの目標は昨年度の得点を大幅に超えることと、全員自己ベストを更新すること。個人の目標は2種目でA決勝に残り表彰台を目指すこと。また、後輩たちから目標とされるような結果や姿を最後のインカレで見せていけたらいいなと思う。」
中井てずか
「4年生最後の関カレはタイムだけでなく、絶対にチームに得点するということを意識していたので、初めて2種目とも入賞できたことは素直に嬉しかった。『もう少し点を取りたかった』、『リレーではもっと速いタイムで第2泳者に繋げたかった』という悔しい思いもあるが、全力で戦った結果なので心残りはない。インカレではタイムにこだわったレースがしたいと思う。偉大な先輩方が抜けてたった一人の最高学年の選手として、今まで先輩方が守ってきた1部残留を守らなければとずっと前から思っていた。しかし、それを果たすことができず本当に本当に悔しかった。閉会後、泣いていた私に後輩が励ましの言葉をかけてくれた。本来私がすべきことだったが、後輩たちが前を向いているのに私が沈んでいてどうすると思い直された。インカレでは絶対に納得のいく泳ぎとタイムをだし、リレーでは0.01秒でも速く次の泳者にバトンを渡したい。」
《結果》
~400m個人メドレー~
桑原颯太(経済4・淑徳巣鴨高) 4分35秒53 予選15位
伊藤裕貴(経営2・別府青山高) 4分30秒14 予選10位 自己ベスト
~100m自由形~
木澤理寿夢 58秒32 予選9位
58秒12 決勝7位
「去年と比べ、50mで1点ですが得点を取れたことは何か成長できたのではないかと思う。50mも100mも楽しかったと思える試合だった。インカレの目標は50m、100mともに最低限B決勝には絶対に行くことと、大会を楽しむこと。4年生が最後なので、4年生に良いところを見せて引退してほしい。」
山田遥 1分03秒63 21位
坂本理奈 59秒06 失格
塚田大河 52秒78 予選20位 自己ベスト
後藤壮(商4・洛南高) 52秒36 予選14位 自己ベスト
門脇翔(経済2・湘南工科大学附高) 52秒09 予選12位 自己ベスト
~100m背泳ぎ~
中井てずか 1分05秒86 予選6位
1分05秒99 決勝7位
小沢一郎(経営3・向上高) 1分00秒24 自己ベスト 予選21位
上原卓巳(経済1・日体大荏原高) 59秒50 予選18位
~200m平泳ぎ~
斉藤亜未(経済1・武蔵野高) 2分39秒21 予選7位
2分38秒76 決勝8位
小橋世快(商3・八王子学園八王子高) 2分22秒56 自己ベスト 予選21位
原大輔(経営4・八王子高) 2分15秒49 予選5位
2分14秒76 決勝5位
~800mフリーリレー~
女子 中島、角田、坂本、木澤 8分25秒16 決勝6位
男子 関矢、塚田、石川、林 7分29秒78 決勝5位
<次回の大会予定>
第94回日本学生選手権水泳競技大会(インカレ)
9月7日~9日 横浜国際プール (神奈川県)
水泳部のブログ https://ameblo.jp/sust-4/
(文=石崎愛奈・法4、撮影=石崎 / 高田康平・経営2)