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夏の甲子園が100回目を迎える今年、専大スポーツは甲子園出場経験のある野球部の選手たちに取材を行った。熱戦の裏に隠された選手たちの真意を垣間見ることができた。第1回目を飾るのは秦匠太朗(経営4・二松學舍大附高)だ。秦は3年生の夏に東東京代表として二松學舍大附高を初となる甲子園出場に導いた。甲子園出場について伺うと「決勝戦の相手は帝京高校だったのですが、勝って甲子園出場が決まった時は信じられないという気持ちでいっぱいでした。審判のゲームセットの声を聞いても本当に勝ったのだろうかと夢のような時間がしばらく続きました。監督である市原勝人さんは`どんな場面でも落ち着いた野球をする´と教えてくれました。この落ち着いた野球のおかげで、自分たちは甲子園という大きな舞台でも自分たちの持てる実力を最大限に発揮できたと感じています。また、グラウンドのスコアボードに`辛いは一瞬、悔いは一生´と言葉があったのですが、この言葉があったからこそ辛い練習やトレーニングも乗り越えられまし」たと心境を語ってくれた。「2回戦で対戦した海星高校(長崎)戦では竹原祐太(東洋大学)のバントがチームにいい流れを呼び込んでくれました。自分が打席に立ってみて思ったことは、ベンチから打席までがとても遠かったことです。力を抜くために、打席に入る間に周りを見渡すのですが他の球場よりも声が届きにくかったです。そのため、投手との駆け引きが普段よりもはっきりとしていました」と甲子園の雰囲気と打席上での違いを詳細に話してくれた。「海星高戦で2打席目に打った本塁打はチェンジアップでした。狙った球ではなく打球もつまっていたので、一塁ベース手前までは全力疾走していました。審判が手を回しているのを見て入ったと気付きました。甲子園球場特有の風があったので入ってくれたのかもしれないです。甲子園では地区大会よりも本来の力が出せました。特に沖縄尚学高校戦では試合前に市原さんが自分達に`一泡吹かせてやろうぜ´と普段言わない言葉をかけてくれました。この言葉で強豪である沖縄尚学を相手に堂々とした野球ができました。山城大智(亜細亜大学)から2安打したのも収穫でした。そして何よりも大きかったことは甲子園を楽しめたことです。緊張して固くなることなく戦い抜けたことは言い表すことのできない誇りです」と甲子園での自身の打席の振り返りと培った経験について教えてもらった。「今年の甲子園でも広陵高校に勝利したのをテレビで見ました。その時に市原さんがインタビューで`落ち着いた野球ができました´とコメントしているのを見て自分たちの頃と変わっていないのを感じました。後輩たちには1球1球くらいついてベスト8、ベスト4と勝ち進んで自分たちの成績よりも上にいってほしいです」▲取材に応じてくれた秦。秋季リーグでの活躍に注目したい