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8月4日から6日の3日間にわたり、第91回関東学生選手権水泳競技大会(関カレ)が横浜国際プールで行われた。前回大会で男子は総合得点において2部準優勝したことで男女ともに1部9校(男子は日本体育大学、筑波大学、山梨学院大学、神奈川大学、順天堂大学、慶應義塾大学、国士舘大学、桐蔭横浜大学、女子は日本大学、日本女子体育大学、山梨学院大学、早稲田大学、東海大学、青山学院大学、桐蔭横浜大学、立教大学)での戦いとなった。
大会1日目、 抜群の安定感でチームに勢いをつけたのは主将の林龍之介(経済4・埼玉栄高)。林は前回大会男子2部400m自由形で大会新記録の3分58秒08で準優勝、今年5月東京辰巳国際水泳場で行われたJapan Openでは3分56秒25と着実に実力をつけている。林は予選から3分55秒32の好タイムを出し予選1位で突破すると、決勝では「今まで以上に前半から積極的に泳げた」と話すように、攻めの泳ぎで首位争いを繰り広げる。しかし、後半疲れがでてくる中で次第に前の選手との差が広がり始めるとその差を縮められず2位でフィニッシュ。惜しくも優勝とはならなかったものの、自己ベストの3分54秒34をマークし準優勝に輝いた。林は「2位ではあったが、1部で得点を得ることができたのは大学の水泳人生において初めてだったのでチームに貢献できたのは素直に嬉しかった。関カレはインカレの通過点と考え、万全な状態ではなかったが満足のいくレースができたと思う。最後の50mで1位選手に大きく引き離されてしまったので、ラストのスピードを強化していきたい」と振り返った。
▲自己ベストの泳ぎで準優勝に輝いた林
1年生ながら初めての関東インカレで輝きを魅せた選手がいる。200mバタフライに出場した落合すみれ(経営1・日女体附二階堂高)は予選を2分14秒06の自己ベストをだし3位で予選を突破する。このタイムは日本代表選手が集うJapan Openの参加基準を満たす好タイムである。落合は「最初から3位を狙いにいった」と話すようにラストスパートで激しい3位争いに勝ち2分14秒33で3位入賞を果たした。落合は「監督から『いつも通りの泳ぎをすること』とアドバイスをもらい緊張せずに楽しむことができた。ラストの苦しいときにチームの応援が力になり、負けたくないという強い気持ちでがむしゃらに体を動かし続けることができた。」と笑顔で振り返った。
▲期待のルーキー落合
初日最後は400mフリーリレー。1部の大学のみ入場ゲートから登場し会場のモニターに映し出されるこの瞬間は強豪校のみに与えられる特別な瞬間である。女子チームからは、木澤理寿夢(経済3・武蔵野高)、中島みなみ(経営3・湘南工科大付高)、原瑛梨乃(商2・墨田川高)、坂本理奈(文1・湘南工科大附高)の4人が出場した。スタートを任された木澤は他のチームと差が離れすぎない距離で中島に繋ぐ。中島から原、原からアンカーの坂本へつなげると、坂本は「呼吸する際に応援しているチームのみんなの表情や動きが見えて力になった。後半ペースを上げることができた」と振り返るように前との差を縮め7位でフィニッシュした。坂本は「初めての関カレだったが、リレーはチームの応援が力になりとても楽しかった。自分は緊張しないタイプなので、レース前は先輩たちとどんなポーズで登場するか話していた。インカレでは、高校の3年間一度も自己ベストを更新することができなかったので、インカレという舞台で自己ベストを更新する泳ぎがしたい。」とインカレへの意気込みを語った。
▲チームの声援に笑顔になるリレーメンバー(左から木澤、中島、原、坂本)
▲声援を力に順位をあげた坂本
男子チームからは、関矢雄太(経済3・埼玉栄高)、上原卓巳(経済1・日体大荏原高)、桑原颯太(経済4・淑徳巣鴨高)、林が出場した。関矢が安定感のある落ち着いたスタートを切り他のチームと僅差で上原に繋ぐも、上原は自分の泳ぎができず順位を落としてしまう。しかし、桑原、林が4年の意地をみせ前との差を縮め7位でフィニッシュ。上原は「初めての関東インカレは周りの雰囲気が良く楽しかったが、自分の思ったようなパフォーマンスができず悔しかった。自分のところで順位が落ちてしまい先輩たちに申し訳なかった。関東インカレ前は、調子が良くタイムも良かっただけに悔しい気持ちでいっぱいだ。泳ぐ前、円陣を組んだ際に『いつも通りに頑張って』と林キャプテンに声をかけてもらい緊張が解けた。インカレの目標は、順位よりも自分の思っている以上のパフォーマンスができるように頑張りたい。」と悔しさを滲ませながらも次の目標を口にした。
▲次に繋がるレースとなった上原
▲男子リレーメンバー(左から、関矢、上原、桑原、林)
関カレ初日は、実力のある上級生をはじめ多くの選手が順当に予選を突破する中、前回大会男子2部で100m、200m平泳ぎで2冠を達成した原大輔(経営4・八王子高)が惜しくも予選10位で決勝進出を逃すなどの波乱もあった。しかしながら、 1年生が決勝に進出するなど専大水泳部1人1人が一層強くなったことを証明する結果となったと言える。男女ともに1部残留を目指す専大は、1点でも多く取っていく必要がある。そのためにも、多くの選手が決勝に残り8位以上になる必要がある。2日目、最終日もこの勢いのまま一人一人の活躍に期待だ。
《出場選手の紹介》
~50m自由形~
坂本理奈 27秒12 予選10位
原瑛梨乃 27秒73 予選18位
木澤理寿夢 27秒09 予選9位
27秒15 決勝8位
~400m自由形~
中島みなみ 4分20秒51 予選4位
4分21秒31 決勝4位
石川條太郎(文4・日本大学高) 3分59秒48 予選10位
関矢雄太 3分59秒15 予選9位
3分58秒72 決勝8位
林龍之介 3分55秒32 予選1位
3分54秒34 決勝2位 自己ベスト
「去年からの自分自身の成長をきっかけにインカレでA決勝やメダル獲得を常に視野に入れ練習に取り組んでききたことが結果に結びついたと思います。3:53秒台をださなければインカレのA決勝に残れないので、苦しいときこそ『ここを頑張ればインカレでA決勝や表彰台に立てる』と考え練習してきました。残りのインカレまでの期間も常に高い目標をイメージしながら練習に取り組んでいきたいです。」
~200mバタフライ~
落合すみれ 2分14秒06 予選3位
2分14秒33 決勝3位
角田桃香(法1・荏田高) 2分18秒75 予選9位
2分21秒39 決勝9位
~200m背泳ぎ~
中井てずか(経営4・八幡浜高) 2分20秒42 予選7位
2分21秒39 決勝7位
~100m平泳ぎ~
斎藤亜未(経済1・武蔵野高) 1分13秒10 予選8位
1分12秒85 決勝7位
小橋世快(商3・八王子学園八王子高) 1分04秒13 自己ベスト17位
原大輔 1分03秒45 予選10位
~400mフリーリレー~
(女子)木澤、中島、原、坂本 3分55秒21 7位
(男子)関矢、上原、桑原、林 3分28秒00 7位
(文=石崎愛奈・法4、撮影=石崎 / 高田康平・経営2)