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JR東日本カップ2018 関東大学サッカーリーグ戦(前期)
第4節 vs国士舘大学サッカー部
5月3日(木) 11:30 Kickoff @多摩市立陸上競技場(東京都多摩市)
専大 3-2 国士大
前節の駒大戦(●0-5=4月29日、Shonan BMWスタジアム平塚)で大敗を喫し、なんとか立て直しを図りたい専大サッカー部。今節の相手は今季2部から昇格し、未だ勝ち星のない国士大。上位に食らいついていくためにも絶対に叩いておきたい相手だ。
以下、スターティングメンバー(4-3-3)
GK 1 塚田匡壮(商2・都文京高)
DF 16 河上将平(人間科3・東海大学付属静岡翔洋高)
DF 3 西村慧祐(法3・習志野高)
DF 4 大西拓真(商4・都砂川高)
DF 8 笛田翔(法3・共愛学園高)
MF 34 安野蓮(商1・広島観音高)
MF 15 鹿沼直生(経済3・静岡学園高)
MF 17 遠藤翔太(経営2・広島皆実高)
FW 11 中山克広(経済4・麻布大学附属高)
FW 13 鈴木厚太(商3・飛龍高)
FW 10 氣田亮真(文3・千葉敬愛高)
GKは開幕から3試合続けてゴールマウスを守ってきた増田将(法4・磐田西高)から塚田に変更。主将のDF小林岩魚(法4・甲府第一高)が負傷離脱中の左サイドバックには中盤を本職とするレフティーの笛田を起用。精度の高い左足から繰り出されるクロスに期待がかかる。また、ボランチには先日追加登録されたばかりの期待のルーキーMF安野を抜擢した。そして、負傷から戦列復帰を果たしたFW氣田が満を持して左ウィングの位置に入った。前節から大幅にメンバーを入れ替えてこの一戦に臨む。
まずは前半2分。氣田がFKからゴール前にボールを入れると、DF大西が頭で合わせゴールネットを揺らす。試合開始早々に待望の先制点を挙げたかに思われたが、オフサイドの判定でこのゴールは幻に終わる。すると前半8分、自陣中央で相手にボールを奪われると、そのままショートカウンターを浴び失点。逆に先制を許してしまう。その6分後には細かいパス回しから左サイドを崩されると、グラウンダーの速いクロスを中で合わせられ追加点を奪われる。前節に続き、早い時間帯から立て続けに失点を許す嫌な流れ。専大もなんとか反撃を試みるが、なかなかシュートまで持っていくことができず、前半を2点ビハインドで折り返す。
▲反撃の狼煙となる1点目を決める氣田
見かねた専大ベンチはFW中山に代え、快足ドリブラーのFW中杉雄貴(経営3・追浜高)を後半開始から投入し、打開を図る。この交代策が功を奏したのか後半は前半とは一転し、専大が主導権を握る流れに。すると後半12分、右サイドのCKから笛田がインスイングのボールを入れると、ファーサイドでこれを受けた大西がシュート。一度は相手DFのブロックに合うも、そのこぼれ球に反応した氣田がハーフボレー気味に右足を豪快に振り抜く。ボールはGKの手をかすめてゴールに吸い込まれた。このゴールでグッと流れを引き寄せた専大。後半21分には、自陣でのFKからDF西村がロングボールを放り込むと、裏に抜け出したFW鈴木がGKとの1対1を制し、冷静にゴールに流し込んだ。これでスコアは2-2のタイに。一気に畳み掛けたい専大は後半30分に安野を下げ、司令塔タイプのMF葛谷将平(経済4・大津高)を、後半37分にはMF遠藤に代え、攻撃にダイナミズムをもたらせるMF下田悠哉(法4・都鷺宮高)を立て続けに投入。攻撃により一層厚みの増した専大は試合終了間際の後半44分、とうとう試合をひっくり返す。氣田、下田、再び氣田、そして葛谷と専大サッカー部のモットーである“攻撃的で美しいサッカー”を体現するようなパスワークで相手守備陣を翻弄。そしてボールはこちらも途中出場の中杉の元へ。ゴール右斜め45度の位置でボールを受けた中杉は迷うことなく右足一閃。矢のような一撃は見事にファーサイドのゴールネットに突き刺さった。このゴールが決勝点となり、3-2で逆転勝利。後半の猛攻で2点のビハインドを跳ね返し、貴重な勝ち点3をもぎ取った。途中出場ながら値千金の逆転弾を決めるという大仕事をやってのけた中杉はこの試合のマンオブザマッチに選出された。
▲同点ゴールを決めた鈴木。今季初のスタメン起用に結果で応えてみせた
▲後半途中から出場した下田。キレのあるドリブル突破は疲弊した相手守備陣に効果抜群だった
以下、試合後インタビュー
源平貴久監督
試合を振り返って―
「試合の入り方は良かったにも関わらず、攻撃の時に近くで繋げるのに、遠くにボールを入れてみたり、ドリブルで運べばいいのに、無理してパスを繋いでみたり、『そこでそのプレーをするのか』といった選択のミスが多く、なかなかリズムに乗り切れなかった。実際、2失点ともこういったボールロストからだった。後半はその辺りを修正して、ポゼッションを高めることで攻撃の時間を増やすことができたので、3点取って逆転するできた」
前節からメンバーを大幅に変更していたが―
「前節0-5で負けたからという訳ではなくて、気温も上がったり下がったりして体力的にも厳しいと思っていたので、元々このゴールデンウィークの3連戦はメンバーを入れ替えながら乗り切る予定だった」
リーグ戦初出場となった安野について―
「彼はインターハイで優秀選手に選ばれた選手で、後ろからのボールを前に持ち出したり、どんな状態でも前を向いてボールを止めたりといったサッカーの原理原則のプレーができるというところを評価している。浦和レッズの長澤和輝(平26・経営)のような要素を持ち合わせていると思う」
怪我明けの氣田のコンディションは―
「やはり怪我明けということもあって、ボディーコンタクトを避けながらプレーしていた。まだファウルに対して恐怖心があるように見受けられたので、コンディションはあまり良くないと思う」
次節に向けて―
「ゴールデンウィークの最後の試合なので、ここで勝つか負けるかでは全然違ってくる。勝って上位に食いついていけるように頑張りたい」
▲劇的な逆転ゴールを決めた中杉の元へ駆け寄る専大イレブン
中杉雄貴
試合を振り返って―
「自分はベンチスタートだったが、立ち上がりに2失点して、ゴールが必要な展開になったので、出番が回ってくると思って準備していた。試合に出たら、チームを助けるようなプレーをしないといけないと思っていたし、結果的に自分が1点取って勝つことができたのでよかった」
自身のゴールを振り返って―
「ボールを持った瞬間からシュートを打つ意識は持っていたので、それがゴールに繋がったと思う」
いつもの左ウィングではなく、今日は右での起用だったが―
「練習でも右はあまりやってこなかったので急だったが、そこまで問題はなかった」
次節に向けて―
「連戦でみんなキツいと思うので、自分もしっかり良い準備をして、連勝できるように頑張りたい」
▲氣田が中杉を手荒く祝福
氣田亮真
試合を振り返って―
「風があったので、前半は押し込まれてしまったが、後半は逆に風を上手く利用して逆転に繋げることができた」
自身のゴールを振り返って―
「CKは自分がこぼれ球担当で、少し難しいボールだったが、上手く合わせることができた」
次節に向けて―
「90分通して良い試合がまだないので、それをチームとして意識してやっていきたい」
▲リーグ戦初出場ながら堂々たるプレーを見せたルーキー安野
安野蓮
リーグ戦初出場となったが―
「緊張していた部分もあったので、満足のいくプレーはできていないが、チームが勝てたことがよかった。次は自分で納得のいくプレーができるようにしたい」
源平監督から指示されていたことはあるか―
「潰れてもいいから、どんどん走って、どんどん前に行けということだけ言われた」
これからの4年間をどう過ごしていきたいか―
「1年生のうちから継続的に試合に出ることで、チームの勝利に貢献できるような選手になっていきたい」
(文=藤森崚祐・文3、写真=藤森、乾桃花・文1)