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11月18日、日本大学稲城総合グラウンドにて関東大学リーグ最終節が行われ、専大は東洋大に1-0で勝利し、連敗を7で止めた。
前節、集中応援が行われた日体大(11日)との一戦に敗れ、最下位に転落して迎えた最終節。勝っても他会場の結果によっては2部降格となってしまう運命の大一番に、専大は普段の3-4-2-1から4-1-4-1へとフォーメーションを変えて挑んだ。
小雨が降る中で開始された試合、先にスコアを動かしたのは専大だった。前半15分、右サイドでボールを受けたDF丸野了平(商4・作陽高)がアーリー気味にクロスを上げると、FW岸晃司(経営2・川崎北高)がヘディングで合わせ、勝ち点3のために是が非でも欲しかった先制点を奪取することに成功する。
▲先制ゴールの岸
その後も右サイドではMF中山克広(経済3・麻布大付属高)、左サイドではMF氣田亮真(文2・千葉敬愛高)が起点となり、積極的にサイドから攻撃を仕掛けるも、なかなか追加点を奪うことができない。互いにチャンスを作りながらも、あとわずかのところでゴールネットを揺らすことができない拮抗したゲーム展開。後半38分にはDF西村慧祐(法2・習志野高)が2枚目の警告を受け、退場となってしまったが、主将のDF田口圭介(経営4・国士舘高)を中心に最後までしっかりと守り抜き、9月18日の桐蔭横浜大戦以来のクリーンシートを達成。1-0で辛くも勝利を手にした。
▲左サイドから再三相手ゴールを脅かした氣田亮真
そしてドラマは試合終了後に訪れた。ピッチ中央での整列を終え、相手側ベンチへと挨拶に向かう際、スタンドから歓声が上がった。1部残留を争う直接のライバルである慶大が流通経済大に1-3で敗れ、後半アディショナルタイムまでリードしていた日体大がラストワンプレーで法大に同点に追いつかれ、2-2の引き分けで試合を終えたのだ。この結果、慶大が勝ち点20で得失点差-20、日体大が勝ち点21で得失点差-18、そして専大が勝ち点21で得失点差-9となり、勝ち点で日体大と並んだものの、得失点差で上回り、最下位から残留圏内である10位へ浮上。奇跡の大逆転で1部残留を勝ち取った。ベンチで他会場の結果を確認し、1部残留が決まったことを知った専大イレブンは一目散にベンチから飛び出すと、スタンドから応援していた選手もピッチへ駆け出した。ピッチ上に集まった選手たちは喜びを爆発させ、歓喜の輪が広がった。
▲まさに総力戦で奇跡の残留を呼び込んだ専大サッカー部
源平貴久監督
試合を振り返って―
「ここ数試合で初めて0点に抑えられたので、非常に良かった。得点シーンについては、相手が綺麗にブロックを敷いて守るので、外側から攻めるという狙いがあった。イメージ通りの得点だった。1部残留はたまたまとはいえ、結果がついてきた」
リーグ戦を振り返って―
「強かった時のイメージを僕らスタッフの方がずっと持ち続けてしまったので、そこを切り替えられず、選手本人たちにも伝わるようなアプローチがなかなかできなかったのが問題だった。そういったところが今のこの結果を招いてしまったと思っている」
来シーズンに向けて―
「1部でもう1年できるので、優勝もしくはインカレ出場を目指して頑張っていきたい」
▲目に涙を浮かべながらあいさつする田口主将
田口圭介主将
試合にはどう臨んだか―
「残留が懸かっていた試合で、自分たちは勝つしかなかったので、点を取りにいくことと持てる力の全てを出すということを意識して取り組んだ」
リーグ戦を振り返って―
「『攻撃的で美しいサッカー』を掲げていたにもかかわらず、守りに入る試合も多くて、そこがチーム全体として出せなかったから勝てなかったと思う。また、そういった練習をしてきたのに、試合で出せなかったことを一番後悔している」
来シーズンを戦う後輩に向けて―
「今年はこうやって残留争いをしていたが、それでは駄目だと思う。専修大学が4連覇していた時代もあるので、来年もう一回優勝争いができるチームを作っていってほしい」
(藤森崚祐・文2、写真=藤森、高田)