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東都大学野球2部秋季リーグ戦 対青山学院大(第1戦) サーティーフォー相模原球場
専大は10月10日、青学大との第1戦に臨み5-1で勝利して勝ち点獲得へ1歩前進した。試合は2回、秋は初スタメンの火ノ浦明正(経済2・れいめい高)の右前適時打と小野田滉平(経営4・東京学館浦安高)のスクイズで2点を先制する。5回には山本力也(経営3・熊本工高)の2点適時打などで3点を加えた。先発の髙橋礼(商4・専大松戸高)は9回108球を投げ被安打5、10奪三振の好投。2試合連続となる完投勝ちをおさめ、リーグトップとなる4勝目を手にした。
▲安定した投球でリーグ4勝目をつかんだ髙橋
〈スコア〉
専 大|020 050 000|5
青学大|000 000 010|1
〈スタメン〉
1(二)福永裕基(文3・天理高)
2(遊)大庭樹也(経済1・明豊高)
3(中)山本力也(経営3・熊本工高)
4(左)平湯蒼藍(経済2・長崎海星高)
5(指)秦匠太朗(経営3・二松學舍大附高)
6(右)火ノ浦明正(経済2・れいめい高)
7(三)岡本良樹(経営2・専大松戸高)
8(一)小野田滉平(経営4・東京学館浦安高)
9(捕)大橋将(経営3・天理高)
P 髙橋礼(商4・専大松戸高)
力強いストレートを高めに投げこみ、打者のバットが空を切る。髙橋の良さが前面に出た108球だった。その空振りのほとんどをストレートで奪った髙橋だったが、その投球にはストレートを球速以上に速く見せる工夫が隠されていた。
まずは投球フォーム。立正大との入替戦後にフォーム修正に取り組んだ結果、腕を振る前の左足の踏み出しが春と比べてゆっくりになり、動きに「ため」ができている。「自分が意識している以上にゆっくり踏み出すことを心がけている」という髙橋の新フォームは打者からすればゆったりとした動きからボールが放たれるのでタイミングが取りづらい。そこに得意の直球が来るので打者は振り遅れてしまう。
直球を速く見せる工夫は配球にもあらわれていた。髙橋がカウント球に使ったのはカーブ。しっかりとブレーキのきいたカーブの後にストレートを投げることで、打者は球速以上にスピードを感じたはずだ。髙橋の球を受けたキャッチャーの大橋も「今日は緩急を上手く使えた。打者のタイミングも合っていなかった」と前後の奥行きを有効に使えたピッチングだった。
▲緩急を巧みに使って打者を抑えた髙橋
髙橋の好投に、バックの守備も応えた。火ノ浦のタイムリーで2点を先制した直後の守り、味方の失策でランナーを背負うも、キャッチャー大橋が鋭い送球で盗塁を阻止し、チャンスを広げさせない。さらに3回、同じく1塁ランナーを背負った場面で大橋が今日2つ目の盗塁刺。アンダースローというフォームの特性上、盗塁を仕掛けられることも多い髙橋を女房役が強肩でアシストした。
▲3回、鋭い送球で盗塁を阻止した大橋
4回の守り、髙橋は1アウトから初めてヒットを許すと連打で1、2塁のピンチを背負う。しかし髙橋はこのピンチを冷静に対処してセカンド正面のゴロを打たせると福永と大庭が4-6-3のダブルプレーを完成させ、最高の形でアウトを奪った。
▲福永(右)と大庭も好投する髙橋に守備で応える
8回に1点を失うも、後続はしっかり抑えて最小失点に抑えた髙橋。最終回のマウンドに上がるとこれまでと変わらずテンポの良い投球であっという間に2アウトを取り、最後のバッターから10個目の三振を奪い、試合を締めた。
◎6番火ノ浦、起用に応える先制打
秋リーグでは初スタメンとなった火ノ浦が、その最初の打席でさっそく結果を残してみせた。4番・平湯の2塁打でチャンスを作り、1アウト2塁で迎えた第1打席で、一二塁間を鋭く破るライト前ヒットを放つ。2塁走者平湯の激走もあってチームに勢いをもたらす先制打となった。思いきりのいい打撃が売りの火ノ浦が、外野手争いに名乗りをあげる。
▲先制打を放った火ノ浦
▲5回、2点適時打を放った3番の山本力。秋はスタメン起用が続く山本が追加点をもたらし髙橋を援護した
▲タイムリーヒットを放った山本は拳を力強く握る
2位の青学大から初戦を取った専大。髙橋の完投勝ちの勢いそのままに次の試合も勝利で飾り、一気に勝ち点を獲得したい。まだ2部優勝の可能性はじゅうぶんにある。
試合後のコメント
齋藤正直監督
「今日は髙橋のピッチングに尽きます。よくがんばったと思います。火ノ浦もここのところ当たっていたのでスタメンにしましたが、ベンチの起用によく応えてくれました。青学相手に連勝して、勝ち点をのばしたいです」
完投で4勝目をあげた髙橋
「(完投で)他のピッチャーを休ませる事ができて、よかったです。今日はカーブを上手く使って、ストレートを速く見せられたかなと思います。ストライクゾーン内で前後の緩急で勝負できたので、四死球も最小限に抑えられました。次先発する拓大戦でも完投するつもりでがんばりたいです」
(飛田翼・文3、写真も)