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5月19日から21日にかけ、JAPAN OPEN 2017が東京辰巳国際水泳場で行われた。たくさんの日本代表選手に加え、海外選手も出場しハイレベルなレースを繰り広げた。専大からは5名が出場し、4名の選手が自己ベストを更新するなど大盛況を見せた。中でも、4月に行われた日本選手権5位の服部友香(商4・八王子学園八王子高)は勢い止まらず、200m平泳ぎ決勝6位、100m平泳ぎB決勝6位と輝かしい成績を残した。
大会1日目、服部は100m平泳ぎに出場し、全体14位(1分10秒20)でB決勝へと進んだ。迎えたB決勝、50mの通過は8番手とスタートで他選手から少し遅れた服部。しかし、後半になってもペースを落とすことなく、服部らしい伸びのある泳ぎで追い上げ、1分10秒24の6位でフィニッシュ。レース後、日本選手権より1秒以上タイムを縮められたことに「率直に嬉しい」と笑顔。「今までと比べてキックに『引っかかり』がしっかり感じられた。200m平泳ぎでも前半は今回と同じイメージで入り、後半にも余裕を残せたらタイムは出るはず」と意気込み、次につながるいいレースで初日を終えた。
大会3日目、服部にとって本命の200m平泳ぎ予選。おとといのレースで得た感覚が生きたか、前半から「ひと掻きひと蹴り」やその後の「伸び」への意識が伝わる、落ち着いた泳ぎで試合をリード。見ていて気持ちのいいくらいにすいすい進むその泳ぎには、服部の良さがあふれていた。後半もペースは落ちることなく2分27秒68と、シーズンベストに迫るタイムでゴール。予選を笑顔で振り返り、「後半も疲れることなく、伸びが感じられた」と手ごたえを確実につかんだ様子。実力ある選手がそろう中、全体4位と危なげなく決勝へと駒を進めた。
そして、期待が高まる200m平泳ぎ決勝。競泳独特な決勝での派手な演出に加え、大会最終日ということもあり会場内のボルテージは最高潮に達していた。入場前、スクリーンには控室の様子が映し出され、選手たちの顔つきから緊迫した空気がひしひしと伝わった。大歓声の中、選手紹介のアナウンスとともに選手たちが入場。服部は両隣を日本代表選手が泳ぐという厳しい条件でスタートを迎えた。レース前半、服部は両サイドの選手に離されてしまっても懸命に前を追うが、予選に比べ動きは固かった。後半も伸び悩み、2分27秒83と予選からわずかにタイムを落とし、6位でレースを終えた。
決勝の泳ぎを振り返り、「自己ベストを出すためには両隣の選手についていかなければいけないと思っていた分、相手を意識しすぎてしまい前半から力んでしまった。そのせいで後半に疲れが出てしまい、タイムが伸びなかった」と悔しさをにじませた。しかし、レース前は日本代表選手が多くいる中でも「日本選手権の時よりも緊張しなかった」と服部。さらに、今シーズンの好タイム連発の秘訣について、「今までは試合ごとに泳ぎのテンポがバラバラだったが、最近は『伸びる』ことに意識を置いたところ、テンポも安定してきた」と分析した。
レベルの高いレースを積むことでメキメキと力をつけ、自分の泳ぎをしっかりと確立していく服部。その一方で「常に『チャレンジャー』としての気持ちで今後もレースに挑んでいきたい」と謙虚さも忘れない。関カレ優勝、インカレ決勝進出の目標達成への道も遠くない。そして、高校3年時にマークした200m平泳ぎの自己ベスト「2分26秒80」をいつ超えてくるか。服部にとってのラストイヤー、まだまだ成長は止まらない。
▽田中亜季(法4・明星学園高)
50m平泳ぎ 32秒93(25位)
100m平泳ぎ 1分11秒09(22位)
200m平泳ぎ 2分32秒10(26位)自己新
50mバタフライ 28秒23(50位)
100mバタフライ 1分02秒66(49位)
「出場した5種目のうち、最後の200m平泳ぎでベストを出せたのはよかったが、全体的に調子が悪かった。決勝に進む予定だった種目もあったのに、とても悔しい結果で終わってしまった。課題はメンタルを強化すること。1本目のレースがうまくいかないと次のレースまで引きずってしまいがちだが、このままではインカレで勝負にならない。チームの得点につなげるためにも自己ベストを狙っていきたい」
▽原大輔(経営3・八王子高)
200m平泳ぎ 2分15秒37(38位)自己新
「落ち着いてレースに臨めたため、自己ベストにつながった。先週まで調子がなかなか上がらず焦っていたが、なんとか合わせることができた。現時点でベストの泳ぎだったが、前半もう少し攻めることができていたら、さらにいいタイムを狙えていたかもしれない。インカレでは満足のいく結果を出せるよう頑張りたい」
▽林龍之介(経済3・埼玉栄高)
200m自由形 1分51秒47(26位)自己新
400m自由形 3分56秒30(22位)自己新
「G.Wは練習量が多く自分を追い込み、今大会にむけ身体、気持ちともに調子を合わすことができたため、自己ベストを出せた。ジャパンオープンには初出場だったが、知らない舞台だからこそ怖いもの知らずに楽しみながら自分のレースができた。欲を言えば、出場した2種目どちらも20番台であと一歩が足りなかった。次の大きな大会である関カレでは2回泳ぐことを目標に、今大会の反省を生かして頑張りたい」
▽関矢雄太(経済2・埼玉栄高)
400m自由形 3分58秒17(32位)自己新
「日本選手権は自己ベストタイだったため、越えられなかった悔しさを胸に1ヶ月間練習してきた。しかし、1週間前に足首を捻挫してしまい、数日は泳ぐにも痛い状態だった。だが、怪我をしたことで逆にいけるところまでいこうと気持ちが吹っ切れ、前半から積極的に攻めた結果、自己ベストを出せた。インカレでは今回よりもさらにタイムを伸ばしてB決勝、決勝を狙っていけるよう、この夏追い込んでいきたい」
(文=温井結・商3、撮影=石崎愛奈・法3)