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専大がエースと４番の活躍で春季リーグ戦初勝利を挙げた。
１回、4番・神山琢郎（経営４・県岐阜商高）がレフトスタンドへのホームランで２点を先制する。３回には３番・今坂のセンター前タイムリーヒットで１点を追加、６回には９番・須永隼人（商１・専大松戸高）のスクイズでさらに１点を加えた。初回から援護点をもらった先発の阿部拓磨（経営３・専大松戸高）は持ち前のテンポのいい投球で内野ゴロを量産し、９回１失点で完投勝利を収めた。
▲完投勝利を収め、選手たちとタッチを交わす阿部拓（撮影＝大河原）
＜スコア＞
国士舘 ｜０ ０ ０ ｜０ ０ ０ ｜０ １ ０｜１
専 大 ｜２ ０ １ ｜０ ０ １ ｜０ ０ ｘ｜４
＜スターティングメンバー＞
１（中）上野滉平（商２・県岐阜商高）
２（右）福井亮太（商４・県岐阜商高）
３（遊）今坂僚介（ネット情報４・常葉菊川高）
４（捕）神山琢郎（経営４・県岐阜商高）
５（一）大野恵和（経営３・専大松戸高）
６（指）五十嵐健（経済２・常総学院高）
７（三）山口剛史（商３・伊勢崎商高）
８（二）杉山滉生（経済３・専大北上高）
９（左）須永隼人（商１・専大松戸高）
Ｐ 阿部拓磨（経営３・専大松戸高）
「やっと勝てました！チームのみんなも安心していると思います」―
試合後、主将の神山はそう言って安堵の表情を見せた。リーグ戦５試合目にして初勝利。３月の関東選手権で準優勝してからも黒星が続き、少なからず焦りの感情もあったはずだ。
これまで投打が噛み合わず敗れることが多かった専大だが、今日は初回に４番・神山のホームランで投手を援護すると、先発の阿部拓が最後までリードを奪われることなく完投勝利。投打がしっかり噛み合ってつかんだ勝利だった。
試合は１回、先頭の上野が四球を選び出塁する。続く福井がバントで送り、初回からリズムよくランナーを得点圏に進めた。続く今坂は倒れるも４番の神山はインコースに入ってきた変化球に対してバットを強く振り抜いた。打球はレフトの頭上を高々と越えていき、先制の２ランホームラン。
「４年生がなんとかしないと、という思いで打席に入った。自分はやらないといけない立場なので、こういう形で結果を残せてよかった」と打った本人も納得のホームランだった。
▲１回裏、先制の２点本塁打を放った神山（撮影＝飛田）
初回を三者凡退に抑え、その直後に２点の援護をもらった先発の阿部拓。この日も持ち味であるテンポの良い投球で相手に的を絞らせない。「ツーシームとカットボールを有効に使う事ができた」と手元で鋭く曲がる球でゴロを打たせた。バックも序盤から好守で投手を盛り立てた。
３回、先頭の須永がセンター前ヒットで出塁すると、続く上野が送りバントでランナーを進め、２アウト２塁で打者は今坂。前の打席では打ち取られていた今坂だが、「これまでストライクを待ってしまったので、積極的に打っていこうというのをチーム内でも決めていた」と甘く入ってきた直球を弾き返した。打球は二遊間を破っていくセンター前タイムリーヒットになり、この回１点を加える。
▲３回裏、追加点のタイムリーヒットを打った今坂（撮影＝飛田）
６回には先頭の山口剛が二塁打でチャンスを作り、この日３つ目の送りバントでランナーを進め、１アウト３塁となったところでバッターは須永。カウント３－２から意表を突くスクイズを成功させ、点差を広げた。
▲６回裏、須永のスクイズで１点を加える（撮影＝飛田）
▲スクイズを決めた須永（写真左）はベンチ前でホームインした山口剛（写真右）とハイタッチ（撮影＝飛田）
８回に１点を失った阿部拓だが、最終回もマウンドに上がり、三者凡退で締めた阿部拓。球数も少なく抑え、奪ったアウトのうち内野ゴロが14個と、阿部拓の良さが前面に出た投球だった。
▲チームの初勝利を自身の完投で飾った阿部拓。それでも「次は完封を目指してやっていきたい」とさらなるステップアップに意欲を見せた（撮影＝大河原）
初回に先制点、中盤以降にも中押し点が入り、良い形で追加点を取り試合を有利に進めた専大。得点したイニングではいずれも送りバントを成功させており、小技をしっかり決めて後につないだことがその後のタイムリーを生んだ。阿部拓の好投で守備につく時間も短く、リズム良く攻撃に入れることができたことも、今日の勝因の１つと言えるだろう。
試合後インタビュー
神山主将
「試合前日にミーティングをして、チームの方向性や勝ちたいという気持ちを再確認したことがさっそく良い結果に繋がってくれました。（先発の阿部拓について）球数も少なく、打たせて取って、リズムの良いピッチングをしてくれました。彼には毎回助けられてばっかりですね、感謝しています。『守備の時間短く、攻撃の時間は長く』というのは前からチーム内でも話していて、今日はまさにその通りになりましたね。守備でピッチャーを盛り立てることができました。これからの試合でも関東選手権のときのような、自分たちの野球をしていきます」
先発の阿部拓
「関東大会で2回完投できたことが、今日の完投にもつながったと思います。野手の皆さんが初回から点を取ってくれて、楽に投げることができました。守備でも助けてもらって、今日の投球ができたのは野手の皆さんのおかげです。課題としては7.8回に相手が慣れてくるところで失点し、攻略されてしまったところですね。次はその課題を意識して、完封を目指してやっていきたいです」
追記：翌17日には上柚木公園野球場にて国士舘大２回戦が行われた。試合は初回に神山のタイムリーヒット、大野のスクイズで２点を先制。９回には五十嵐の本塁打で１点を加えると、先発の山口寛太（法２・金沢市工高）が９回を１人で投げきって完封勝利を収めた。チームは２連勝で国士舘大から勝ち点１を挙げた。
（飛田翼・文３）
