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2016.11.07
野球

【野球部】堀田の完封勝利、伊與田のサヨナラ打 チーム一丸で決めた1部残留

東都大学野球秋季リーグ 1部2部入替戦 対国士舘大 2回戦

 

 11月7日、神宮球場にて1部残留に王手をかけた専大が、混戦の2部を制した国士舘大に挑んだ。試合は両先発が好投を見せ、スコアボードに0を刻んでいく。先発堀田竜也(経営3・常葉学園菊川高)の力投に応えたいが打線が相手先発をなかなか打ち崩せず、9回裏へ突入。代打攻勢で満塁の場面を作ると、打席には4年の伊與田一起(経営4・明徳義塾高)。今秋、1割5分8厘と苦しんだ副主将が最後の最後で最高学年としての意地を見せ、サヨナラ打を放った。このサヨナラ勝利で専大は入替戦2連勝、1部残留を決めた。

 

▲試合後、声援に応える伊與田(撮影=飛田翼・文2)


<スコア>

国士大|000 000 000 |0

専大 |000 000 001×|1

 

スターティングメンバー

1 (遊)池間誉人(商1・糸満高)

2 (二)伊與田一起(経営4・明徳義塾高)

3 (一)福永裕基(文2・天理高)

4 (指)平湯蒼藍(経済1・長崎海星高)

5 (右)秦匠太朗(経営2・二松學舎大附高)

6 (左)森山恵佑(商4・星稜高)

7 (捕)深水裕貴(経営1・熊本工高)

8 (三)岡本良樹(経営1・専大松戸高)

9 (中)寺澤圭祐(経営1・検見川高)

P 堀田竜也(経営3・常葉学園菊川高)

 


 前日の試合では打線がつながり、14安打14得点と大勝。森山に一発が飛び出すなど、打線が爆発し、本来の専大野球を取り戻しつつあった。しかし、今日の試合は一転してロースコアで試合が進む。前日7回を自責点0に抑えた髙橋礼(商3・専大松戸高)からバトンを受け、この日の先発マウンドには同じく3年の堀田。今秋は好投を見せる試合も多くあったが、粘りきれない試合が目立った。しかし今日の堀田は違った。再三迎えるピンチも力のあるボールで三振を奪い相手打線をねじ伏せていく。「今日は全部が良かった。」堀田は力投を続け、バックの好守もあり9回を無失点。今年一番の投球を見せ、打線の援護を待つ。

 

 ▲5回のピンチを奪三振で切り抜け、ガッツポーズをする堀田(撮影=飛田)


 打線は相手先発からチャンスを作るもなかなかあと一本が出ず、リーグ戦の時のような空気が漂っていた。しかし、堀田の粘りの投球でチームが一体となり、「勝つ」ということに貪欲になった。我慢して我慢して、チャンスを待ち続け9回裏、ついにその時はやってきた。1年生ながら、今秋ほとんどの試合でスタメンマスクを被った深水が先頭打者で粘り、四球を選んだ。そこで相手投手の集中が切れたかのように制球が乱れ始め、代打小野田滉平(経営3・東京学館浦安高)、和田裕生(経済3・福岡大大濠高)の3年生が必死に四球をもぎ取り、1アウト満塁。打席には4年の2番伊與田。副主将として、内野の要としてこれまでチームを支えてきた。個人としても今年の秋は苦しいシーズンだった。しかし、「やってきたことを信じて冷静になれた」。大学4年間を最後の打席に込めて放った打球はワンバウンドで前進守備のセカンドの頭を越え、サヨナラタイムリー。「最後は4年の伊與田が決めてくれて、本当に良かった。」と齋藤監督も感極まった。

 

 試合前、伊與田は「なかなか試合に出れなくても、我慢してサポートしてくれた4年生の応援は本当に力になった。その期待に応えたい。」と話し、そんな想いが乗った一打でもあった。サヨナラ直後、スタンドで応援している4年生に『やったぞ』と言うように何度も拳を突き上げ、スタンドとサヨナラ勝利の喜びを分かち合った。

 

 ▲サヨナラ直後、スタンドへ向かって何度も拳を突き上げる伊與田(撮影=飛田)


  1回戦2回戦と下級生が多く出場する中、4年生二人の活躍が光り、1部残留を決めた。また、今年なかなか思うような結果を残せなかった髙橋、堀田の両投手がこの大一番で期待に応えた。

 ▲入替戦でお互い好投し握手を交わす堀田、髙橋(撮影=飛田)

   来年からはこの2人がチームを引っ張っていくことだろう。その意味でも来年へつながる貴重な入替戦になった。苦しんだ1年を糧に、来年こそ戦国東都の頂点に立つ。

 

(大河原佳也・文2)

 

 

 

▼以下コメント

齋藤正直監督

「よく凌いだのが最大の勝因。みんなで我慢してよく凌いだ。ここまできたら、意地と意地のぶつかり合い。堀田が本当によく頑張ってくれた。先頭打者と和田がフォアボールで出たのも大きかった。最後は4年生の伊與田が決めてくれて、本当に良かった。」

 

 

サヨナラ打を放った伊與田一起

「1年間苦しかった。この秋は自分として色々悩んだ。それでも1年間やってきたことを信じて最後に出て良かった。(サヨナラの場面について)最初バッターボックスでは震えていたがやってきたことを信じて冷静になれた。そこが良かったと思う。自分は打つ気でいた。打てるボールを待っていた。『抜けてくれ』と思いながら走って、抜けてからは頭が真っ白になった。本当に良かった。(1部昇格のときと比べて)上がるときの入替戦は勢いがあったけど今回は落ちる入替戦で流れも悪かった。(1年の春、2部に落ちた入替戦では最後のバッターだったが?)言われてみればそうだった。こういう時に回ってくるんだなと思う。(改めて入替戦を振り返って)この2週間で1人1人見直してやって、それが昨日しっかり出た。自分は誰よりもバットを振ってきた自信があった。毎日バットを振り、そのルーティンを崩さず今日までやってくることができた。その結果が最後に出て本当に良かった。今年一年、本当に悔しく、苦しかった。勝つ難しさを味わった。(これからのチームについて)下級生が多く出ていて、力のあるチームだし、普通にやれば良い結果が出る。今年出ていたメンバーがしっかり(他のメンバーに)伝えていってほしい。」

 

 

大一番で完封勝利を収めた先発の堀田竜也

「勝てて素直に嬉しい。4年生たちを中心に全員で試合を決められて良かった。今日は、普段と変わらず入れた。準備はしてきたので、落ち着いていつも通り投げることができた。味方が点を取ってくれるはずだと、打線を信じていた。三振が多かったのも、いつも通りの自分のピッチングができたからだと思う。本当に特別なことは何もない。今日は全部が良かった。1部残留が決まって、来年に良い形でつながると思う。さらに練習を重ねて、次は優勝して喜べるようにしたい。」

▲好投した堀田(撮影=谷田祐樹・法2)