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2016.10.04
野球

【野球部】奇跡を見せた専大!3時間の激戦制す


10月4日、東都大学野球秋季リーグ、日本大学(以降日大)対専修大学(以降専大)1回戦が、神宮球場で行われた。結果は8対7で勝利。見事勝ち点1にリーチをかけた。
 

 まさしく奇跡の試合だった。専大が得点すれば日大も負けじと点数を取ってくる。1点取られれば2点、2点取られれば3点と、互いに得点を重ね、7対6と専大リードで迎えた9回表、2アウトまで追い込むも再び2点を取られ逆転。誰もが終わったと思ったが、専大ナインは諦めていなかった。運命の9回裏、3番福永裕基(文2・天理高)、5番平湯蒼藍(経済1・長崎海星高)が四球で出塁すると、6番秦匠太朗(経営2・二松学舎大附高)が粘りのセンターへのタイムリーヒットで1点、再び同点に持ち込むと、8番代打上木健晴(経済4・大垣日大高)のレフトへのタイムリー2ベースで1点をもぎ取り、8対7。3時間にわたる長きシーソーゲームを見事制した。

▲サヨナラ打を放ち、ナインに迎えられる上木


・強打の専大復活か
 強打の専大がかつてのなりを取り戻そうとしている。2回裏に9番深水裕貴(経営1・熊本工高)のショートへのタイムリーヒットで先制すると、3対1と逆転された4回裏、8番寺澤圭祐(経営1・検見川高)のレフトへのタイムリー2ベースで同点。再び4対3とリードされた7回裏、3番福永、4番森山恵佑(商4・星稜高)、5番平湯のタイムリーヒットで3点を取り、6対4。その後6対5で迎えた9回表、2アウトまで追い詰めるものの逆転のタイムリー3ベースを打たれ6対7と逆に追い込まれる。しかし9回裏、8番代打上木のタイムリー2ベースで試合をサヨナラで決め、8対7で勝利を飾った。15安打8得点と1年前の優勝打線を彷彿(ほうふつ)とさせるような怒涛の攻めでこれまで勝ち点0と停滞していたチームの鬱憤(うっぷん)を見事晴らした。この一戦を期に、はたして強打専大が再び蘇るか、明日の試合に注目したい。


・粘りの投手陣 勝利の裏には、投手陣の粘り強さがあった。先発の勝田翔紀(商2・大社高)、中継ぎの堀田竜也(経営3・常葉学園菊川高)の両名のピッチングが打線を奮い立たせた。先発勝田が連投の疲れを耐え切り、再三ランナーを背負うものの3回3分の2を3点で抑えると、代わった堀田がその後7回まで無失点。堀田も6回以外はランナーを背負ったピッチングになるものの、持ち前の粘り強さで最少失点に抑えていく。9回表に2点を取られ逆転されてしまうものの、その後も一人で投げきり、9回裏、味方の反撃を待つ形でマウンドを後にした。
 今秋は勝田、堀田ともに中継ぎとして出番が多い両名だが、持ち前の粘り強さを武器に奮闘している。特に今日の試合は一人が最後まで投げきると言うよりは二人で一試合を投げきるという感じだった。勝ち投手となった堀田も「自分のやれることをやるだけ」とどこのポジションでもいけると話す。代打で試合を決めた上木然り、先発、中継ぎを務めた勝田、堀田然り、だれがどこで出ても実力を出し切る、一人ひとりの準備のよさが今日の試合の勝因だったのかもしれない。
                            

 (文=村田侑晟・文2、写真=村田、冨樫幸恵・文2、飛田翼・文2)


▼以下コメント

齋藤正直監督
「粘り強い試合ができました。 1、2年生を主体にしてきて、これまでの試合の中で力を蓄えてきたのでいつかその力が爆発しないかなと思ってました。今日は諦めない気持ちが全面に出ていた。次の試合もがんばります。」


森山主将
「( 今の状態について)自分でも考え過ぎている。だからフォームも力み過ぎている。ドラフトは気にしないようにはしてるんですが…でも気にしています。もう開き直るしかないし、気持ちを入れる。(9回の三振した場面について)思ってたコースではありました。状態の悪さから、いつもは反応できるところだが軸もブレていた。ただ最後の空振りは今季イチの良いスイング。手応えを感じたし、次につながる。( このカード、キャプテンとして)初戦をとにかく勝ち切ろうと。これ以上負けても何もない。開き直って前を向いて気持ちを前面にひたむきに。監督さんの雰囲気作りに頼らずに自分たちでも盛り上げていかなければいけない。(サヨナラの場面について)踏ん張りながら最後まで行った結果。粘って粘って諦めない、良い試合だった。これを続けていかないといけない。」


上木
「(サヨナラの場面は)打った瞬間は無我夢中で覚えていない。レフトフライかと思ったら歓声が聞こえて抜けたと思いました。サヨナラ打は人生初でした。打ったのはたぶんストレート。来たら打とうと思っていた。『持ってるな』と思いました笑、たぶん野球をやるのは今年が最後。(ヒットは何本目?)これで通算5本目でした。偶然にも全てのヒットが日大戦なんですよね。今春4本打ってて。相性が良いんですかね。(サヨナラヒットのボールは?)もらいました。本当にサヨナラ打は『持ってるな』と。」
▲試合後、声援に応える上木


堀田

「(ビハインド登板について)先発や中継ぎ、ビハインドでの登板については意識してない。1点もやれない、やらないことを意識していつも投げている。今日は守りのピッチングをしてしまった。次の登板では持ち前の攻めのピッチングをしていきたい」

▲今季2勝目の堀田



「自分たちはあとがないんで、負けて明日とか考えられない。(9回の同点打について)まっすぐに合わせて、なんとかしようとしていた。少しつまったが抜けて良かった。マウンドで良い感じに勢いがなくなってランナーがかえることができたのも良かった。明日は勝つだけ。」

▲土壇場で同点打を放ちスタンドに向かってガッツポーズする秦