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〈第102回関東大学バスケットボールリーグ戦 入れ替え戦=11月5日 国立代々木競技場 第二体育館 専大74ー72国士舘大〉

▲試合後の選手たち
昨年の2部降格から1年。専大が最短での1部復帰を果たした。一勝一敗で迎えた第3戦は、前半から苦しい立ち上がりとなった。よい形を作ってもシュートがリングに嫌われる時間が続き、8点ビハインドで折り返す。勝負の後半、後藤宙(商2・美濃加茂高)や古山幸聖(文2・桐光学園高)を中心に流れをつかみ、点差を詰めた。試合時間残り24秒、アピアパトリック眞(商3・福岡第一高)が値千金の逆転シュートを決めると、相手のファウルで得たフリースローを後藤が沈めてリードを広げ、74―72で逃げ切った。1部昇格が決まった瞬間、会場は歓喜に沸いた。この勝利で全日本大学選手権(インカレ)の出場権を獲得した。
この1年の全てを懸けた一戦。会場にはOBや保護者、関係者、ファンが駆けつけ、専大の他の部活動の仲間も最前列から太鼓とともに声援を送った。この日は足の怪我で加藤律輝(経営4・羽黒高)が欠場し、後藤がスターターに入った。気合十分で臨んだ第1Q、アピアがオフェンスリバウンドから自らシュートを決めて口火を切り、続けて3ポイントも沈める。途中、オフィシャルの掲示板が止まって試合が中断するハプニングもあった。試合が再開されると、キング太(文1・開志国際高)が速攻からフリースローを獲得して得点を重ねた。ディフェンスではインサイドを中心に効果的に守る場面もあったが、相手のニシンバアニエル選手に得点を重ねられ、15-18で第1Qを終えた。

▲チームハイ22得点5アシストと躍動した後藤
第2Qは苦しい時間が続いた。チームでも個人でもいい形のシュートを作るも得点にはつながらず、オフェンスが重くなってしまい、ミスからターンオーバーが重なる。6点差に広がったところで専大はタイムアウトを取って立て直しを図ったが、相手の流れは途切れない。この試合初めて2桁の点差をつけられた直後、笠木憂生(経済3・八王子学園八王子高)が3ポイントを沈めて食い下がる。それでも再び11点差に広がった第2Q終了間際、残り時間がわずかとなる中、タフな体勢から放り投げた後藤の3ポイントがリングに吸い込まれた。点差を1桁に戻すミラクルショットで後半への望みをつなぎ、32-40で前半を終えた。

▲入替戦3試合全てで二桁得点を記録したキング

▲2本の3ポイント含む12得点でチームを支えた笠木
勝負の後半、専大が反撃の狼煙を上げる。開始直後に笠木の速攻やキングのセカンドチャンスで連続得点し、一気に2点差まで詰め寄った。後藤は「リバウンドとかディフェンスとかはもちろんだが、速い(展開の)ところで相手に対応される前にやれたことが1番良かった」と振り返る。相手の3ポイントで再び引き離されかけるも、すかさず笠木が3ポイントで応酬した。その後は古山が3ポイントやジャンプショット、フローターと多彩なシュートで得点を引っ張り、オフェンスリバウンドからキングが決めて1点差。55-56で勝負は最終Qへ。

▲後半流れを引き寄せた古山
泣いても笑っても最後の10分間。立ち上がりは相手のゾーンディフェンスに苦しみ、なかなか突破できない。再び点差が開き、残り5分45秒で7点差となったところで専大はタイムアウトを取った。直後、後藤のアシストから古山がシュートを沈め、専大のオフェンスが息を吹き返す。後藤の3ポイントなどで点差を詰めると、キングがフリースロー2本をきっちり沈めて同点。さらにディフェンスから古山が速攻を決めて逆転に成功し、残り1分で71-69。しかし、国士舘大のタイムアウト明けに相手の3ポイントが決まり再逆転を許し、専大に試練が訪れる。試合時間残り24秒、笠木のアシストからアピアが値千金のシュートを決めて再び逆転した。その後は決死のディフェンスで守り切り、相手のファウルで得たフリースローを後藤が1本決めて74-72。残り1.9秒、相手に与えたフリースローはリングに嫌われ、試合終了のブザーが鳴った。

▲逆転の決勝シュートを決め吠えるアピア
ブザーと同時に、ベンチから飛び出した選手たちが喜びを爆発させ、スタンドの声援と太鼓の音が代々木第二体育館に響き渡った。昨年の悔しい降格から1年。「落とせない」1部の重圧とは違う、「つかみ取る」挑戦者の1年だった。大きなプレッシャーと戦い続けながらも諦めなかった専大が、1部リーグ復帰をつかみ取った。


▲試合終了後喜びを爆発させる選手たち
主将の野﨑稜太(文4・近畿大附高)は、試合を振り返って「今日のゲームに関しては99パーセント、なんなら100パーセントが気持ちだと選手に伝えた。何が何でももぎ取ってやる、今年のスローガンである『TAKE THE NEXT』を自分たちの手でつかみ取ろうと試合に入った。それが最後の最後に気持ちが乗って、40分間、全員で200分つながった」と勝因を語った。
この日は加藤が欠場し、野﨑自身も出場機会がなかった。それでも「他の4年生もプレータイムが少ない中で、コートの中でも外でも、ベンチの外でも、チームに対してできることがある。4年生が最後までコートに立っている時間は少なかったかもしれないが、要所要所で下級生をのびのびやらせるためにつなげてくれた。それに下級生が気持ちで、プレーで応えてくれた」と4年生の献身と下級生の奮闘をたたえた。
そして「選手だけではなく、OBの方、保護者の方、関係者の方、ファンの方、同じ専修大学の他の部活動のメンバーもたくさん、バスケ部の1部昇格を願って応援に来てくれた。大学バスケの聖地の代々木第二がホームコートだったと思う。めちゃくちゃ感謝を伝えたい」と会場を埋めた応援に感謝を述べた。

▲ベンチからチームを鼓舞する野﨑
佐々木優一監督は「4年生が4年生らしくあってほしいという話をキャプテンの野﨑としていて、野﨑からもその話をしてくれた。上級生が引っ張り、下級生が思い切りよく爆発していくスタイルだと思っている。プレータイムがあまりない中でも、4年生がベンチで4年生としての姿を見せてくれた。不安な時にベンチを見れば4年生が元気に励ましてくれて、それで1年生、2年生が思い切りできて、こういう結果につながった」と4年生の存在を勝因に挙げた。
この日はスターター5人がいずれも34分以上コートに立った。「プレータイムシェアも考えていたが、今日が本当に最後なので、変にシェアするのではなく、いい流れを継続した。4年生がいない中でも信頼しきってやった」と明かす。
最後に「国士舘大は本当に手強く、強かった。紙一重で、最後は運もあったと思う。本当にいろいろな方々の応援と、選手たちとスタッフの執念と熱い気迫がこの2点差につながった。感謝の気持ちを忘れずにまた頑張っていきたい」と語った。

▲コートへ指示を送る佐々木監督
1部復帰を決めた専大の次なる舞台は、全日本大学選手権(インカレ)。昇格の勢いそのままに、4年生と少しでも長く戦うため、全国の舞台に挑む。
記事=君嶋悠樹(経済3)
写真=能㔟優斗(商1)、作田夏楓(文2)

