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2026.11.05
相撲

【相撲部】Aクラス予選進出を果たし、団体戦で16強入り。大舞台で掴んだ手応えと、4年生が残した財産

<第104回全国学生相撲選手権大会2日目=11月1日 両国国技館>

秋空が広がる相撲の聖地・両国。学生相撲の頂点を決める全国学生相撲選手権大会(以下、インカレ)2日目となったこの日は、団体戦が行われた。会場には大学関係者をはじめ、相撲ファンや外国人観光客など客席を埋め尽くすほどの観客が詰めかけ、大きな盛り上がりを見せた。

専大のエントリーメンバーは以下の通り。

【先鋒】鈴木覇都(経営4・明大中野高)

 【二陣】山田珠大(文4・埼玉栄高)

 【中堅】新阜琳太郎(商4・鳥取城北高)

 【副将】坂本遼(商1・明徳義塾高)

 【大将】岩井遥空(商1・拓大紅陵高)

 【交代①】門傅陸(商2・加美農業高)

 【交代②】水野智朗(商3・愛工大名電高)

 【予備】齋藤凰士郎(経営3・東洋大牛久高)

B・Cクラストーナメントに出場した専大は、2回戦からの登場となった。 初戦の慶大戦では、先鋒・鈴木が寄り倒しで幸先よく勝利するも、続く二陣・山田は出鼻をくじかれ、相手の巧みなはたき込みに屈する。

▲鈴木が寄り倒しで制す

それでも、中堅・新阜が40kg以上重い相手を土俵際での華麗な身のこなしで押し出し、白星を挙げる。

▲新阜が華麗な身のこなしで制す

しかし、副将・坂本が惜しくも敗れ、勝負の行方は大将戦へ。

前日の個人戦後、「明日の大事な一番で回ってくると思うので、そこで勝ち切れるように頑張りたい」と意気込んでいた大将・岩井は、持ち前のパワーで終始相手を圧倒。最後は押し出しで破り、準々決勝進出を決めた。

      ▲岩井は持ち前のパワーで圧倒する

準々決勝の相手は関大。

先鋒・鈴木、二陣・山田が立ち合いから相手を圧倒し、それぞれ寄り倒し、押し出しで瞬く間に勝利を収め王手をかける。

      ▲立ち合いから圧倒

しかし、続く中堅・新阜、副将・坂本が惜しくも敗れ、この一戦も勝負は大将戦へと持ち込まれた。

「自分は小さい相手が苦手なので、相手をよく見て自分のペースで相撲が取れるように意識していた」と語る岩井は、前の取組と同じく相手を寄せ付けない相撲を見せ、押し出しで見事に白星を挙げた。

                 ▲押し出しで白星を挙げる

続く準決勝の国士館大戦は0勝5敗で敗れたものの、堂々のBクラス3位で午後のAクラス予選へと駒を進めた。


午後のAクラス予選には、専大をはじめとするBクラス上位4校と強豪揃いのAクラス12校の計16校が出場。各チームが3校と対戦し、団体の勝利数と勝ち点(個人の勝利数)の合計で順位を争う方式のもと、専大は明大・中大・拓大の3校と激突した。

Aクラス予選初戦の明大戦では、二陣に山田に代わって水野を投入。先鋒・鈴木が長時間の膠着状態から粘りの相撲を見せるも、あと一歩及ばず寄り切りで敗れる。二陣・水野、中堅・新阜も相手の体格差を生かした攻めに屈し、苦しい立ち上がりとなった。 


その中で、嫌な流れを断ち切ったのは副将・坂本だ。この日ここまで白星のなかった坂本だったが、巧みなはたき込みで一矢を報い、待望のAクラス初勝利を獲得。「Bの試合が終わってから気持ちを切り替え、思い切って臨んだ」と語る坂本が意地を見せた。

     ▲坂本が巧みなはたき込みで勝利する

続く大将・岩井は惜しくも押し出しで敗れ、明大戦は1勝4敗で黒星スタートとなった。

勢いを取り戻したい専大だったが、続く中大戦、拓大戦ではAクラス常連校の壁が重くのしかかる。拓大戦では二陣に門傅を投入して打開を図るなど果敢に攻め込むものの、相手の巧みな取り口に阻まれ、両対戦ともに0勝5敗と本来の相撲を出させてもらえない苦しい展開が続いた。

結果、通算0勝1点(※団体0勝、個人1点)でAクラス予選敗退となった専大。しかし、全国トップレベルの土俵で掴み取った貴重な1勝と直面した課題は、チームにとって次なるステップへの大きな道標になるだろう。


〇2人のルーキーが得たもの

試合後、初めてのインカレの舞台で個人・団体の2日間にわたる取組を終えた1年の岩井と坂本の胸には、悔しさと同時に確かな手応えが残っていた。

岩井は「Bクラスで自分の相撲を取れたのは良かったが、Aクラスに上がってからは押し負けることが多かった。そこはまだまだ頑張らないといけない」と先を見据える。

 一方の坂本は、「取組数が多かった中、6月の東日本(東日本学生選手権)ではBクラスのリーグ戦で敗れていたので、今回の準々決勝で関大に勝ってAクラス進出を決められたことがとても嬉しかった」と手応えを口にした。

初舞台ながら果敢な相撲を見せた1年生コンビ。蒲田監督も「Aクラスで坂本が1本を取ったのは大きかった。後ろ(副将・大将)を務めた1年生2人には、来年に向けてこの経験を生かしてほしい」と、次世代を担う2人に大きな期待を寄せる。

最高峰の土俵で味わった悔しさと収穫。この2日間で踏み出した大きな一歩は、来年への飛躍に向けた確かな糧となるはずだ。

           ▲坂本

            ▲岩井


〇引退

この日出場した4年生にとって、この土俵が大学生活最後、そしてこれまでの相撲人生においても節目となる取組となった。 

新阜は今日の取組について、「4年間の集大成、最後までやり切る気持ちで出場した。目標としていた1部に進出、2部に勝つということができたので、結果として良かったのかなと思う」と語った。

さらに5歳から歩んできた17年間の相撲人生に想いを馳せ、「ケガも多く、勝てなくて苦しんだときもあったけれど、最後に1つ取れたので、良かった」と静かに噛み締めた。

鈴木は「最後、一番悔いのないようにできたことが一番よかったかなと思う」と晴れやかに切り出し、専大で過ごした日々については「思い出に残ることもありつつ、自分のやり方をできるところでもあった。そこで自分の中で努力したいっていうところは、やりながらできたと思う」と実感を口にした。

キャプテンの山田は、「高校時代は、思った成績を残せなくて、全国大会に1回も出ることなく、3年間を過ごしてしまった。けれど、大学に入って、蒲田監督に出会ってからは、もう伸び伸び稽古をやらせてもらった。東日本でも好成績を修めて、全日本にも初めて出場させてもらって、今まではやらされていたけど、大学に入ってからは楽しんで相撲ができた」と充実した4年間を振り返った。

蒲田監督も「本当にこの4年間、コミュニケーションをお互いに取りながらやってきた。僕の一方的ではなく、彼らの方から色々相談もしてくれた。良い関係性でできたと思う。学業の方も頑張ってくれたので、そこも感謝したいと思う。今後は、OBになるので、また後輩たちを応援してくれる、そんなチームにしたいなと思う」と、共に駆け抜けた4年生たちへ感謝の言葉を送った。

       ▲左から鈴木、山田、新阜

  ▲最後の一番を終えて、一礼する鈴木と蒲田監督


◯4年生の思いは後輩たちへ

これからの専大相撲部を背負っていく後輩たちへ向けて、新阜は「相撲を楽しむことが一番だと思うので、頑張ってほしい」とエールを送る。

山田も「1部を目指して頑張っていく形になると思うが、後輩たちは体が大きい子とか、自分たちで考えて練習する子が多いので、いずれは、1部に上がれると思っている。来年入ってくる子含めて、楽しく相撲を取ってもらえれば」と、後輩たちの可能性に期待を寄せた。

鈴木は「あと3年間を、十分に自信を持って活躍できるように、あと半年もないですけど、お手伝いできたらいいかなって感じている」と、卒業までの期間も陰ながらチームを支えていく想いを明かした。

この大会で確かな存在感と力を発揮した専大相撲部。4年生が残した財産と後輩たちが掴んだ確かな手応えを胸に、チームはこれからも新たな歴史と伝統を未来へ繋いでいく。

     ▲後輩の取組を見守る鈴木と山田

文・写真=藤原建(法1)